スリクソン契約選手のステンシル
プロ選手が使っているラケットのラケット面には契約しているラケットメーカー、ガットメーカーのロゴが”ステンシル”として塗られています。 (文字通り、張りあがったガットに型紙を押し付けて専用のペンで塗っています。)
今回のウィンブルドンに出場するスリクソン契約選手達を見ると通常”スリクソン”ロゴのステンシルが塗られているところを”ダンロップ”ロゴのステンシルが塗られているのに気づきます。
土居美咲選手
ケビン・アンダーソン選手
奈良くるみ選手
この他、イリ・ベセリ選手やザリーナ・ディアス選手もダンロップロゴのステンシルになっているようです。
でも、出場選手の中でラドバンスカ選手だけはスリクソンロゴのステンシルのままですね。
ラドバンスカ選手
因みにラドバンスカ選手の黒塗りラケット
ラドバンスカ選手は3月のBNP Paribas Openから黒塗りラケットを使っています。
元々REVO CVシリーズの専用カラーを使うという話で移籍しており現行のCVが2016年1月発売です。
スリクソンは2015年7月発売のCZの後継モデル(新CZ)のプロモーションを絶賛実行中なのでCVの後継という話は少し速く2018年の1月位? というのが妥当な線だと思うのですが、流行りの黒塗りラケットを使ってユーザーに注目させるマーケティング手段なのだと思います。
恐らく全米シーズン前まで黒塗りを使わせて、全米シーズンか全米終了後(ラドバンスカ選手はWTAファイナルに出場するでしょうから)位のタイミングで現行CVの後継モデルとして発表するつもりなのでしょう。
ただ、同じCVを使う奈良くるみ選手は現行カラーのまま使っているので海外では販売されていないローカルブランドのスリクソンとは言え、REVO CVのメインキャラクターは奈良くるみ選手ではなくラドバンスカ選手なのだということの現れだと思います。厳しい世界ですね。
ダンロップロゴのシテンシルを使う意味
スリクソンは住友ゴム工業が使う低価格ゴルフボールのブランドから始まり、世界に向けたブランドとしてゴルフ製品を中心に販売を広げていったものです。ラケットについては2009年にスリクソンブランドでの販売を開始したと思います。
経緯としては住友ゴム工業の子会社は日本・韓国・台湾でダンロップブランド製品を販売できるがそれ以外の国ではダンロップを名乗れないので代わりにスリクソンブランドを用意した流れと聞きました。
2012年まではダンロップブランドのラケットも併売していましたが以降はスリクソンブランドに一本化されています。2012年はゴルフ・テニス製品を扱う子会社の社名変更(ダンロップスポーツ)があったのでそれに合わせてということだったと思います。
ただ、スリクソンブランドのラケットは海外の通販サイトでは見かけることはなくほぼ国内限定で流通しているような状況だと思います。
プロで使っている選手は少ないですが海外ではダンロップブランドのラケットが販売されています。
オーストリアのメルツァー選手はダンロップのラケットを使い続けていますね。
バボラに移籍してしまいましたが国枝慎吾選手も以前はダンロップのラケットを使っていました。
つまり、ウィンブルドン限定なのか今後続けていくのかは分かりませんが、スリクソンブランドのラケットを販売するダンロップスポーツとしては世界マーケットにおいて知名度の低いスリクソンのロゴがTV画面やニュース紙面に載るよりダンロップのロゴが載った方が “ダンロップを扱う企業体” としてはメリットが大きいという判断だろうと思います。
当然、スリクソンロゴの代わりにダンロップロゴを使うことに関する様々な契約や条件等あるのでしょうが面白い試みだとは思います。
ダンロップブランドでスリクソンのラケットを海外で販売するとか
もしかするとスリクソンのラケットを名前だけダンロップに変えて一部販売するといったことも考えているのかもしれませんね。
海外通販サイトに並ぶダンロップのラケットは手軽なスペックのものが多く、他メーカーのラケットと比べればかなり見劣りする状態が続いているように見えるからです。
ラドバンスカ選手が使っているダンロップのラケットという形なら興味を持たれる要素は十分あると思います。