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バボラ Babolat 新 ピュアドライブ Pure Drive 2018 (テニス)

racket

ピュアドライブ(Pure Drive)のリニューアル時期

ラケットメーカーは2-3年おきに製品ラインナップの更新を行っており、バボラの主要ラインナップであるPure Drive の現行モデルが出たのが2015年、スケジュール通りなら来年2018年に新モデル (後継モデル)が発売される流れになります。

tennis racket

既に情報は出回っていて、国内販売店も現行モデルの値引きを開始

バボラは、今後発売する新製品の情報を陰に陽に広めていくメーカーで発売直前までひた隠しにする感じではありません。

製品名や位置づけが変わるような大きなリニューアルではないのでキャンペーンを仕掛けたりはしていませんが、Pure Driveについても既にネットで様々情報が広まっています。 

国内のネット通販等でも、現行Pure Driveは既に先週後半から定価の半額程度に下げての在庫セール状態に入っています。

どこが変わるのか?

Cortexが内蔵

先行して更新されたPure Aero同様、Cortexがフレームに内蔵されるようです。

Cortexはグリップとスロートを繋ぐ部分にある波型のラインが入ったパーツでボールを打つ際の振動を吸収して手に伝わりにくくする機構です。

Pure Aeroでは表面からは見えなくなっていて内側に埋め込まれています。

tennis racket

ウーファー

ウーファーシステムはガットを通すグロメット部分に滑車のような丸みをつけてガットにボールが当たった際にガットが動きやすくなる、結果ラケットとガットの相互作用が高まるという機構です。

Pure Aeroではそれまでの丸型に膨らんだ形状から外側からは膨らんで見えない形状に変更されました。効果は僅かでしょうがPure Aeroの製品イメージ的にも空気抵抗を減らすという意味合いもあったと思います。

tennis racket

今年更新された現行Pure Strikeの方は従来からのウーファーの形に近いですが膨らみは小さくなっています。新Pure Driveはこのタイプを採用すると思います。

tennis racket

FSI Power

Pure StikeではFSI Powerという仕様が採用されています。

現行Pure DriveではFSIというガットの目をラケットの上側に寄せる (上側の方がガットの目が細かくなる) という仕様になっていて「プロ選手はラケットの先の方でボールを打っている。だったら先の方のガットの目を細かくすれば中心で打った時のように違和感なく打てるんじゃないか」という話だったのですが、ストリングパターンを少なくしてスピンがかかりやすくしたラケットと同様のキワモノ扱いという印象でした。(そしてスピンがかかるというストリングパターン同様効果も誤差程度。)

Pure Strikeで採用されたFSI Powerという仕様はラケット全体で横に並ぶストリングパターンを分配してラケット全体でボールを飛びやすくするというもののようです。

tennis racket

このFSI PowerがPure Driveにも採用されるようです。

効果はわかりませんがPuer Strikeは「打ちやすい、使いやすい」という評価が多いので打感には関係してくるのだと思います。

Babolat FSI Power Technology
Technology Image
 
FSI POWER Technology
Wider spacing between the cross strings to boost power, spin, comfort and playability!
For the 2017 Pure Drive line only, Babolat adds diamond shaped grommets to the FSI Power technology. This gives the strings a greater range of movement, resulting in a further increase in power and comfort.

海外も含めPure Strikeのラケット紹介記事、動画を見ても打った感想ばかりで機構について説明しないのですが、TennisWerehouse.comのバボラ搭載機能の説明の中に情報がありました。

説明には新Pure DriveにはFSI Powerに“diamond shaped grommets “が追加されるとあります。

この“ダイヤモンド形状のグロメット”とはPure Aeroに搭載れたFSI Spinがオーバル形状だったようにガットを通す穴が従来の丸型ではなく多角形になっているのだと思います。

何角形かは分かりませんがダイヤモンドという位なので正八角形なのかなとも思います。

Octagon

カラーリング

一見して新しくなったと分かりやすい点であるカラーリングですが、Pure Aero登場時よりもPure Strike寄りというか、この数年で各社が採用している限りなくシンプルなデザインやロゴ使いをする流れを踏襲していますね。 

ネットで画像は出回っていますがじきに公式含め正式な画像は見られるようになると思います。

個人的にはPure Driveのロゴとバボラの横線デザインがカバーしていますがブルーのべた塗り感が少し安っぽい気もします。

ブルー多めという意味では2009年版を最初に見た時の印象にも近いかもしれません。

Pure Drive 2009

tennis racket

でも、これまでのPure Drive、見慣れれば違和感はなくなるのでしょう。

スペック

主要モデルのPure Driveですし、名前が変わるわけでもないのでスペック的には現行モデルと同様になるようですね。

2018 Babolat Pure Drive Specs:
Head Size: 100 sq / inches
Weight: 300 gr (10.5oz)
Balance: 32.0 cm (7 points Head Light)
String Pattern: 16/19
Length: 27 inch
RA (Stiffness): 69

Read More http://www.tennisthis.com/2018-babolat-pure-drive-tennis-racquet/ 

ただ、RA値(フレームの柔らかさ)が現行の72から69に下がっています。

Pure Aeroは72、Pure Strikeは70なのでそれらよりも柔らかく、ボックス型である旧Pure Controlの後継モデル現Pure Strike VSのRA値が67ですからそれに次ぐ柔らかさということになります。

これが意味するのは一般的に言えば“ラケットがしなる”ようになるということです。

ボールが飛び・回転がかかるのはスイングによってラケットが得た運動エネルギーの一部がスイング中のボールとの接触によりその一部がボールに伝わるからです。金属バットで打てばラケットで打つよりはるかに飛ぶことでも分かるように打った際の”打感”とそこからくる”ボールの扱いやすさ”を考えなければラケットは硬く変形しないほどボールに伝わる運動エネルギーは伝達ロスが起きません。

しなるラケットはボールを掴んで飛ばすと言われれますがラケットフレームのしなりはボールが離れるまでに復元することはないので、しなる、歪む、たわむは全て運動エネルギーの伝達効率でいえば”ロス”なだけです。伝達ロスの大きさによりラケット面が大きいラケットはフレームが厚く変形しづらいから飛ぶ、フレームの薄いしなるラケットは飛ばないということです。しなるラケットを選ぶ理由は「純粋に打感が好きだから」ということになりますね。プロ選手にボックス形状のしなるであろうラケットを使う選手が多いのは十分なスイングスピードがあるから運動エネルギーの伝達ロスよりも打感の好みを優先しているからだろうと思います。

“Pure Driveは飛びすぎる”という指摘は以前から続いていて、Pure Drive人気にあやかって登場した劣化コピーのようだったWilsonのJuice (現Ultra)、YonexのEZONE、SRIXONのCVシリーズ、HeadのExtremeはそれぞれ”飛びを抑えてしっかり回転もかけられる”というコンセプトに移行し元祖であるPure Driveだけが置いてきぼり状態です。

恐らく新Pure Driveは「飛ばなくした」という言い方ではなく、WilsonのUltraが使ったような「しっかり打ってもコートに収まる」といった言い方をしてくると思います。

また、公式の場ではフレームを柔らかくしましたといった言い方もしないのではないかと推測します。

国内のラケットインプレでは「ボールを掴む感覚もあり、従来同様にボールを弾く・飛ばす感覚もある」って言われるのですかね。

なんか、そういうのが今年に入ってから黄金スペックに近いラケットの流行りみたいです。

発売時期は?

海外のサイトでは2017年の9月上旬とありました。全米オープンシーズンには試合でこのカラーリングのラケットを使う選手が見られる感じのようです。

ちなみに現行モデルのPure Drive 2015の発売は2014年の11月で2014年の全米オープンでは選手は使っていませんでした。

新しいPure Driveのお披露目はいつも全豪オープンからという印象があるので、今回はバボラのお家事情 (Pure Driveの人気が落ち込んできており、Pure AeroもAero Pro Drive程の人気ではない。ただ、Pure Strikeが好評でメーカーとしては復調基調にある感じ) もあって新Pure Driveを早めに投入してよい流れを作っていきたいのかなと思います。

個人的には外観を見てもPure Strike程の変更すらない印象ですしこれまで同様のリファイン(改善)の範疇かと思います。

ただ、現行のPure DriveはFSIが邪魔だと思いますし、RA値の変更はPure Driveという存在から考えれば目立たない部分ながらそれなりにインパクトがあるので、既に現行Pure Driveを持っていて半額になった機会に予備を買っておくといった方でもなければ、Pure Strikeの改善具合から見ても普通に新Pure Driveを購入する方がいいのだろうなと思います。

2017年8月1日追記

ラケットインプレでおなじみのテニスショップラフィノさんの動画が公開されました。

グロメット部分はインサイドウーファーという説明をされていますが、周囲に一周するように溝がありその中にガットが埋まる(ウーファーの山も埋まってる)ような形状のようですね。PURE STRIKEの形状に近いけれどあちらは旧来のウーファーの高さを減らしたような作りでガットが埋まるような形ではないです。

また、グロメット穴の形状は『縦に長い六角形』ということでした。こういう感じでしょうか。

 grommet

Cortexは内臓になっているのですが、PureAeroのように単純に中にパーツが埋まっているということではなく、フランスのスマック社の技術を採用したものをラケットフェイスとグリップを繋ぐフレーム(スロート)の部分に搭載しているようです。

動画中の写真を見るとフレームの内側にポツポツと小さな突起がありますが、空気の流れをよくするためですかね。

以前、同じダンロップ系でバイオミメティックシリーズというラケットフレームの表面形状を工夫したというラケットがありそれを思い出しました。

なお、動画ではバボラの担当者の方はフレームの硬さは変えてないと言われていますね。ということはRA値は72のままなんでしょうか。

打った感想としてはラフィノの方は「飛びは引き続きだが”押せる”感覚がある」 「振動がない」と言われているのですが、フレームの硬さが変わってないのなら、『先行したPureAero、PureStikeに搭載した機能を取り入れながら、新しいチャレンジもしているけれど、PureDriveとしての性格、ブランドイメージは変えてない』というこれまでやってきた更新の範疇にとどまっている気がしますね。

個人的にはPureDriveが登場した時から始まった黄金スペックの時代はテニスの進化・変化の中で既に終わっていると思っています。

黄金スペックの飛びを有し同時にボックス形状のような”打感の良さ”を持つラケットが製造できるようになっており、メーカーもユーザーのニーズに縛られ”敢えてどちらかカテゴリーに分けて”製品を作る必要もなくなっています。

私は現在の状況やテニスにマッチしているのは『偶然そうなったのだとしても』PureStrikeだと思うので、新PureDriveは敢えて冒険はせずブランドイメージを保ち継続させる (新PureDriveにバボラの今後を背負わせる必要がなくなったという判断) という印象を受けました。

動画の初っ端にバボラの方がPureDriveをポルシェに例えているのもその現れでしょう。

2017月8月2日追記

店頭で実物を見てきましたが、グロメットの穴はフレームの幅に対してボールが当たった際にガットがたわむ方向にごく僅かに長くなっている六角形でした。こんな感じ。

grommet

フレーム内側にある突起はラケットヘッド側のフレーム内側とスロート部の内側にありました。ヘッド側内側は他社ラケットでもフィン(波模様)を付けたりしている部分なので空気抵抗を減らす効果を狙っているのは合っている気がします。(でもポツポツがちょっと違和感)

後、フレームの硬さであるRA値は72のままで変わらずでしたね。やはり目立つ変更は加わっていないようです。

PURE DRIVEを買う人は引き続き居るのでしょうが、他社動向も踏まえれば積極的に選ぶ意味は尚更薄くなってしまう気がします。

初心者の方以外はPURE STRIKEを使う方が(ラケットの力ではなく自身の実力とのよいバランスで)楽しくテニスができる気がしてしまいます。