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両手打ちバックハンドにおける左右の肩の高低差、打点とグリップ、トップハンドとボトムハンド (テニス)

両手打ちバックハンド テイクバック
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今回は両手打ちバックハンドについて

今回は、少しお話をうかがった内容があったので両手打ちバックハンドについて書きたいと思います。両手打ちバックハンドについてだけ書くのはブログでは始めてかもしれません。

両手バックインパクト

ただ、私自身、テニスを始めた時から片手打ちバックハンドを続けているので『打ち方』と言うより、身体の構造や仕組み上、両手打ちバックハンドを打つ際にこういった点が関わってくるのではないかという考察になると思います。

なお、私は専門家やコーチではありません。自分のテニス上達のために自分で考えたことを書いています。会ったこともテニスを見せたこともない者の話をそのまま鵜呑みにするのは危険です。なんとなくやってみて怪我をしたり。相談は普段から自分のテニスを見ているコーチにされる方が良いです。単なる情報、それをどう使うかは自身次第。「自分のテニスを上達させるのは結局自分自身。コーチや周りの人達ではない」です。ボールを打ちながら考えるのは難しく、聞いた事は次回までに忘れてしまう。予習と復習の効果。振り返り、調べ、考え、次回検証する習慣付け。半年後、1年後、取り組みの差は恐ろしいほどだと思います。今はネットもスマホもあります。昔ほど調べるのに時間も要らない。苦労すれば上達する訳ではないですが、手間を惜しむ事で得られた結果が得られない。気が付かないままそれを繰り返している気がします。

トップハンドとボトムハンド

野球で聞く用語に『トップハンドとボトムハンド』という物があります。

テニスと同じく手に持った道具でボールを打って飛ばすルールを持つスポーツである野球。バットは両手で持ち、右打者ならバットは「左手が下、右手が上」になるよう、左打者なら「右手が下、左手が上」になるよう握ります。

Baseball

このバットを握る際の上側に来る手を『トップハンド』、下側に来る手を『ボトムハンド』と呼ぶようです。テニスの両手打ちバックハンドで言えば、右利きなら基本、左手がトップハンド、右手がボトムハンドという事になりますね。

両手打ちバックハンド テイクバック

グリップの違いと打点位置

打ち方を習う際、必ずと言って良いほど「両手打ちバックハンドは非利き手 (右利きなら左手、左聞きなら右手の) フォアハンドの要領で打つ」と聞くと思います。

分かりやすいよう片手で打つフォアハンドの例で示しますがラケットの握り方と打点の関係性で言えば「グリップが厚くなるほど打点の位置は身体から前に遠くなっていく」のはご存知の通りです。

forehandフォハンド 打点tennis forehand

これは、自分がボールを飛ばしたい方向に向けて90度になるようラケット面を向けるのが簡単で効果的であり、ラケットの握り方によってこの向き、例えば水平方向に前へボールを飛ばしたいならラケット面は地面と90度になる打点の位置が自然と変わってくるからです。(よく言われる「地面と垂直」はボールを飛ばしたい、エネルギーを加えたい方向で決まるもの。真上にボールを突き上げるのにラケット面を地面と垂直にする人は居ないですね)

飛ばしたい方向にまっすぐ進めるtennis forehand

ボールを打つ度に肘や手首で操作してこの『自然な位置』を変えて打つ意味は無いでしょう。無意識に「毎回調整して打とうとしている」のなら、インパクト前後以前の段階で左右の足や身体の力を使ってラケットを加速させ、ラケットに働く『慣性の法則による直進性』を用いて「ラケットが勝手に進んでいく」性質を利用したいです。(進めていく方向にボールや打点があり、打つ、打たない関係なくラケットは直進し続けます。素振りも実際にボールを打ってもスイング自体は変わらない)

ラケット 振り子ラケット慣性の法則ラケットのスイング軌道

ラケットをボールに近づけてから手や腕で「うまく当てよう」「ラケットを振ってボールを飛ばそう」とするのが安定した結果をもたらすとは思えません。プロでもやっていない事を我々がうまく出来る筈もないでしょう。(逆に言えばプロも楽な打ち方を基本にしているという事でしょう)

federer forehand stroke

両手打ちバックハンドの話に戻すと、片手で打つフォアハンド同様、非利き手、右利きなら基本左手、左利きなら基本右手の握り方、グリップのよって打点の位置は自然と変わってくると考えられます。

両手バックインパクト

両手打ちバックハンド、インパクト前後における左右の肩の高低差

私がうかがった両手打ちバックハンドのお話とは、

「プロが両手打ちバックハンドを見ると、右利き選手ならインパクト前後で “左肩が上”、”(利き腕側である)右肩が下” に見える (高低差がある)。自分は左肩が下がったり、左右の肩が水平だったりする。また、野球やゴルフだと “利き腕側が下” に見える。これらの違いはどうして生まれるのだろう」

といったものでした。

左肩の方が『上』左肩の方が『下』
Malek Jaziri - backhand takeback swinggolf swing 2

これを聞いた時に『トップハンドとボトムハンド』『非利き手側の握り方』が関係してくるかなとふと思ったのです。

Baseball

非利き手の握り、打点位置、腕の角度

身体の正面、中段の構え

実際は少し違うかもしれませんが、剣道で身体の正面、中段に構えた際、握り方は「竹刀を “上から” 握る」感じ。テニスで言えば「薄い」グリップ、コンチネンタルグリップで言う「包丁持ち」のような握り方に見えます。左右の手で位置の上下差(トップハンドとボトムハンド)があるので左右同じとは言えませんが左右の肩で大きな高低差は感じないですね。

剣道

これは、両手でラケットを持った状態での『構え』の状態に近いでしょうか。共通点は「薄い握り」「身体の正面、左右の肩の間に対象がある」といった部分ですね。

Amanda Anisimova

そこから利き腕側 (前) に移動させると

両手で持つラケットの位置を身体の正面、両肩の間から、利き手方向に移動 (両手打ちバックハンドなら打点を前にする)させていくと、肘をたたむ、腕を下げる等から、アンダーハンド側の利き手側肩はやや下がり、逆にトップハンド側である非利き手は引っ張れて同利き手肩に少し力がこもる、硬くなる。肩がやや上がった感じになると思います。

両手打ちバックハンド 両肩の高さ

身体の構造上、ラケットを握る手の位置は肩の位置に依存します。腕の長さ以上に左右の肩より遠い所には手やラケットを移動させられません。ラケットを右肩側に移動させると左手は引っ張られ、身体の正面だと気にならなかった左右の手で握る位置の違い (トップハンドとボトムハンド) がより明確に感じられるようになるでしょう。

Malek Jaziri - backhand takeback swing

更に “前へ” 打点を移動させようとすると

握り方が前提ではなく、上の状態から更にラケットの位置を利き手 (右肩) 側、前に取ろうとするなら、非利き手側の握りを「厚く」していく方が手や腕が楽です。

フォアハンドでも打点を前に取ろうとすれば身体の構造とボールを飛ばしたい方向にラケット面を向ける都合上、グリップは厚くなるのでしたね。「高い打点で打つ」のも楽になります。

最初に述べたラケット(竹刀)を「上から握る」薄い握りから、ウエスタングリップならラケットを「横から握る」、更に厚い握りならラケットを「下から握る」様になってきます。

forehandフォハンド 打点tennis forehand

ラケットを「横から握る」ウエスタンなら、「上から握る」薄いグリップだと上がっていた非利き手側肩の高さが下がってくる。更に「下から握る」“より厚い” グリップなら非利き手側の肩の方が下がるようになる。これも身体の仕組み上の制限、身体を痛めないようにする自然な動作でしょうね。

両手バック 両肩の高さ

ただし、身体の仕組み上の制限の例として述べているだけで、実際に両手打ちバックハンドで非利き手側が下がる程、非利き手でラケットを「下から握る」厚いような握りは汎用性が低いと思います。(ロブを打つ際に身体を傾ける、両肩のラインが傾くといった事はあるかも)

tennis

例えば、野球で言うアッパースイングだったり、ゴルフのおける左右の肩の高さをインパクト前後で入れ替えるスイングにこれが関係する感じでしょうか。(ゴルフはドライバーは一番打点が前、パターは打点が手前(身体の正面近く)になる。利き手側 (ゴルフなので) の握る「厚さ」が違ってくる)

baseball

Photo by Chris Chow on Unsplash

Camron Flanders 8 iron practice

両肘の上側が前を向く、両肘の下側が前を向く

ラケットを両手で握っている以上、片手の場合ほど腕を捻ったり曲げたりできません。

腕 外旋 内旋プロネーション・スピネーション

ラケットの状態を安定させやすい (グラグラしない) 訳ですが、代わりにラケット面の向きは左右の腕、左右の肩を上げ下げ等でも調整する必要も出てきます。

両手バックインパクト

(これをやったからどうこうではなく “より再現性高く安定して” 打つための工夫のひとつとして)「両肘の上側が前 (図なら右肩側)を向く、両肘の下側が前を向く」といった状態の違いを自分の意図で使い分けるといった事ですね。

左右の肩の高さ

高い打点に対応するため非利き手を上げる、肩も上がる

また、トップハンドとボトムハンドの違いから来る左右の肩の高低差には、非利き手で握るグリップの厚さとは別にボールを打つ打点の高さも関係します。

非利き手側がラケットを「上から握る」薄いグリップなら、高い打点で打つ場合にラケット面の向きを整えるために、非利き手側を『より上に』上げてボールを抑え込むように打つ手法も使うでしょう。

Nole big backhand

ボールに対してより後側にある非利き手、トップハンド側の方がラケットでボールを押し支える調整に向くと考えます。(この辺りが利き手だけで打つ片手打ちバックハンドの難しい所)

また、非利き手を「横から握る」厚いグリップなら高い打点が打ちやすくなります。これらも腕の構造から来る話ですね。

現在のトッププロを見るとトップハンド側は「薄め」が多い

私はずっと片手打ちバックハンドなので年代毎の両手打ちバックハンドの変化には疎いのですが、現代のトッププロ (主に男子) を見ると「トップハンド側 (非利き手側) を “薄めに” 握っている」選手が多いのかなと思っています。(イースタンから薄めのセミウエスタン位)

Djokovic Backhand

その理由について、素人ながら少し考えみたいと思います。

ラケット面を後から押し支えるようなインパクトイメージ?

私は初心者の頃、「腕を前に伸ばし、ラケット面を通して後からボールを見る、ラケット面を通してボールを後から押し支えるようなイメージでボールを捕らえろ」等と教わりました。

また、「とにかく打点は前だ。打点が近くなる、ボールに食い込まれると力が入らないぞ」みたいな話は頻繁に聞くと思います。

tennis forehand

ボールの質に影響するのはエネルギーを加える量と加える方向性

「ボールが飛び回転がかかるのは物理的な現象」だと思っています。

トッププロも初心者も同じ理屈、物理法則の元でテニスを行っているのでしょうし、「漫画の必殺技的な飛び」や「ナダルだから」「打ち方をマネすれば」にはそうする根拠がありません。(逆に言えば科学的根拠に基づいて打ち方を考えれば誰でも自身の身体能力の範囲で十分威力のあるボールが打てる理屈)

ボールの質を決めるのは『1. ボールに加わるエネルギー量』『2. エネルギーが加わる方向性』でしょう。

飛ばしたい方向にまっすぐ進める

また、我々が使えるエネルギーには『1. 質量と速度を持って飛んでくるボールが持つエネルギーを反発させる』方法と『2. 自ら加速させたラケットが持つエネルギーをボールに伝える』方法の2つがあると思います。前者はボレーやリターン、後者はサーブ、ストロークでは両方使い分けます。(理解していないと「速いサーブに打ち負けまいとフルスイング」なんて事をやってしまいます)

テニス ボールを飛ばすエネルギー

インパクトは空中の1点ではない

(数字が正しいかどうかは別として) ボールとラケットが接触するインパクトは0.003~0.005秒と言われます。仮にインパクト前後のラケットが時速120km、インパクト時間を0.004秒とすれば「ラケットとボールは接触してから離れるまで13cm程、接触したまま前進している」計算になります。

打点は空中の点ではない

我々はラケットを握った手や腕を前に差し出した空中の1点「この辺りが打点です」と教わりますね。

フォハンド 打点片手打ちバックハンド 打点を前に

ただ、実際には、この13cm +α (インパクト前、インパインパクト後) の距離、範囲でボールを捉え、エネルギーを伝え、飛ばしている、回転をかけていると考える方が余程しっくり来ます。

142mph Serve – Racquet hits the ball 6000fps Super slow motion (from Olympus IMS)

まるで「ボールが空中に固定されているように空中の1点から唐突に飛び出す」なんて周りが打っている様子を見ても不自然に思えるのです。

腕を前に伸ばして押し支えるようなインパクトでは対応力に欠ける?

「打点を前に取る」という事は端的には「腕を前に伸ばした状態」といった事だと思います。

身体の仕組み 二軸の入れ替え

例で上げた「ラケット面を通してボールを後から押し支えるように」の言葉でも分かるようにこれは「打点は空中の1点である」という考え方に基づき、その「ボールとラケットが接触する点で力を入れる」と考えているように思うのです。

「相手ボールのエネルギーを反発させて飛ばす」事に重きを置くボレーは、地面からの『反力』を得て姿勢の維持やボールをラケットで押し支える左右の足と身体、腕との位置関係、連動性が重要です。これは「ボールの後 (軌道の延長上)に入れ」と言われるヤツですが力を加える点が足や身体の前にないと「腕の力だけで押し支える」事になり力も入らないし安定したインパクトを作りづらいです。

でも、スイングを伴うショットなら、インパクト時間が0.004秒、インパクト前後のラケット速度が時速120kmとするならボールとラケットは13cm程も接触している距離、幅があると考えらます。「振らない」ボレーとは状態が違うのです。

人の反応速度は速い人で0.2~0.3秒と聞きます。インパクトの時間は0.003~0.005秒。これらから「人はインパクトの瞬間を認識してこれに操作を加える事はできない」と考えられます。当たったと思った瞬間にはボールは飛んでいってしまっている感じです。

仮に「打点は空中の1点」と考えているなら少しでもタイミングや打点がズレたら即、想定通りの打ち方が出来なくなる気がするのです。(その辺どうなのでしょう。都度「あー、打ち損なった」で済ましてしまう?)

フォア 打点が近い

インパクト前 + インパクトの間 + インパクト後。例えば「30cmくらいのスイング幅の中でボールを捉え飛ばしている」と考えると全然違ったボールを打つ際の意識になってくる気がしています。野球でも「『点』でではなく『線』で打つ」等と言われますよね。

federer forehand stroke

ラケット面の位置は身体や肩の位置に制限を受ける

途中述べましたが、身体の構造上、ラケットを握る手、ラケット面の位置は、身体や肩の位置に依存します。腕の長さ以上に肩から遠い場所にラケットを位置させられませんし、腕の長さをゼロには出来ないので極端に身体に近い場所にラケットを位置させるのも難しいです。

身体が伸びきってのボレーフォア 打点が近いバックハンドボレー

いずれも「足を使って身体や肩の位置を移動させる」事が望ましく、空いたスペースを使ってスイングをしたり、ラケット面を望む方向・角度に向けたりしますね。

tennis

慣性の法則による直進性と「腕を振る」までの加速動作

物体であるラケットには慣性の法則が働き、重量と速度を持って進む、加速したラケットは慣性による直進性を持ちます。(慣性による直進性の例は「カーブでは速度を落としましょう」です)

ラケット 振り子federer forehand stroke

手に持つラケットでボールを打つ、飛ばす関係上「腕を振ってボールを飛ばす」意識が強まりますが、ボールを打つ準備をしてからスイングを開始し、インパクト前後までの段階の方が疎かになっている可能性があります。

テイクバックの準備から、“何となく” ラケットをボールに近づけていった所から (或いは直接的に「空中の1点である打点の位置」から) 「腕を振ってラケットでボールを飛ばそう」とするなんて事をしているかも。道具が科学素材製になり、製法も進化。どんな打ち方でも伝達ロス少なくボールにエネルギーを伝えられる、要は「ボールが飛ぶ」ようになっているから問題に感じない。テニスが出来てしまいますから。

ボールとラケットを接近させる

また、見た目の動作から「身体の回転で打つ」と考えるより「身体の仕組み上、回転して見えても、各動作がまっすぐ『前』へのエネルギーを加えるとい目的の元に連動する」方がボールを飛ばすには都合が良いのだろうと思っています。(グルグル回転しながらボールを打つのは妥当じゃないですよね)

身体を回して打つイメージまっすぐエネルギーを伝えるイメージ
その場で打つtennis forehand

腕の機能だけでボールを打てる範囲

あくまで個人的な考えですが、腕の長さから来る制限と両手で握る事を考えれば、両手打ちバックハンドにおいて、腕の機能が関わる部分で「ボールが打てる」範囲は以下のようなものだと考えています。両肩の間を左右の腕が行き来する位の範囲位でしょうか。もちろん (幅の長さは大差なくても) グリップの違いにより動く範囲は前後します。

両手打ちバックハンド 打点の幅

腕を伸ばすように「打点を前に取る」「腕を振りながら身体も回す」という点でこの両手で握る制限が曖昧になりがちかもしれません。

両手バックインパクトsabine practice backhand

打点を前に取れない、身体を回しながら打てない状況、ボールに対して横向きのままで打つこういうショットをよく見ると思います。「前に振れないなら身体の仕組み上、どう打つか?」といった話です。

 backhand pass

「腕の力は弱いから身体全体を使って打て」等と口で言われても、我々が持つ「手に持ったラケットを振ってボールを打つ、飛ばす」という直接的な意識はなかなか消せません。ボールを目の前にすれば尚更です。

踏み込みや体重移動がラケットにエネルギーを与え、ボールを真っ直ぐ飛ばす

ボールの質を決めるのは『1. ボールに加わるエネルギー量』『2. エネルギーが加わる方向性』だと思います。

両手で握る事で生まれる制限 (逆に言えば安定) の中で、腕の機能や動きでラケットを加速させる (エネルギーを持たせる)、ボールをまっすぐ飛ばそうとするのはだいぶ難しいでしょう。

両手打ちバックハンド 打点の幅

「腕の力は弱いから身体全体を使ってボールを打て」「体重移動を使って打ちなさい」という話が示す物の一部として、この腕の機能だけでは難しいラケットを加速させる (ラケットに持たせるエネルギー量)、ボールをまっすぐ飛ばすそう(エネルギーを加える方向性)を『ボールを打つ』事に加えるという事があるのでしょう。踏み込みや体重移動、フォアハンドは利き腕肩の移動(前進)も使います。

Djokovic Backhandreturn

物体であるラケットには慣性の法則が働き、重量と速度を持って進む、加速したラケットは慣性による直進性を持つ。左右の足や下半身、上半身、踏み込みや体重移動等『前へ』エネルギーを発生させる動作を連動される、繋げていく事でラケットやラケットを持つ腕に「腕を振る」段階より前に “実質的に加速させておく、エネルギーをもたせておければ、「ラケットとボールを近づけた所、打点の位置から一生懸命ラケット振ってボールを飛ばそう」とする必要がなくなります。

フォアハンド 体重移動

「腕を振って飛ばす」は発生できるエネルギー量、エネルギーを加える方向性共に十分とは言えないですからね。

安定したボールの質、その人の身体能力を十分発揮した飛距離、速度、方向性が楽に得られるなら皆にとって良い事だと思います。障害としては「腕を振ってボールを飛ばす」という意識からの脱却とボールが飛び回転がかかるのは物理的な現象であり、結果が生まれるには理由があるという理解です。

身体に近い所でのラケット操作、ボールの飛びは足や身体で生み出す

上で現代のトッププロ (主に男子) を見ると「トップハンド側 (非利き手側) を “薄めに” 握っている」選手が多いようだと書きました。

Embed from Getty Images

現代テニスは打ち合うボールスピードやテンポが上がり、ベースラインから下がった位置でバウンド頂点から落ちてくるボールを待って打つ、山なりの軌道で長い距離を飛ばすというテニスでは相手に対抗できません。追い込まれ、不利な態勢で返球。相手はスニークインでネットに出ており、一発で決められる等も増えました。

ネットに詰めてボレー

バウンドの上がりバナを打つ、ハーフバウンド処理はもちろん、追い込まれて前に踏み込めない、前に振れない状況でも対応できる柔軟性が求められてきます。(何が正しいではなく、出来る事を増やしておく)

backhand

結果、両手打ちバックハンドが広まり、トップスピンという概念が広まった当時から続く「回転をかける、ラケットを振り上げて回転をかけるため」「腕を前に出して打点でボールを押し支える、ボールに負けないため」にラケットを横から握るように非利き手側を厚く握るという考え方から、

Nalbandian backhand

ラケットを上から握るように非利き手を薄めのグリップで握り、打点を身体から遠くない位置、厚いグリップよりも手間に取り、ボールを飛ばす、回転をかけるエネルギーは『腕』でははく、左右の足や下半身を使って生み出すといった考え方が強まっているのかなと考えます。

Malek Jaziri - backhand takeback swing

「大きく長くラケットを振る。ゆっくり大きなスイングでボールを飛ばす打ち方。ラケットを大きく振り、身体を回しながら打つ。身体より前に取った打点の位置から大きく振っていく」といった従来の打ち方から、「コンパクトな準備からコンパクトなスイング、両肩の幅位でラケットを使う。準備もタイミングもテンポも速くできる。スイング幅が狭くなる分、エネルギー出力量のコントロールが難しく (10cm振って打つのと1m振って打つのとの違い) なるので左右の足や下半身、体重移動をうまく使う」といった打ち方へ。

ある意味、木製ラケット時代の飛ばし方、エネルギーの使い方に共通する。今とテニスは違っても「飛ばない道具だから効率的な身体の使い方になる」という点は今も変わらず意味を持つ要素です。我々の身体の仕組みや物理法則が昔と今では違うなんて事はありません。「昔の打ち方だからダメ」と考えても見ないのは勿体ないと思います。

これはフォアハンドストロークも同じだと考えます。日本では「グリップは厚い程ボールの威力が上がる」という考え方が根強く、軟式テニスの影響もある。グリグリの厚いグリップ、ラケットを「下から握る」ようなウエスタンよりも厚いグリップで握る方も一定数居られます。極めて厚いグリップはクレー等の弾むコート、頭よりも高い打点等で打つには向くものの、速いタイミング、地面に近い低い位置で打つには「厚くない」グリップの方が向きます。世界のトップ選手は190cm超だったりしますが、昔のようなぐりぐりの厚いグリップで打つ選手はかなり少なくなっています。テニスが変わった事が大きいでしょう。薄いグリップで有名なフェデラー選手はもちろん、ナダル選手のグリップもせいぜいセミウエスタン位であり、両選手共、厚くないグリップに向いた打ち方、身体の使い方を用いています。ライジングやハーフバンドの処理も上手いですね。最近は日本人プロを見ても「以前よりグリップは薄くなった」という話をよく聞くようになった気がします。「高い打点に対応できないから」と苦手をカバーする方向だけで考える。「厚いグリップで打つのが強い」と自分で考えてみないまま結論付けるのはどうなのでしょう。

もちろん、ボールが飛び回転がかかるのは物理的な現象でしかなく、ボールの打ち方に正解も間違いもないでしょう。再現性高く、確率高くとは言っても、同じ打ち方でも人によって違いが生まれます。恐らく自分がどういうテニスをしたいのかを自分で考えていくしかない。他人が言う『正解』を鵜呑みにして、考える手間や苦労を避けたまま、自分のテニスを上達させる事は難しいと思っています。

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