サーブを上げる際のトスのやり方
サーブ時にボールのトスアップを行いますが、一般なトスのやり方としては「手のひらを上に向けて指の付け根辺りにボールを載せる形」だと思います。
ただ、このやり方だと
「トスを上げる際に肘や手首の関節を動かしてしまい、真上に上げたいトスに対してボールに回転がかかったりトスの位置が安定しない」
事も多いようです。
上手く上げられるようになるには慣れが必要で、特に初心者の方、これからサーブの練習をしようという方にとっては
『サーブを打つ練習の前にトスがうまく上げられず、サーブの練習に集中できない』
といった状況になりがちです。
ボールの持ち方を変えてみる
トスを上げる際のボールの握り方を変え、結果、腕の機能の使い方を変える方法があります。
この方法は私が知る限りでも20年以上前から普通に紹介されていて特別な方法でもないですが、トスが安定しない、回転がかかってしまう問題がシンプルに修正しやすくなります。
以下の3選手の動画を見てみます。
フェデラー選手
錦織選手
マレー選手
見比べると、一般的な手のひらを上に向けてボールを持つ形ではなく、
「コップを持つような手の形で親指と人差し指の間からトスを上げている」
ように見えると思います。
実を言うと私の好きな元世界No.1で歴代最高のサーブを打つ選手だと思っているピート・サンプラスさんもこれに近い上げ方をしています。(手の平が上を向くオーソドックスなやり方とコップを握る形の中間位。)
試してみればわかりますが、手のひらを上に向けると『手首も肘の内側も上側を向くので両方とも簡単に曲がる』のに対し、コップを持つように手首を立てると『関節の可動域が小さくなるので上向きに手首を使う事が難しくなる』のが実感できます。
肘は、手のひらを上に向けている場合は”肘の内側も上を向かざるを得ない”のですが、コップを持つように手首を立てると”肘も90度内側に起こす事ができ”肘が曲がるのを制限できます。
これで肩を支点に腕を動かしてトスを上げる動作に集中しやすくなります。良い意味で小手先の操作ができなくなりるということです。
プロ選手がやっているからこれが正しいという事では決してないですが、手首、肘の動きによりトスが安定しないのであれば試してみるのは有りだと思います。
私はトスが安定しない事からこのやり方をやり始めましたが、特に難しい技術でもないし、感覚だけの問題で1ヶ月程で慣れました。
こちらの方が勝手に関節の動きが物理的に制限されるのでトスに気を遣う必要性が減ってきます。
体の機能により自然と制限がかかるので精神面に左右されにくトスになる
また、体の機能や構造上で制限がかかるものなので、試合中など緊張した場面でサーブを打つ際などに精神面に左右されにくいという点も大きいです。緊張するとサーブが乱れて何度も上げなおす方は多いですね。
フェデラー選手をはじめトッププロが使っているのもこういった面が含まれているのかもしれません。男女問わず、サーブが苦手な選手は、トスを上げる高さが高く、且つ、ボールの握り方も手の平を上に向ける上げ方であると思います。
こういったやり方もあるけど..
因みに、ナダル選手やロディックさんのように『上腕や肘関節を敢えて柔軟に使い、ボールを真上に垂直に押し上げるようにボールをトスする』選手もいますが、トスの高さ(ボールを押し上げる強さ)が感覚的な面もあり難しいかなとも思います。