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ダブルス上達に必要なのは「相手にプレッシャーをかける、良い状態で打たせない」という意識を持てる事では? (テニス)

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※私は専門家でもコーチでもありません。自分の上達のために色々考え、それをブログに書いているだけの者です。そもそも会ったことも自分のテニスを見せた事もない者の話を鵜呑みにするのは危険です。私は「自身のテニスを上達させるのは結局自分自身、コーチや周りの人達ではない」と考えています。ここで書く内容も単なる情報。理解も解釈も読む方にお任せするしかありませんし、同じ理解をしていただける自信もありません。間違いもあるでしょう。まずは普段からテニスを見ているコーチにご相談される方が絶対に良いです。なにかしら試される場合でも怪我等なさらないようご注意ください。

  1. ダブルスにおける前衛、後衛
  2. 後衛の役割は「得点できる状況を作る」こと
    1. 「目の前のボールを打った」が終わりではないから
    2. ベースライン付近から “1発で” 決めるのは難しい
    3. だから前衛 (味方) と協力して『得点出来る状況』を作る
    4. 「自分が打つ」ことしか考えられない段階は卒業したい
  3. 前衛の役割はまず「得点できる場面できちんと攻撃できる」こと
    1. ネットに近い方が攻撃的にプレーしやすい
    2. ここでも「自分が打つ」ことしか考えられない様子
    3. チャンスは「待つもの」なのか? チャンスとか関係なく「自分が打てば良い」のか?
    4. 後衛がチャンスを作ってくる、それを見逃さず攻撃できるようにする
    5. 因みに “がっつり” パートナーを見る事例
  4. 相手がボールを打つ際、止まって見てしまうダブルス
    1. 何故、止まって見ようとしたのか?
    2. テニスにはルールがあり、ボールを見てから判断していたらまともにプレーできない
    3. 相手が打つボールが予測出来ており、準備が出来ているから「止まる」という事
    4. 適切な場所に居ない状態で止まっても相手には良い目安でしかない。
  5. 相手に “普通に” プレーさせない
    1. 簡単なボールを打つのが基本の打ち方になっている状況
    2. 「基本の打ち方ができない」状態にするのは難しくない
      1. 外的要因 (気になって集中できない)
      2. 内的要因 (基本とする状況が簡単すぎる)
      3. 相手に心地よくプレーさせない事が重要
  6. 相手にプレッシャーをかける意識と行動
    1. 1. ボールを打とうとしている相手に視線を向ける、意識させる
    2. 2. 常に打とうとしているコースに居る、相手の視界に入る
    3. 3. 「さぁ打って来い」という姿勢を目で見せる
    4. 必ずボールに触る
    5. 相手の思い通りに動かされたと感じさせる
      1. 攻撃はなぜ強いのか?
      2. 具体的な用途、目的があるから練習効果が上がる
    6. 相手に誘導された、動かされたと感じさせる
  7. 「ダブルスらしい動き」は4人が各自の判断で行動している結果
    1. 正解を知ろうとする
    2. 対応方法を知ろうとする
    3. 受動的と能動的の違い
  8. プレッシャーがかかる状況で練習をしない。上達を妨げ、相手に対する弱みになる
    1. バッティングセンターで打つのか、ピッチャーのボールを打つのか
    2. レッスン内容の意図を汲み、自分で条件付けする意味
    3. 「自分が打つ」以外で試合の流れは決まってしまう
    4. 意地悪をするためではない
  9. 上達に効果のある練習をしたい

ダブルスにおける前衛、後衛

日本ではコート数と利用者との割合 (コートを確保する難しさ)、プレーのシンドさや手軽さ等からシングルスよりダブルスの方が圧倒的に身近だと思います。逆に海外だと年配の方でも普通にシングルスをやられる印象ですね。

Womens Doubles

ダブルスにおいてはコート上に4人、プレーヤーが居て、自分は味方と2人で自コート側で攻守を担当します。そして自分の味方(パートナー)、相手2人には便宜上の役割として前衛と後衛という区分が与えられます。

ポイント開始時のサーバー側は基本雁行陣ですし、平行陣でもパートナーと横並びになるのはかなり特殊なケースでしょう。相手ありき、ルールに基づく対戦といった点を考えると、コート上に居る4人のダブルスへの理解度 (ダブルスの上手い下手) とは別に「刻々と変化する状況に合わせて今の自分は前衛なのか、後衛なのか? また、前衛、或いは後衛としての役割を今、どう果たすべきなのか?」を常に考え、行動するように意識する重要性はプレーする中でも何となく感じるものだと思います。

後衛の役割は「得点できる状況を作る」こと

テニスをプレーする際、つい「強いボールを打つ、回転の多いボールを打つ」事がコート上での目的になってしまう」方も少なくないと思います。

「目の前のボールを打った」が終わりではないから

テニスは相手ありきのスポーツであり、1人では練習もままならないです。(素振り? 壁打ち?)

「誰よりも遠くまで飛ばしたら勝ち」でも「誰よりも速度を出せば勝ち」でもない。必ず相手と対戦し、ポイントを奪い、失点を防ぐ必要がありますね。『ボールの強さ』は得点に繋がる要因ですが同時に「強く打とう」とする事がミスにも繋がります。特に我々レベルでは得点よりミスによる失点の方が大きな問題でしょう。

テニスと言えば『球出し練習』ですが、相手が「得点してやろう」「ミスさせてやろう」と打ってくるボールが自分に都合よく打ちやすい筈もないです。毎回、コース、速度、球種、弾み方が違うボールを打つ事こそ練習なのだろうと思います。「バッティングセンターと試合でピッチャーが投げるボールを打つのは同じなのか?」という事です。試合に出てプレーしてこその野球ですよね。

tennis lessons

試合 (ゲーム) 、相手との対戦という部分の認識が弱いままだと

  • 「目の前にあるボールを打つ」事が目的、ゴール
  • ボールを打ったら終わり
  • 相手がボールを打ち返してきたら、そのボールを “見てから” 考え、準備する
  • そのボールを打ち返せたらそこでまた終わり

といったプレー内容になる。テニススクールのレッスンでも当たり前に見られる光景です。

ベースライン付近から “1発で” 決めるのは難しい

シングルスでもラリー練習でも良いですが「ベースライン付近から “1発で” ポイントを決める」難しさはテニスを続けている方なら想像がつくのではないでしょうか。

Tsonga (3)

単純計算ですが時速130kmならベースライン間を0.66秒で到達。飛んでくる間、バウンドによる失速を考慮しても自分が打ってから1秒位は経過しないと結果が分からない距離で相手とボールを打ち合い、ポイントを決めようとしているという事です。

130キロは0.66秒で到達

人が加えられるエネルギー量には限界があります。身長が2.3m、2.5mと大型化していく事は無いし、筋トレしまくっても限界はあります。(人間が打てるサーブ速度の限界は時速160マイル/ 約257km と言われているようです)

また、テニス用具が自然素材から化学素材に変わりボール速度や回転量が増えたのは「エネルギーの伝達ロスが減った事」が大きいと考えます。電動アシスト付きラケット等が標準化されない限り、「道具を変えるだけで速度が倍に!!」なんて事は難しいのです。

だから前衛 (味方) と協力して『得点出来る状況』を作る

シングルスで、相手をサイドに追いやり、返球が浅くなるのを見越して相手に気づかれないようにネットに出て1発で決める『スニークイン (スニークプレー)』と呼ばれる戦術が使われます。ボールに追いつき返球するのが精一杯の相手ネットに出るこちらに気づいていないし、気づいたとしてもネットから遠い位置に居ます。決められる状況を作った、得点パターンに相手を引き込んだ感じです。

ネットに詰めてドロップボレー

ダブルスは自分と味方の2人居るので、このプレーを2人で役割分担する事が可能です。(というか後衛が1人でやろうとしていたらそれはダブルスとは言いづらい)

上の例で「相手をサイドに追いやり甘い返球を引き出す」のがベースライン付近に居る後衛の役割と言えるし、

ボールを追う相手の様子から後衛の配給意図を舵取り、甘い返球が飛んでくるコース、場所にタイミング良く移動し、そのボールを確実に決める形で応えるのが前衛の役割と考える事ができます。

「自分が打つ」ことしか考えられない段階は卒業したい

繰り返しになりますが、テニスに限らず球技では「自分が目の前のボールを打つ (蹴る、投げる) のが目的、打ったら終わり」になりやすいです。ボールを打てなければテニスに参加できないので初心者の頃からボールを打つ技術、打ち方をまず教わるからですね。

でも、それはずっと変わらないままになってしまいます。

自分に都合よく打てる『球出し』のボールをたくさん打つ事を「練習だ」と言う。ゲームに出る、試合をするのは「レベルが高い」話。まずは『技術』を上げるべきだ。『技術』が上がれば自然とテニスも上手くなっていくはずだという解釈。

相手ありきのスポーツであるテニスにおいて「得点してやろう、ミスさせてやろう」と配球を工夫してくる相手の毎回、速度やコース、球種が違う。状況が違うボールを打つために『技術』を磨く

先に述べたバッティングセンターで気持ちよく打つ、メンバーに選ばれて野球の試合に出る。どちらがやりたいか、どちらが「野球をやっている」と感じるかといった事。

試合やゲームになると実力が発揮できない、途端に動きが悪くなる。でも「周りもみんな同じ」だから問題に感じない、改善の必要性を感じない。テニススクール等ではレベル分けにより自分と同様の段階の方としか練習しないので「格上の相手にコテンパンにやりこめられる」という経験が継続的に得られない事も大きな問題点だと考えます。

※もちろん、周りの方の練習機会を損なわないならテニスの楽しみ方は人それぞれで良いでしょう。でも、自分で自分の上達への可能性を止めておいて「うまくなりたい (厳密には「誰か自分を上達させて!!」と思う)」と言っているは不思議な話です。

前衛の役割はまず「得点できる場面できちんと攻撃できる」こと

ダブルスにおける後衛は「得点できる状況を作る」のが役割 (だから『対人』を前提とした相手とのやりとりが重要になる。「自分がボールを打つ」事だけ考えていても本質的な意味でのテニスは上達していかないだろう)と書きました。

逆に前衛は “まず”「得点できる場面に備え、その機会にきちんと攻撃できる」事が重要な役割だと思います。

ネットに近い方が攻撃的にプレーしやすい

ネットまで、相手コートでの距離 (時間がかかる) により、ベースラインから1発で決めるのは難しいですがネットに近い位置からは攻撃しやすい。これは

  • 相手の時間が奪える (ベースラインから一生懸命ラケットを振ってボールを飛ばしても「ボールのエネルギーを反発させる」ボレーで返球できる。負担が少ない。ストローク側は打ち終わった後の準備、構え、移動が間に合わない)
  • 角度を付けやすい事で「相手が追いつけない」位置にボールを打ちやすい

といった違いがあるからでしょう。

と言ってもダブルス前衛と言えば「ポーチ」を行う印象。当たり前のように感じるかもしれません。

Verdasco volley

ここでも「自分が打つ」ことしか考えられない様子

テニススクールのレッスンで教わる『ポーチ』「相手後衛が打ってきたボールに合わせて位置を移動しつつボレーで打つ」といった感じでしょうか。コーチの球出しに合わせて皆で順番にポーチに出る練習をすると思います。

前衛のポーチ

でも、ここでも「自分が目の前のボールを打つ (蹴る、投げる) のが目的」になる影響が出ます。

YouTubeで見る練習風景やレッスン動画、テニススクールのレッスン等でダブルス前衛のこういう「届かない」ポーチを見かける事があります。

ボールを追いかけるが「届かない」前衛のポーチ

tennis poach

「あー、届かなかったぁー (笑)」という奴。同じようなケースでこういう「逆を抜かれる」ケースもありますね。

ポーチに出て「逆を疲れる」前衛の動き

tennis poach

「あー、逆をつかれちゃったぁー (笑)」という奴。

これらは決して「アンラッキー。次こそは」等ではなく前衛本人が起こした結果ではないかという事です。

チャンスは「待つもの」なのか? チャンスとか関係なく「自分が打てば良い」のか?

相手ありきのスポーツであるテニスですが、対戦相手と向き合わない、自分がボールを打つ事でプレーが終わってしまっている段階の方にとっては「チャンスは偶然訪れるもの」という認識でしょうか。

「ボールが飛んできた。あ、これはチャンスボールだー!!」と慌てて動き出す感じ。

相手が打ったボールを見てから判断しようとするから飛び交うボールに速度に追いつかなくなる。ボールに触れない、ポーチも成功しない。

前衛としての動きが消極的になる、後衛の邪魔をしないよう常に端に寄って動かなくなる。ボールに触れるのが不安になり後方に下がっていってしまう。

端に避ける、下がる

逆に『攻撃』に意識が偏り「考えるのが面倒くさい」から、短絡的に「相手が打つ前にポーチに出よう」と動きだしてしまい簡単に逆を突かれてしまうといった事も起きますね。

実際の試合となるとコーチが打つ『球出し』を順番にポーチするみたいな風には行かない事が殆どでしょう。

後衛がチャンスを作ってくる、それを見逃さず攻撃できるようにする

ダブルスは1人では出来ません。コート半面を自分とパートナーで攻守する事が必要。でも、前衛・後衛で役割分担すると言っても具体的にどうやればよいか良く分からない。(これも「自分がボールを打つ」事がゴールになる要因)

でも、仮に味方後衛がコーチ等で「前衛が決めやすい状況を作る配球をしよう」と工夫するなら、前衛はその配球意図を読み取り、訪れるチャンスを確実に決められるように心理的、身体的な準備をしなくては後衛の行動を活かせないです。

ダブルス

これは偶然訪れたチャンスでも、相手関係なく攻撃するのでもない。後衛がチャンスを作り、前衛が決めるというダブルスの前提となるパターンが初めてなりたつ状況だと思います。

因みに “がっつり” パートナーを見る事例

因みに、ダブルス前衛で “がっつり” 後衛の方を見る(目だけでなく、顔、身体、足から向ける)方が居られますね。

ダブルス 見る

「自分がボールに触れられるのは4人の中で自分がボールを打つ機会だけ」です。

ポイントが始まり終わるまで「自分が打つ」瞬間以外は、相手2人、味方の状態を直接的に目で見える情報以外の想像も含めて意識しておくべきかなと思います。(つい「目で見て」しまう)

でないと「コートの一方に2人が居る」「2人ともボールを打とうとして衝突」なんて事が起きる。「目の前のボールを打つのに夢中」は、周りの様子を観察する余裕もない、自分で作っている心理的余裕の無さだと考えます。

イメージは出来ているけど位置関係の確認のために “ちらっと” 見る事はあっても、“がっつり” 顔や身体から向けて見るのは観察する観察・把握する意識がない、心理的余裕がない証拠なのかもしれません。

相手がボールを打つ際、止まって見てしまうダブルス

ダブルスで「相手がボールを打とうとする際、2人の動きが止まって見てしまう」という事があります。

Mixed doubles

何故、止まって見ようとしたのか?

止まった状態で見ようという事に問題がある訳ではありません。動きながら、視線がブレる中でボールを打つ相手を見ても飛んでくるボールの方向やコース、自分との距離感は掴みづらいですからね。

理由は様々で同じように見えて全く違う理由からだったりもします。ただ、ここで考えたいのは「相手の打ったボールを見てそれに反応したいので止まって見ようとしている」という場合です。

  • ボールを見るために足や身体が止まる際 “ボールを打つ” 心理的、身体的準備が完了していない
  • 相手が打ったボールを見てから判断し、追いかけ始めようと思っている。相手が打つまでは何もできない。”無” の状態で、ただボールを打つ相手を見ているのではないか?

といった事です。

ボレーの構え

テニスにはルールがあり、ボールを見てから判断していたらまともにプレーできない

人の反応速度は速い人で0.2~0.3秒と聞きます。(単なる計算ですが) 時速130kmのボールはベースライン間を0.66秒で到達します。より距離が短い位置、ベースラインから中に入った位置、ネット近くに居るなら確保できる準備時間はより短くなりますね。

また、「相手のボールに反応して1度は返球したけど、相手が次に返球したボールには全く反応できなかった (1度は返せた)」という事がよくあるのは、2度目は「打ち終わった所から構えるまで」の時間が必要になるからでしょう。

テニスにはルールがあり、コートの大きさが決まっている。人が「相手が打ったボールを見てから判断し、準備する」事で満足なダブルス前衛、ネットプレーが出来るとは思えない

現に (やりたい事を実現するためではなく)精神的に余裕がない状態から逃れるためにすぐ後ろに下がろう、相手から距離を取ろうというというプレーもよく見かけます。

どんなに相手との距離が近かろうと相手がボールを打とうとしているのに「後ずさる」のは自分が居る位置が適切ではないと自分でも分かっているからでしょう。でも、その位置に居るのは自分がそこに居るからです。

相手が打つボールが予測出来ており、準備が出来ているから「止まる」という事

次にボールを打とうとしている相手の様子を観察し、どこからどこにどういうボールを打とうとしているのか、『相手がボールを打つ前に』予測する、予測出来ているという事。

anticipation tennis

出来ているからボールが飛んでくる可能性が高いコース上に予め移動でき、飛んでくるコースが分かっているから『ネットから不必要に下がった位置』に居て「飛んできてから判断するための時間を稼ごう」とする必要もなくなる

テニス ダブルスのポジション

何故、漠然とネットから離れた位置に居るのか?
それはどこにどういうボールが飛んでくるのか分からないから距離のマージンを確保しておきたいから。
どこにどんなボールが飛んでくるか予め予測できていれば、極論、ネット前近に立っていても返球できる。

相手を観察し、判断し、予測し、移動と必要な準備が終わっているから「打てる位置で止まりボールを打つ相手を見る」。予測通りなら準備に基づき返球すれば良いし、予測と違っても心理的、身体的な準備が終わっているから十分反応できる。

適切な場所に居ない状態で止まっても相手には良い目安でしかない。

テニスコート半面は決して狭くはないので「自分がボールを打つ位置から十分にスペースが空いた位置に2人が立っていてくれれば、どこにどう打つかの良い目安になる」でしょう。

動かない的。案山子状態。ボールを打つにあたり、特に障害にはなりません。

コート 前衛

相手に “普通に” プレーさせない

簡単なボールを打つのが基本の打ち方になっている状況

『球出し』のボールを打つ事を「テニスの練習だ」と思う理由はボールを打てなければテニスに参加できないので初心者の頃からボールを打つ技術、打ち方をまず教わる点がまず大きい。

同時に「ボールを打つ練習」には自分に都合よく打てる、打ちやすい、教えやすい、教わりやすいボールを打つ事は大切だと考える。いつしか簡単なボールを打つような状況、打ち方が自身のテニスの基本になってしまう。

結果、対人の打ち合い、試合になると途端に実力が出せなくなる。それを「技術が足りないからだ」「慣れれば解消していくはずだ」と考えるがなかなか解消されないままになってしまう。

※だから「試合の中で起こりうる状況を前提としてボールを打つ練習をする」「得点してやろう、ミスさせてやろうと配球を工夫してくる相手のボールを打つ事を前提にする」という話でした。相手ありきのスポーツであるテニスですから初心者の段階を抜けてボールが打てるようになった後に自分が困る、テニスが上達していかなくなってしまう。

tennis lessons

でも、これらから分かる事もあります。

「基本の打ち方ができない」状態にするのは難しくない

外的要因 (気になって集中できない)

スポーツにおいて心理的な要素が運動や結果に大きな影響を与えるのは認識、経験があると思います。少し極端な例かもしれませんが、テニスでも、

  • コートの隣でビルの解体中。工事音が響き続けていてテニスに集中するのが難しい。
  • ダブルスの大会に出たら相手2人が揃いのウェアで強そう。ポイントの度に大きな声を出して来るので威圧されてしまう。
  • 大事な試合なのにいつも持ってきているグッズを忘れてきてしまった。何だか集中できない

といった事はいくらでも思い浮かびます。

内的要因 (基本とする状況が簡単すぎる)

加えて、先に述べた『球出し』を打つような自分に都合よく打てる状況でボールを打つ事を自分のテニスの基本にしている、目の前のボールを打つのがゴールになっている、相手ありきでテニスに参加できていない場合が多いという現実もあります。

tennis lessons

相手に心地よくプレーさせない事が重要

これらを考えるとダブルスという相手 (2人) と対する試合・ゲームの場において「相手に心地よくプレーさせない、必ず、心理的不安、負担がある状態でボールを打たせる」意味は “かなり” 大きいと推測されます。

ちょっとした違いだけで普段通りにボールが打てなくなりそうですよね。

フォア 打点が近い

相手にプレッシャーをかける意識と行動

相手に不安、負担がある状態でボールを打たせたいと言っても「大声を出して相手を威嚇する」とか「音を出して打つのを邪魔する」といった事ではありませんよ。スポーツマンシップにかける態度は認められるものではありません。

1. ボールを打とうとしている相手に視線を向ける、意識させる

「人の視線が気になる」という事があるでしょう。

互いに目が合っている訳でなくても「相手が顔をこちらに向けている、見ている」のは相手の身体の状態、雰囲気から伝わってきます。

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Photo by Martin López on Unsplash

そもそも「ボールを打とうとしている相手を観察し、どこにどういうボールを打とうとしているのかを判断し、予測し、準備する」事がポイント中に自分が行動する根拠、理由になる。

「相手を見ない、見ていない」という事は避けたいです。

観察と予測の習慣付け

それに加えて「あなたを見ているぞ」という意識・雰囲気を相手に “全身で” 表現する、伝える、意識させたい

具体的には、相手の視界の中に位置し、顔や身体を向ける。相手との距離感も遠すぎない、返球しよう、守備しようというには「少し近いな」と感じさせる位の位置に居たいです。

最初は難しいかもしれませんが少しわざとらしい、大げさな位の動きで良いと思います。相手に「なんか嫌だな」と感じさせる事になるので妨害にならない、喧嘩にならない範囲

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また、相手に自分の存在を意識させるという事は「相手の位置、様子を含め、今の状況で自分はどこに居るべきか」を考えることにも繋がると考えます。

テニス ダブルスのポジション

2. 常に打とうとしているコースに居る、相手の視界に入る

自分がボールを打とうとしているコースに毎回、必ず相手前衛が居る、”コースに入ってくる” 様子が見える、視界に入ってくる。これが続けば相手はそれに気づき、意識し始めると思います。

前衛が打つコースに入ってくる

「コースが読まれている? 狙いが読まれている? どうしよう」といった具合です。

そして「コース上に居る (止まって動かない案山子状態)」というだけでなく、上で述べた「あなたを見ているぞ」と “相手に意識させる” 動き、全身での表現を加える。

まさにボールを打とうとする瞬間にコースに割り込んで来られたら「あ、もっと厳しく打たなければボールに触られてしまう」と既に決めていたコース選択を咄嗟に『変更』しようとしてしまう。

前衛

これは打ち損じやミスに繋がるし、その後のプレーにも影響する、印象として残ってくると考えます。

3. 「さぁ打って来い」という姿勢を目で見せる

自分がボールを打とうとしている際、打とうとしているコースの適切な位置 (相手から遠すぎず、打てるコースを狭める程度にボールを打つ人に近い位置) に相手が居て「準備万端、さぁ、打ってこい」という姿勢、意識を見せられる。

Bryan Bros. v Mertinak/Zovko

ボールを打つ側は「普段通りに打てばOK」とは行かないでしょう。

最初に述べた「ボールを打とうとしている相手に視線を向ける、意識させる」に近いですが、相手がボールを打とうとしている瞬間、相手と1対1で “より直接的に” 意識させる、迷わせるという事ですかね、

「返球されるかもしれない。相手が邪魔でコースが狭まっている。どこに打てば良いんだ。狭いけどこっちを狙うべきか。むしろ相手に当てるべきなのか」といった具合です。

例えば、相手がスマッシュを打とうとしている場合

サーブ インパクト例

スマッシュってボールが落ちてくるのを舞っている時間が長いですよね。直接、相手2人に視線を向ける訳には行かない分、相手が打とうとしているコース上、ボールがバウンドする位置付近に居ると感じると気になってしまう。トロフィーポーズを取りながら停止した状態だから余計に相手の動きが伝わる

むしろ「飛んでくるコースに居るぞ、返球してやるそ」と意識させる動きを相手にしたいです。

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必ずボールに触る

ボールを打つ側としては広くコース、スペースが空いていて相手が全くボールに触れない、届かないままポイントが決めるのがありがたいです。

毎回、返球しやすい (こちらからすると打ちづらい) 位置に居られる、「さぁ、打ってこい」という姿勢、意識を見せられるのも嫌ですが、加えて「自分が打ったボールに必ず触られる」のもプレッシャーになります。

「また触られた。必ず返球される訳ではないけど、何で打つコースに先回りして居て、且つ、反応されて触れるんだ。どうしよう。もっと厳しいコースに強く打たないと不安だ」といった具合ですね。

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相手の思い通りに動かされたと感じさせる

攻撃はなぜ強いのか?

「先手必勝」「守りより攻める方が強い」等と言われます。

意味は色々あるでしょうが一つに「自分がポイントしやすいように相手を誘導し、決めやすい状況を作る」方が楽だし、精神的に余裕がある状態、自身の技術を発揮しやすい状態でプレーができるという事があると考えます。

サーブリターンをポーチ

「相手の打ったボールを見てから判断し、準備し、動き出す」意識との違い、テニスの質への差は述べた通りです。これではプレー全般が『受け身・受動的』になりそう。

また、「相手関係なく次のボールを打つんだ」といった根拠農水意識も相手ありきのスポーツであるテニスにおいては実力を発揮できない要因になるのでしょう。

(因みに、守備的なプレースタイルや『シコラー』等が 『受け身・受動的』だとは思いません。「こういう状況を作ろう」という意識があるから守備的にプレーできる。ただ「守っていればいつかチャンスが来るかも」と考えるのとはプレーの質が違ってくると考えます )

具体的な用途、目的があるから練習効果が上がる

また、「この位置からあそこへこういうボールを打ち、相手にこう返球させる。それを前衛に決めてもらおう」といった意図、戦術があるから「それを実現するためにはこの状況でどういうボールを打てればよいか」という事が考えられますね。

何も考えず、『球出し』のボールを強打したり、やたら回転をかけようとして (何のプレッシャーもない状況ですら) 毎回、飛び方が違うボールを打っている。

tennis
Photo by Hermes Rivera on Unsplash

目的があるから、こういう状況で使おうという意識があるから練習し、上達する。どう使うかイメージを持ってない『技』をいくら練習しても、使うのに適した場面が来ても使えないし、その場面で使う事も思いつかない。「練習しているそのストロークはいつ、どこで使うの?」という感じですね。

相手に誘導された、動かされたと感じさせる

フェデラー選手のプレー見ていると「この得点には流れがあり、そうなった経緯、理由がある」と強く感じます。1球毎に、相手に「こういう返球をさせよう、こういう状況を作ってこう決めよう」という意図の元に決定されている。そういう印象を打つボールから感じます。

ROGER FEDERER: 2019 ATP Highlight Reel

これはジョコビッチ選手やナダル選手も同様ですね。

逆に言えば「試合が終わるまでそういう展開、得点が続く」という事。

相手は

「誘導されている、相手の思うようにプレーさせられている。どうにかしなくては」

と考え、プレッシャーに感じるでしょう。

「自分がポイントしやすいように相手を誘導し、決めやすい状況を作る」という流れを作るほど相手はこれに対抗する必要が生じる。

この心理的なかけひきも本来『テニスの面白さ』なのだと思います。知らない、やっていないは勿体ないし、相手に仕掛けられた時に良いように誘導されるのも困ります。

「ダブルスらしい動き」は4人が各自の判断で行動している結果

プロの試合を見ていると「ダブルスらしい動きだな」というものを感じますね。

コート上の4人がキビキビと動き、ボールに反応し、打ち合い、テンポの速いやりとりを行う。時には神がかり的なプレーが出たりします。

10 Minutes of Incredible Doubles Tennis

正解を知ろうとする

我々は、自身の実体験から「テニスは難しいものだ。簡単には上達しない。きちんとした場所で分かっている人に『正解』を教わるのが間違いない」と思っていたりします。

だからコーチやプロに『上達するコツを聞きたがるし、「そのうち方は間違い、この打ち方が正解」と打ち方に優劣や点数を付けて区分しようとします。

対応方法を知ろうとする

そしてダブルスの上達を考える際によくあるのが

「コーチ、こういう場合はどうすれば良いですか?」と質問するシーンです。

相手を観察し、判断し、予測し、準備する習慣性が身についているからこそ「こういう場面はこうするのが結果に繋がる」という判断がいわゆる『戦術』として意味を持つ。

相手の打ったボールに合わせて対応しようとしている時点で自分の実力は発揮できない (受け身、受動的) ので、そのような質問の背景になる「こういう時はこうすれば良い」という答えを知りたがる事に本人が期待している程の意味、効果はないだろうと考えます。

受動的と能動的の違い

私のバックハンドは片手打ちですが「片手打ちバックハンドは高い打点が苦手」という話が良く出ますし、皆、「片手打ちバックハンドで高い打点をどう打つか?」という話を気にします。

片手打ちバックハンド 高い打点

でもテニスのルール上、相手が打ったボールは自コート側のラインの範囲内で必ず1度バウンドするのです。バレーやバスケットボールのように「身長的に届かない高さでボールが行き交い、1度も触れずにポイントが決まってしまう」なんて事はありません。

このため自分がボールのバウンドする位置付近に居られれば必ず「胸よりした、腰より下」の打点でボールが打てる理屈になります。

仮にコート周辺の広さや相手が打つボールの質 (高く弾む等) の面から2バウンド目前の位置で打つのが難しいのなら1バウンド目付近で打つ事も可能です。打ち合うテンポが速くなる、準備時間が短くなるでしょうが、間違いなく「高くない打点」でボールが打てるでしょう。

ボールを打てる位置は2箇所のみ

「片手打ちバックハンドで高い打点をどう打つか?」 という発想は「2バウンド目前のボールがバウンドの頂点から落ちてきた所を待ってから打つ」といった発想が前提となっている気がします。これも「相手が打ったボールを見てから判断し、準備する」という思考に繋がっているのでしょう。

「とにかく前に出る、攻撃する」といった意識・発想とは区分したいですが、能動的に「自分がポイントしやすいように相手を誘導し、決めやすい状況を作る」といった意識でどうプレーするかを考えたいですね。

プレッシャーがかかる状況で練習をしない。上達を妨げ、相手に対する弱みになる

バッティングセンターで打つのか、ピッチャーのボールを打つのか

繰り返しになりますが、バッティングセンターで気持ちよく打つのは「打ち方を確認している」状態かなと思います。実際の試合で相手ピッチャーが「抑えてやろう、三振を取ってやろう」と配球を工夫してくる、場面によって「得点に繋げるためにはどこにどう打つべきか?」といくつかの選択肢から考える必要がある中で打つのは同じ「打つ」でもかなりの差があります。

The Pitch - Kirby pitching -ball in the air

そして、野球というスポーツを考えた場合、最終的に求められる、自分に必要となるのは後者のような発想、意識で練習をする事だろうと思います。

※だって、進塁打を打った方が良い場面で状況を把握できず自分勝手に「ホームラン狙いで空振り三振」ばかりな選手は試合に出さないでしょう。野球はチームスポーツの要素が強いですがテニス・ダブルスでもそれは変わらないです。

レッスン内容の意図を汲み、自分で条件付けする意味

テニススクールのレッスンを受けるにも

「コーチに言われたから相手の足元にボールを打つ (足元に打つのが目的)」

のと

「ここはダブルスの雁行陣対並行陣の場面だ。自分は雁行陣の後衛だ。この位置からあそこにこういう速度、軌道のボールを打てれば相手は浮いたボールを返球してくるな。そしたら前衛に決めてもらえるな。となると速度は速くなくて良いな。高低差があって沈むボールの方が返球しづらいだろう (状況を作るのが目的、達成するために必要な手段まで考えられる)」

のと考えるのとでは同じ1球が持つ意味、効果が大きく違ってくるのは想像に難しくありません。

コーチにも参加者の意識の違いが動きから伝わるでしょうし、本来、コーチも (言われたからやる、言われたままやるではなく) そういう練習をして欲しいのだろうと思います。

意味のあるボレスト例

「自分が打つ」以外で試合の流れは決まってしまう

「自分に都合の良いタイミングで都合よくボールを打つ」という事を自分の打ち方の基本としている場合が多いという面もありますが、自分の実力を発揮して勝つという事以上に

  • 「相手に心地よくプレーさせない」
  • 「必ず毎回動かし、同じ状況、同じ打ち方をさせない」
  • 「ボールを打とうとしている相手に自分の存在、意図を意識させる。そのためにも相手を観察し、判断し、状況に合った位置、タイミングで準備する。相手にどう感じさせるかを常に考えてプレーする」

といった部分が相手との対峙、コート上に敵味方4人が居るダブルスでは特に求められてくるのかなと思っています。

(技術の優劣以上に戦術・戦略が「負けない」を決めるし、それは『慣れ』で得られるものでもないと思います)

意地悪をするためではない

また、改めてですが、これは「相手に意地悪をするためのもの」ではないです。

※単なる勝ち負け、勝った気持ち良い。相手にミスさせた気持ち良いが目的になる方が居ますね。楽しみ方は人それぞれで良いですが「それ、手段がテニスである必要ないよね?」と思います。

相手ありきのスポーツであるテニスにおいて相手と対する。

その際、互いの意思のぶつかり合いがあり、「あ、こういう意図でこのボールを打ってきたんだな。だったらこちらはこういうボールを打とう。どう返球する?」という言葉にしない、打つボールに意図が現れるやりとりは楽しいものです。

相手の事を考えようとせず、互いにただ強いボールを打とうとラケットを振り回すだけではラリーは続かないし、すぐにオーバーしてまともに続かなくなってしまう。

「加減しろ、弱く打て」という訳ではなく野球のキャッチボールと同じ。

「相手に取りやすいボールを投げる」「相手に取りづらいボールを投げる」に通じます。キャッチボールが野球の基本と言われる理由だと思います。

上達に効果のある練習をしたい

まとまりがない感じになってしまいましたが、ダブルスの質を上げるのは分かりづらく、教わってもなかなか改善していかないものだと思います。

それは相手と対峙する、かけひきするという戦術・戦略面が必要となってくるからなのでしょう。

「ボールを打つ」という技術の話は分かりやすい。効果、改善具合は別にして「こうやって打てば良い」という話で完結するからです。

一方、戦術・戦略の話は「○○すればOK」とは行かないし、自分はこうやりたい (こういうポーチをするんだ等)と思っても相手がそれをできる状態を作ってくれる訳でもない。むしろ「出来なくしよう」とするでしょう。

また「テニスの練習といえば球出し」と言うように「試合で実際に起こる状況を踏まえて毎回内容の違うボールをどう打つか? 自分がどういう状況を作りたいか?」を考えながら練習する。望む目的のためにどういうボールを打つかという前提でショット練習をするという事をする機会は自分が思わないと得にくいものだと思います。

※本来は練習とはそうした方が良いのでしょうが「ボールを打つ」練習を優先したい気持ちに傾く。週一テニスの機会。難しい事をやるより、気持ちよく打って終わりたい。

自分に都合よく打てる簡単な状況でボールを打つ練習を続けても「上手くなる」のは難しい。

ボールを打つ技術は上がっても、相手ありきのスポーツであるテニスにおいて試合 (ダブルス) では技術以外の要素が勝ち負け (具体的には「負けない」) に大きく関わってくる。

『ボールを打つ技術』が関心の多くを占める中、試合・ダブルスの質をどう上げていけばよいのか分からないままでいる。

周りと比べて出来ている、周りよりも上手いから大丈夫と現状を客観的に認識しようとしない。

単に『ボールを打つ技術』と『慣れ』がダブルスの質を上げる要素ではないのかなと思い、日々考えて居ます。

 

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