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テニスが上達するには、週何回、練習すればよいか?という話 (テニス)

tennis courts

今回はボールを打つための理屈等ではなく、取り組む意識とった話で退屈かもしれません。

でも、自分がテニスに関わる際の『意識』は『ボールを打つ技術』以上に大切であり、「その方の能力を十分発揮出来る」という意味での『本来得られる上達が得られないまま』という状況を改善するには避けて通れない部分でしょう。

定期的にこういった点を考え直す、再確認するのも大切かなと思いました。

テニスの練習は週何回?

結論から言えば「一般レベルの上達だけ考えれば週一で全然大丈夫」だろうと思っています。

ただし、「テニスについて考える機会を増やす」という意味で「週前半と後半とかで2回位、ボールを打って練習できる機会があれば尚良いね」とも思います。

ただし、これは練習量を増やすため上達期間を短縮するというためのものではありません。テニススクールなら日に何クラスも参加する、連日のようにレッスンに通う、4時間、6時間とかボールを打ち続けるといったものは上達にさほど意味を持たない (※) と考えます。

※「テニスをやるのが楽しい」からコートに居る時間を増やすのは個人の判断です。怪我をしない範囲で楽しめば良いと思います。(肘痛なのに回復期間を設けない、打ち方も変えないまま、道具で誤魔化して続ける方も居られますよね。「テニスというスポーツそのもの、或いは教わる打ち方自体に問題がある」のならもっと多くの方が肘痛になるはず。つまりその方の身体の使い方に問題があり、負担が出ている可能性が高い。つまり「道具では改善されない」と考える方が妥当。肘痛グッズを使う事を考える前にそれらを使う方の殆どは「改善されていない」点に目を向けるべきかもしれません)

何故なら『コート上でボールを打つ時間以外にやる事』の方がはるかに重要で、それ無しに満足な上達を得られる筈がない と思っているからです。

ボールを打つ時間だけでは伸ばせない要素があり、むしろそれらを重視しない、目を向けないまま、ただ「ボールを打ち続けている」事で思うような上達が得られない。伸び悩む状況を『普通のことだ』と考えてしまっている気がします。

もちろん上達しないというのは「絶対」ではありません。ただ、可能性の低い話、皆に当てはまらない話をしても仕方がありませんね。強豪大学のような確立された指導環境下に居るのでもない、部活でテニスをやっている、テニススクールに通っているといったレベルの我々は「自分で自分を上達させないといけない」のですから。

テニスを上達させたい

テニスは比較的、始めやすい、続けやすいスポーツです。

少し古いデータですが、2012年の日本テニス協会のレポートによれば「日本で過去1年間に1回以上硬式テニスを行った10歳以上の人口は373万人」とあります。現在はもっと減っている (2002年が423万人だった) でしょうが、この数字は2018年の野球人口 (384万人)とほぼ同数です。因みにサッカーは436万人。(いずれも笹川スポーツ財団資料)

軟式テニスも含めて部活動がある学校は多く、大人になってからでも全国に大小のテニススクールがあります。都道府県や都市、教育機関、私営。確保の難易度は合ってもテニスコートを借りられない地域は少ないでしょう。

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運動不足解消、ストレス発散、健康維持。始めたきっかけは何でも、続けていく中で「上達したい」という気持ちは多少なりとも誰もが持ちます。プロや上級者の迫力のある打ち合い、印象的なポイントの決まり方を見て「自分もあんな風にテニスをやりたい」と思うでしょう。

でも、部活に参加して練習する、テニススクールに通う、これらを続けても「思うように上達していかない」問題を抱える事になります。

あまりの上達しなさ加減に「自分は運動が苦手だから仕方がない。センスがないから仕方ない」と自分を納得させてしまう。最悪、「これ以上続けても意味がない」とテニスを止めてしまったりもします。

「好きこそものの上手なれ」で興味が持てない事に時間を費やす事を肯定はしません。始めた当初の「テニスをやっているだけで楽しい!!」は長くは続かないものです。上達している満足感も大切な要因です。ただ、自分が上達しない理由を考えて改善していこうとしないなら、その後に興味も持った事も「偶然」以外に同じ結果を生みそうですし、テニスに費やした時間が勿体ないでしょう。

また、偶然か元々持つセンスなのか「順調に上達している」ように見えても、その人の本来の身体能力から考えれば、もっとスムーズに、もっと高いレベルまで到達できるはず。それなのに、自分の状況と周りとを比べた相対評価で「周りに通用している。この位出来ているのだから十分なレベルだ」と現状に納得、多少の慢心により上達の難しさから目を反らしてしまう事も少なくないと考えます。

たくさん練習すれば上達するのか?

「否」でしょうね。

学校の授業で月曜から金曜 (土曜?) まで朝から晩まで英語の授業だったとしましょう。それで英語が話せるようになる、英語の成績が上がるでしょうか?

恐らく「分からない内容が続く事で授業を受けているだけですぐに嫌になる」でしょうね。

では、連日、朝から晩までゲームをやっていればそのゲームがうまくなるでしょうか?

「なる」と思った方は半分間違いなのでしょう。

ゲームシステムやルール、制限、敵の特徴やパターン、自キャラの特性、何をどうすれば自分のダメージを少なく、相手に多くのダメージを与えられるのか。最近ならネットの攻略情報を調べたり、自分でやってみて確認したり、練習したり。そういった事が伴ってこその「うまくなる」です。ただガチャガチャとコントローラーを操作しているだけでは同じミスを繰り返して周りから起こられる。大して上達しなさそうです。

テニスが好きだからたくさん練習したい。興味が続くから練習が続く。負けたのが悔しいから練習する。勝ちたいから練習する。それは「テニスを続けるモチベーション」の話であり、モチベーションだけでなく「何をどうするか?」考える、調べ、理解を深め、工夫する。そういった『行動』も同時に必要なのは言われるまでもなく、過去の経験から皆、分かっていると思います。

これは「苦労は必ず報われる」とか「努力は裏切らない」も同じですね。

目標に繋がらない、方向違いの努力を「それが効果がない」事を自覚しないまま続けてしまう。それで望む結果が出ないのに「頑張ったから結果が出なくても仕方ない」と言う。やった事、経験がその後、何かに役立つのでしょうが『意識 (モチベーション)』と『行動』がマッチしていれば、その時にもっと結果が得られたかもしれません。

『正解』を教えてほしい

我々は、テニスの難しさを実感する事で

「テニスは特別なもので難しいもの。きちんとした人に『正解』の打ち方を教わらないとダメだ」

と思っている部分がありそうです。

tennis lessons

これと同時に

「分かっている人に『正解』を聞くのが間違いないし、手っ取り早い。テニスなんかに手間をかけるなんて馬鹿らしい。何、言ってるの?

という気持ちもあったりします。

超一流のメンタル マイケル・チャンのテニス塾

手間をかけず、分かっている人に『正解』を教えてもらう“楽” で良い ですよね。

でも、掛け算も習っていない小学生達が「高校の数学を学べばもっと成績が上がるはずだ」と高校の授業に出て、自分で説明も出来ないまま「2次関数がー」「三角関数、微積分がー」と言い合っている様子は意味がある行動なのでしょうか? 理解を深めるには『手順』があり、自らの『意識』と、考えた上での『行動』が伴わなければ、改善や上達には繋がりません。自分で調べる、考える手間を惜しんで、一足飛びに上達する、高いレベルまで到達する事はまず無理です。聞けた事で「分かった」感じになる。上達したと思ってもすぐにメッキが剥がれたりしますよね。勿体ないだけだと思います。

※単なる例え話ですが、バリバリの初心者が「やっぱりフォアハンドのコツは脱力だよね!!」と言ってきたら「もっと先に理解すべき事があるだろ」と苦笑するでしょう。レベルが上がっても同じ事はずっと言えます。

説明する人によって表現や重視する点が違ったりしますね。

「体重移動をして打て」というコーチと「腰が高いから重心を下げろ」というコーチが居た場合、これは「どちらも正しい」のだろうと思います。(対価を貰い指導しているコーチです。責任を伴わない周囲の思いつき発言とは違います)

コーチによって言うことが違う

相矛盾するような2つのアドバイスを自分の中で整理するには知識が要ります。理解を深めようとする『意識』と『行動』が要ります。

(それが整わない段階なら「どちらか自分がピンと来た方を参考にすすれば良い」とか助言されますよね。その方の理解度を考えれば的確な助言でしょうがずっとそのままでは自分が困ります)

たくさんボールを打てば上達するのか?

これも「否」でしょうね。

テニスを知らない、見たことが無い人が「ラケット面側を手で持ち、グリップ側でボールを打つ」を10年続けたとしてテニスは上達するでしょうか?

極端な例ですし、ラケットの握り方を説明すればそれまでの練習も無意味ではないでしょうが「最初から知っていればその時間をもっと効果的に使えた」でしょう。

また、この例を聞いて「自分はボールの打ち方が分かっているし、的外れな練習をする事もない。練習すれば上達していくはずだ」と思っているなら “尚更マズい” 状態かもしれません。

自分のテニスに対して『基準』を持てていない

上達するために毎日たくさんボールを打つ。調子を上げるためにボールを打つ。落ちた調子を戻すためにまたボールを打つ。不調に陥った際に「好調時の映像を見て違いを確認する」のは「赤の他人の打ち方を見て参考にする」のと変わらないと思います。

好調時の映像でフォームを確認

自分のテニスに対して『基準』を持てていないから、全てが感覚的だし調子の維持も難しい。何をどうすれば現状より良くなるのか具体的に把握できていない。

今、自分がやっている事が目標に近づけているのか分からないまま練習を続けているし、そもそも自分がやっている事が目標に向かっているのすら分からないままといった印象です。

(後1年でゴールに到達できるでしょうか? 「出来る」と言うならその根拠、到達する具体的過程は何?)

この話がピンと来ないなら「自分のテニスを見た事がない初対面の人に言葉を使って具体的に自分のテニス、ボールの打ち方を説明し、その場で再現してもらえるか」を考えてみるのはどうでしょう。

自分は身体をどう使って、どういう理屈でボールを打っているのか、狙った場所に想定通りのショットを打てる理屈はどういったものなのか。

そこで具体的な説明が出来ない。或いは「体重移動をして」「重心を下げて」「脱力が」「プロネーションが」等のどこかの誰かが言っていた言葉をそのまま使っているようなら、テニスをプレーする、ボールを打つという事について普段から考えられていないのだろうし、普段から『知識の言語化』が実践できていないのだろうと思います。

人に教えようとした際に気づく事があるのは分かりますね。

考えて野球をするという話

野球のテニスと同じ確率のスポーツと言われます。同時にテニスと同じく相手ありきのスポーツでもあります。

元プロ野球選手の仁志敏久さんは同僚だった内川聖一選手が聞かれ「考えて野球をやれ。自分がやった事を全て説明できないとダメだ。この場面でこういうボールが来たからこう打った。成功しても失敗しても100%その理由をきちんと説明できる事が”考える”事だ」といったアドバイスをされたそうです。

また、野村克也さんは監督時代、明確な基準や根拠を持たず「何となく」ボールを打つ結果を残せない、勝利を得られないままでいる選手達に「考えないより考えた方がいい」「知らないより知っていた方が良い」と説いたそうです。

ボールが飛び回転がかかる物理的な理屈に目を向けず「バット (ラケット) の振り方」ばかり参考にしているなら偶然頼りの上達になりそうだし、調子の維持も難しい。同時に「アウトを取ってやろう、三振を取ってやろう」と配球を工夫してくる相手バッテリーや状況毎に守備の連携をする必要がある味方の事を考えられない選手が試合に出るのは難しいでしょう。

野球はテニスと違って「1つのミスが試合全体を決定付ける」事が多いですからね。

時間を費やした事に納得してしまわない

テニスの上達は人ぞれぞれですし、理解しやすい、実践しやすい、効果が出やすい手法、考え方は様々でしょう。何が正解なのか決められないし、よく分からないから色々な話、情報を知ろうとします。

ただ、何の目安も手順も無いまま、日々、ボールを打つという取り組みは『偶然』頼みに近い。もっと具体的に目標に近づける方法、理屈を伴う取り組み。「出来ない事」が少しずつ減っていき、「出来る事」が増えていく。一歩一歩、目標、想像していた状態に近づく実感を持てる方が良いと思います。「上達している」という実感はテニスを続ける重要なモチベーションになりますね。

週一テニスであれこれ考えるのは手間に思うかもしれませんが、大して上達しない現状、微妙な停滞が続く事を『普通』に思ってしまう、上達から気持ちが反れてしまっているのはかなり勿体ないでしょう。

ボールが飛び回転がかかるのは物理的な現象でしかない。トッププロも始めたばかりの初心者も同じ理屈 (物理法則) でボールを飛ばしています。

我々はプロになり生活をかける、競技者になってしのぎを削る訳ではないのですからテニススクールの上級クラスレベルなら殆どの方が問題なく到達できるレベルだし、それ以上も目指せると思います。

※一概に言えませんが、テニススクール上級なら「草トーナメントで1回戦勝てるか位? 上位進出はまず無理なレベル」だと思っています。試合のかけひき等も関係しますが、そもそもの技術レベルもさほど高い訳ではないのです。

ボールを打つ経験以上に「考える事」が重要

テニスは相手ありきのスポーツです。

これが意味するのは、まず「ボールを打つ機会無くしてテニスの上達は難しい」という事です。

素振りは身体の使い方を確認する手段として意味があるとは思いますが、実際に「相手の打つ」ボール (※) を打たなければテニスというスポーツは上達しません。

※「相手の打つ」というのは、試合等、毎回違う状況で「得点してやろう、ミスさせてやろう」と配球を工夫してくる相手のボールを打ってこその練習、上達という事です。精神的、心理的プレッシャーを感じない「球出しのボールを打つ」「チャンスボールのようなボールを打つ」練習ばかりする、そういった状況で打つ事を「ボールを打つ」際の基準にしていては “テニスが” 上達するはずもありません。球出しのボールはバンバン打てるけど試合やラリーになるとミスばかりなのはこの辺り。気づかない上達の壁なのです。

そしてボールを打つ経験それ以上に「テニスについて考える事無くして上達は難しい」と私は思っています。

何度かミスしても一番遠くまで飛ばしたら勝ちではない

テニスは「何回かミスしても、一発、誰よりも遠くまで飛ばしたら勝ち」というルールではありませんし、「相手の得点を防げば (得点させなければ) 勝てる」訳でもありません。野球等以上に「自分のミスによる失点」が多数を占めますし、相手との駆け引きを考えず「自分が打ちたいショットをガツーンと打って満足」では勝てる筈もありません。

相手が「得点してやろう、ミスさせてやろう、自分の思うような状況を作ってやろう」と考え、配球している事を常に認識しておく必要があるし、相手をそういう存在として認識していない。自分が打つボールを「球出ししてくれる」人、自分がガツーンと打って得点し、気持ち良くしてくれる相手位にしか思っていないから いつまでも「球出しのボールを打つようなテニス」が抜けない、対人になると途端にミスが増え、実力を発揮できなくなるのだろうと考えます。

相手が打ったボールを見てから判断するテニス

テニススクールで頻繁に目にするのは、

「自分がボールを打ったら終わり。相手が返球してきたら、飛んでくるボールを見てから判断し、行動しようとする」

様子です。

テニス 構え

『反応』だけでテニスをするは無理なのは明白

時速130kmはベースライン間を0.66秒で到達する計算になります。(実際のボールは飛んでくる中で速度が落ち、バウンドにより更に失速する) ネット近くに居るならその時間は更に短くなってきます。

130キロは0.66秒で到達

一方、人の反応速度は速い人で0.2~0.3秒と聞きます。

これらの事からも「ボールが飛んでくるのを見てから判断する」のでは相手と打ち合う事が前提となるテニスが成立しないのは明らかです。

次に備えられていない、次の事を考えて打てていないなら、偶然返球出来ても相手の次のボールに準備が間に合わないのは当然です。

教わらないけど「観察し、準備する」のはテニスをやる上での前提では?

だから「相手を観察し、判断し、準備し、行動する」というのが「ボールを打つ」という事以前にテニスの前提になってくるでしょう。

相手を観察し準備する

ただ、テニススクールのレッスンで教わるような『ボールの打ち方』と違って、明確に言葉を通して教わらないから実践出来ていない方が多い と考えます。

何故なら、先に上げた「飛んでくるボールを見てから動き出す様子」の他、「自分がボールを打つ際、相手の返球を前提とした打ち方、選択になっていない」「相手がボールを打つ際、確率高く、攻撃・守備が出来る位置に居ない」といった様子から一目瞭然だからです。

ボールは打つ相手が居る位置からしか飛んでこない

次に自分が打つべき、ラケットで触るべきボールは「今、ボールを打とうとしている相手が居る位置、そのラケット面の場所からしか飛んでこない」です。相手が正面に居るのに、突然ボールが横から飛んでくるなんて事は起こりません。

当たり前の事を言っているようですが大事な理屈です。

コート反面、自分が居る自コート側は2人で攻守するにも範囲が広いです。つい「コート全体を守らなくては」ポジション取りがあやふやなものになったり、逆にボールが飛ぶコースが毎回違ってくるのに「この位置だ」という場所から全然動かないという事が起こります。

つい忘れてしまいますが自コート側のラインは「相手がボールを収めるべき範囲」を示しているだけです。「ベースライン上で構えない」といけないとか、「前衛だからこの位置に居ないといけない」なんて事はありません。

相手は自コート側のラインが示す規定の範囲内にボールを着地させる、且つ途中にネットがあるという制限から、打てるコース、速度、球種に制限が生まれます。また、下図を見て分かるようにボールを打とうとしている相手に自分が近づけば飛んでくるコースの幅は狭くなり、離れるほど広くなる理屈です。

テニス ダブルスのポジション

「頭上を抜く」という選択を相手に許さない限り、ボールを打とうとしている相手の視界に入り、プレッシャーをかけた方が良いし、ロブは軌道が高い分「精神的、時間的余裕がないと精度が落ちる」ショット (まっすぐ狙うか、上から落として狙うか) という事もあります。相手を観察し予測できるロブは予めポジションを修正してロブカットすれば「ロブが通用しない」というプレッシャーもかけられます。

相手ありきのスポーツ、確率のスポーツであるという点を理解していない相手

相手を牽制する等の目的以外で狭いストレートを抜こうとする等の『確率の低い選択』ばかり選ぶ相手は「テニスは確率のスポーツである」という点を理解していない可能性が高いです。

時間を奪う、自分達の攻撃がことごとく防がれる (上の理屈で予測は難しくない) 等の精神的負担をかければミスを連発する可能性が高いですし、逆にセオリーが通用せず「えー、ここでストレートに打つの? 味方関係ないじゃん。」「えー、顔はクロス方向向いてるじゃん。なんでこっちにボールが飛んでくるの?」みたいな事が起こります。1ポイント取られる間に数ポイント失点するパターンですから確実に攻めを抑制し、勢いづかせないようにしたいですね。

テニスは相手ありきのスポーツであり、多くの方が球出しのボールを打つような「プレッシャーなく、自分が気持ちよく打てる」状況を前提にテニスをしています。

テニススクールのレッスンの場で周りの人に意地悪をする必要は全くない (上達を目指すなら、相手に勝った、負かしたで喜んでいるのはむしろ気持ち悪い)ですが「自分がボールを打つ」だけでなく「相手に時間的、精神的にプレッシャーをかける。相手に良い状態でボールを打たせない」という点が、偶然1ポイント、2ポイント取られても、トータルで「相手に負けない」テニスにはとても重要でしょう。

コートに立つ以外の時間をどう使うか?

最初に『コート上でボールを打つ時間以外にやる事』の方がはるかに重要で、それ無しに満足な上達を得られる筈がないと書きました。

また、「一般レベルの上達だけ考えれば週一で全然大丈夫。ただし、「テニスについて考える機会を増やす」という意味で「週前半と後半とかで2回位、ボールを打って練習できる機会があれば尚良いね」とも書きました。

学校の授業のような話でうんざりするかもしれませんが、効果を上げるポイントになるのは同じ「予習、復習」です。

私が初めてテニスをやった頃は情報源と言えばテニス雑誌や書籍位。TVに映る試合の模様は画質も荒く録画して見るにもコート全体の遠景が殆どでした。皆が雑誌に載る連続写真で打ち方を参考にしていました。

今はYouTubeがあり、プロがボールを打つ様子、コーチや専門家のレッスン内容を高画質にスマホ一つでどこでも見ることができます。

先の述べたように「言われる事を聞いて分かって気になる」のでは上達への効果は薄いです。外国学習でも『入門書を買ってきただけ』なのにやりきった感が出たりしますね。それまでの経験や知り得た事から「専門家の話を聞いただけで理解した感じになる」「自分は既に出来ているからからな」と改めて考えてみようとしない事も少なくありませんね。

※ギリシャの哲学者エピクテトスが「既に知っていると思っていることを学ぶことは不可能だ」と言っています。他にも「無知の知」という事もありますね。自分が分かっていないと自覚する所から「知る」という事が始まるのだと思います。

テニスについて調べるのは昔と違い手間も時間もかなり省く事ができます。昔と違って手に取ってみないと確認できない書籍情報にお金をかける、入手する手間をかける必要もありません。

勉強というほど負担はなく、知識を深める学習といった感じ。10分ほどの隙間時間でも出来る。それを続けて「前回の練習での反省点の確認、必要な知識を探し、考え、理解する。次の練習で確認する点を考える。次の練習でやってみて、反省点を確認する」という流れを続けるだけです。

我々は「テニスは特別なもので難しいもの。きちんとした人に『正解』の打ち方を教わらないとダメだ」と考えており「分かっている人に『正解』を聞くのが間違いないし、手っ取り早い。テニスなんかに手間をかけるなんて馬鹿らしい。何、言ってるの?」とも思っているのでコート上で専門家であるコーチから「教えてもらう」のが唯一と言って良い機会と認識し、コート側ではラケットも握らない、テニスについて考える機会を持たない事も多いです。

(「ネットでテニス動画をあれこれ見る」等はコーチから教わるとは別。自分のテニスに自信があり、「コーチから教わることはあまりない」と思っている状態かもしれません。先の「既に知っていると思っている事~」ですね)

この『コート上でボールを打つ時間以外にやる事』の時間を確保するために練習時間を長く取る、練習間隔が短すぎる等が望ましくない。週一の1レッスン。やっても週前半、後半位に1レッスンずつ位が良いのではないかと思うのです。

コート上での練習で最高の結果を得るために

向上心という意味も含めて「前回より今回の方がテニスが上達していたい」という意識は持ち続けたと思っています。よく拝見している野球YouTuberチャンネル『トクサンTV』の担当者の方が「全盛期は常に未来」という言葉を言って居られます。年齢や体力、様々要素から練習やテニスそのものを続けられるか分かりませんが、漠然と練習に参加するのではなく具体的に『上達』を意識し続けたいです。

最善の状態で練習に参加できているか?

週末、週イチテニスのレッスンに参加。序盤は調子が出ずミスが多い。終盤、少し調子が戻ってきたかなというタイミングでレッスン終了。次のレッスンまではラケットも触らない。

案外、そういう方が少なくないのではないでしょうか?

例えば、

  • 午前中、早い時間のレッスンだと起きて頭がぼんやりした状態でレッスンに参加する。
  • 朝、慌てて準備してギリギリにレッスンに間に合う。
  • 前日に飲んだお酒がまだ残っていて少し身体がダルい状態で「汗をかけばすっきりするだろう」と参加する。

先に述べた「次のレッスンでボールを打ちながら確認する内容を事前に予習しておく」と同じで90分~120分程しかない週イチの練習機会を最大限活かすためにはこのような状態ではマズいでしょう。

他にも「体重が増えすぎてすぐに息が上がってしまう」「身体の故障が抱えたまま参加し続ける」「コーチの説明を聞かずにおしゃべり」「レッスンに慣れすぎて練習内容を勝手に解釈する」「練習意図を考えず都合よく済ませようとする」「道具がベストな状態ではない」「道具は良くても使い方がベストではない」等もあります。

プロはコート上でボールを打つ練習をする前に1~2時間かけてストレッチや負荷トレーニング等を済ませて居るという話も聞きますよね。1週間ラケットも触らずに居たのにコートについて簡単な準備運動だけで即ボールを打つ。精神的、身体的に「才能のパフォーマンスが出せる」状態と言えるでしょうか?

そこまでするの? という感じかもしれませんがずっとテニスが続けられるか分かりません。1球入魂とまでは行きませんが、ボールを打つ機会は大切にしたい。漠然と消費していきたくないですね。

サンダル履きで登山が出来るか?

上の道具の部分。

ストリングス (ガット) の定期的な張替え等を思い浮かべるかもしれませんが違います。

例えば「履くときも脱ぐときもシューレースを締め直さないでテニスシューズを使っている」等ですがサンダル履きで砂浜を走ったり、登山したりする事を考えればそれが “ベストの状態” とは言えない事が分かります。高価なシューズを用いる必要はありません。使い方の問題。知っているだけで誰もが自分が本来持つパフォーマンスを出せるようになる部分です。「履いていて楽だから」と自分の足型関係なく幅広のテニスシューズしか履かないのも同様。

汗をかいて身体が冷える可能性があるにタオルやリストバンド等を用いない、速乾素材を用いない、上に羽織るものを用意しない。冬場でも関係なく半袖、肌が出る短パンでプレーする等もそのまま怪我の可能性がありますね。

単純な事ですが、少ない練習機会に最高のパフォーマンスを発揮するため、練習効果を保つための意識の差でしょうか。

観客モードと実行モード

1コートに10名程度の参加者が居たりする関係上、自分がプレーする順番を待つ間、周りの人がボールを打つのを見ている時間等が発生します。その2つの状態における意識の切り替えという話。

例え話ですが、

自分はテニス部の部員でまだ大会出場メンバーにはなれていない。今日は試合で会場に応援に来たが試合を見ていると急に出場メンバーの先輩が怪我をしてしまい、監督から「お前、今から代わりに出ろ」と言われた。道具やウェアは借りる事になったけど、負けたら全国大会に行けない大事な試合。「そう言われても、心の準備が…」

他にも、ゲーム練習を控えて見ていて、他の方が打った印象的なポイントに影響され、自分の番になったら「ガツーンと強打してやろう」と力んでしまうなんて事はありますね。全員がどんどん強打するようになっていってミスばかりみたいな事も。自分ではそこまで意識していなくても周りの雰囲気に影響される、意識が引っ張られてしまっているのだと思います。

自分がプレーしない時間帯、周りの人のテニスを見ているような観客のような状態『(仮に) 観客モード』と自分がプレーしボールを打つ時間帯『(仮に) 実行モード』を意図的に区分し、使い分ける。自分の精神状態や意識をコントロールする事が必要になってきます。

2014 US Open (Tennis) - Tournament -Wimbledon Tennis, Court 3, 2015

以前、この点についてブログ記事を書いたことがあります。

ボールを打つ機会は貴重だからこそ常に最高のパフォーマンスが出せる取り組みを

私はテニススクールに通い、テニスを本格的に初めて6年半経っても初心者に近い段階 (初中級クラス。入門、初級の次) に居ました。そして上達した一心で週に何クラスも参加したり、特別レッスンにも参加したりしていましたが全く上達に繋がりませんでした。

幸い、あるきっかけでテニスに対する考え方を変え、自分で考え、調べ、身体の仕組みや機能、物理的な現象としてのボールの飛びからテニスを考えるようにしてから急激に上達を得ることが出来ました。

今はスクール上級ですが、先に述べたようにスクール上級でも『全然』です。殆どの方が普通に到達できる、何年も苦労して到達するのではなく割合スムーズに上達、到達できるレベルだと考えています。

テニスには基本的な指導内容、説明、情報があり、日本中どこのテニススクールに通っても教わる内容や手法、手順は「ほぼ同じ」だと思います。ネットで調べてもそれらと同じような情報が公開されています。でも、どこで聞いても同じ情報だから「それが正解」というのは少し気持ち悪いです。

「ボールが飛び回転がかかるのを物理的な現象だ」と考えるなら、自分に向かって飛んできたボールをフォアハンドストロークで打とうがバックハンドストロークで打とうが、スマッシュもスイングボレーで打ってもボールが飛ぶ理屈は同じだと思っています。

ラケット軌道と当たり方とスピン
murray backhandtennis nadal forehand stroke

説明の都合上、それを区分し『フォアハンドストロークの打ち方』『バックハンドストロークの打ち方』として示しているもので、むしろ手順や形を重視するあまり全てのショットで共通するボールが飛び回転がかかる理屈に目が向かないのが、相手ありきのスポーツ、確率のスポーツであるテニスにおいて試合や対人での打ち合いの中、実力が発揮できない。思うように上達が得られない要因になっている気がします。

安定して望む結果が得られない
インパクト前後
を加えるエネルギーの量と
加える方向がボールの質を決める
円軌道のスイングfederer forehand stroke

部活のように毎日、長い時間練習できる訳でもない。或いはそういう環境にあっても、ただ漠然とボールを打ち続けている。その結果、上達しない、思うような上達が得られないなら、その状態前提で突き進むのではなく、コート上に立つ以外の時間の重要性、テニスについて理解を深める重要性、少ない練習機会で最高のパフォーマンスを出すための工夫について考えるのが大事ではないかなと思います。

※私はテニスに専門家やコーチではないので、ここで述べた事はあくまで私個人の考えです。ご自身のテニス、練習にあたっては普段からテニスを見ているコーチ等に相談されるのが一番です。何かしら参考にされる場合でも怪我などないようご留意ください。会ったこともテニスを見せたこともない者の話を鵜呑みにするのは危険です。必ず同じ理解に至るとも思いません。見聞きした事をそのまま実行するのではなく、自分の知識とし、その上で考え、工夫し、実行し、検証するといった事が「自分で自分のテニスを上達させる」ために大事だと思います。

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