映画やアニメ、コミック等の影響で聖書や神話等に登場する名前や名称をインターネットで調べたりもよくします。そして最近気づいたことがあります。
池波正太郎「雲霧仁左衛門」
池波正太郎さんの作品は、鬼平犯科帳や剣客商売あたりは好きですが小説を読むよりTVドラマで見る位のものです。
その小説に「雲霧仁左衛門」という作品があります。

実在の人物かどうかはわかりませんが、小説で言えば、池波作品でおなじみの「盗人三か条 (殺さず・犯さず・盗まれて難儀する者から盗まず)」を地でいく盗賊です。
昔、TVドラマになっていたと思いますが、直接見たことはなくてタイトルだけ知っていました。(見てはいないのですが最近もドラマ化されているようですね。)
この「雲霧仁左衛門」という名前についてです。
アラブの精霊「ジン (jinn)」
ジーニーは「ジン」と呼ばれるアラブ世界における「精霊」です。
日本のアニメでもジンは様々な作品で登場します。
ぱっと思いつくのは「マギ」とか。
他にもハクション大魔王もジンがモチーフだと思いますし、ドラゴンボールの魔人ブウも影響を受けていると思います。
このジンは、煙のような状態が実態化して人間のような姿になる訳ですが、姿かたちは自在で色々な動物の姿になったりできます。
ジンを日本語的に表現するなら
このジンの実体感のない様子を日本語的に言えば「霧のような」と表現できると思いました。
日本語では「煙は消えてなくなるもの」であり “目の前に存在する物” としては扱われませんから。
同様なものに「雲」があります。
目の前に見える形で存在し、大きな影響を与えるのに、人が普段意識しない (見えているのに存在を意識しない)ものです。雨を振らせたり太陽を見えなくして気温を下げたり、天災等にも関わっていますが、普段我々人間はその存在を意識しません。
ここまでキーワードを並べれば言いたいことは分かるかと思います。
雲霧仁左衛門の名前はジンから来ているのかな?
つまり、「雲霧仁左衛門」という名前は、雲や霧のような存在である「仁 (ジン)」から着想が来ているのではないか?と思ったわけです。
同じようなことを考える人は大勢居るのかもしれませんが、インターネットで検索してみた限りではそういった話は見つけられませんでした。
目の前に存在して目にも見えている。大きな影響力もある。ただ、普段人からは意識もされないし、興味も持たれない。ただ、機会があればその力の大きさを示し問題を解決できる。良い存在も居れば、同じ力を持つ悪い存在も居る。
そんなイメージの「ジン」に興味を持っているので、日本の小説である「雲霧仁左衛門」にそんな印象を持ったことが嬉しくなってしまいました。