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リターンってその場でスプリットステップやると全然取れないなぁという話 (テニス)

tennis return

リターンの練習をしています

多くの方がそうであるだろうと思いますが私も普段やるゲーム形式はほぼダブルスですね。

そして、私の場合、基本的には「平行陣を取った所から展開、攻守をしたい」です。

並行陣は敬遠されがちだが「雁行陣が出来ている訳でもない」という事実

(一概には言えませんが) テニススクール上級でも「雁行陣でプレーしたい」方が圧倒的でしょうし、『平行陣対平行陣 (4アップ)』となる事も少ないです。

ただ、自身のテニス上達を目指す中で「平行陣で問題なく出来るようになる」事はダブルスの強さ (勝ち負けではなく安定感) を高めるだろうと考えています。

プロの試合を見ても単純に「平行陣の方が強い」とも言えまないのですが、「ネットプレーやボレーをやりたくない」「打つまでに時間が無いのが嫌だからベースラインで打つ」というのでは少し勿体ないですね。

何故なら、我々レベルの雁行陣は「雁行陣でプレーしているという感じではなく、コート上に4人居るというだけで、各自が勝手にプレーする打ち合い」だったりするからです。

陣形問わず、皆がバタバタしたプレーになる。相手のミスを自分もミスで返してしまう。何か締まらない感じでポイントが決まってしまう。プロのような『ダブルスらしい動き、展開』が見られないのはこの辺りも関係すると思っています。

ポイントの始まりは、サーブ側もリターン側も (フェデラー選手のSABRみたくサービスラインぎりぎりでリターンとかしない限り)『基本的に雁行陣の形』です。

tennis serve and net

従って、ここから平行陣になるために用いる手段として、アプローチショットサービスアンドネットリターンアンドネット といったものを用いる必要が出てきます。

Tsvetana Pironkova 1, Wimbledon 2013 - Diliff

そして、今、私が一番重視しているのが『リターン』の改善です。

リターン出来ていないという実感が薄い??

私の周りには「時速200km超のサーブを打つ」方は居ません。コーチやすごく速度が出せる方で時速180km位出せるかとかでしょうか。もちろん「普段、時速100km位のサーブを見ている方からすれば時速150kmでもかなり速いと感じる」だろうし、回転を加えてサーブを打てる人はいくらでも居ます。

その上で敢えて言うなら、我々は色々な理由から「自分が適切にリターン出来ていない」という現実に気づかないままでいるのかなと思っています。

  • リターンを教わる機会がない
  • どんなリターンが「意味がある」のかを知る機会がない
  • リターンのやり方を客観的に示す情報がない (経験談や “コツ” では理解が進まない)
  • 「少ない」と言われるサーブの練習より時間を取らない
  • 周りと同じだけ出来ていれば改善の必要性に気づかない

最後が一番気になりますね。

「サーブでポイントが取れて喜んでいる」のは、実際の所「相手のリターン技術が高くないから」なのではないか?

相手のリターン技術が高かったら「自分の一番のサーブを打っても決まらない。常に “次のストローク” を気持ちよく打てない所にばかり返ってくる。その後の状況が常に後手に回る。相手に有利に展開される」といった事が起きるのではないか?

周りにそういう人が居ないから問題に感じない。ストロークと同じような位置、同じような打ち方でリターンを打っていてもあからさまなマイナスと感じていないのではないか?

私も例外ではないので自分でも色々考えたい訳です。

バウンドにより失速するボール

プロのサーブを見ていると「サービスボックス内にバウンドしたボールは2バウンドする前にコート周囲の壁に直撃したりする」のが分かります。

Being a Tennis Line Judge is DANGEROUS!

回転を多くかけようが、あまりかけなかろうが、単純に言えば「前進力 = 前に飛ばすための “エネルギー量” と “加える方向性” のレベルが高い」といった事 なのでしょう。

一方、我々レベルのサーブで言うと「バウンド時の地面との摩擦で『飛ぶ・前進するためのエネルギー』を消耗してしまい、大きく失速してしまう」と感じます。

tennis serve and return

ストロークを打ち合っていても『バウンド後、その場で大きく前進が止まってしまうボール』はありますね。短いボールなら高い打点で叩いたり、アプローチショットとして使ったりします。

これは速度や回転、コートとの入射角等も関係しますが「バウンドによる減速が小さい」というボールは多くないでしょう。(入射角の小さいスマッシュ位??) また、ストローク同様、サーブも『順回転』系の回転を基本とするので尚更です。

スライスサーブの回転 ボールのバウンド

飛んでこないスライスサーブ

また、比較的習得が容易なスライスサーブを「ワイドに打つ」選択肢を多用し、且つ「ワイドに切れて行くがベースラインまで届かず着地する」サーブが多くなります。

スライスサーブ リターン

これは色々な理由から「スイング時のラケット速度が遅い」のにボールを曲げるために『かすれた当たり方』を用いる事で、一層、ボールに加えるエネルギー量が小さくなるという事になるのでしょう。

屋内コート等はコート周囲が狭かったり、ネットが張ってあったりするので「飛んでこないで着地してしまう」サーブは有効だったりしますが、それでも「相手がサービスラインに近い位置でリターンしようとするならただの『遅いボール』でしかなくなる」のかもしれません。

相手が前に居るなら「リターン側が前に立つなら速度を上げる」等と思うかもしれませんが、常に『リターン時のサーバーとの心理的駆け引き』を考えている方なら

  • 「トスを上げ、サーバーがこちらを見ていない段階で大きく前に移動する」
  • 「それを見せた後、次のリターン時は敢えて前に出ない」

と言った事も出来るでしょう。そのとても嫌なプレッシャーの中、普段通りのサーブを打ち続けられるでしょうか? 「練習していない事は本番でも出来ない」ですからね。

※そもそも「何で (リターンが一番容易であろう) 相手のフォアハンド側に打つのか?」という話で、対角線のため距離が長いから入りやすい、それがスライスサーブとの相性が良い、リターンも対角線に着やすく自分もフォアハンド側で打ちやすい等に安心感を覚えてしまっているのかもしれませんね。

リターンは小さいストローク??

リターンの説明でよく聞くのは

  • コンパクトなテイクバック
  • 大振りしないで

等でしょうか。

ただ、自分ではそう思っていなくても『普段のストロークの打ち方と大差ない打ち方』になりがち だと思っています。

tennis forehand

それ自体が問題なのではありません。

ストローク、ボレー、サーブ等、『ボールの打ち方』がある程度決まっているのは「それを用いるのに適した場面が存在するから」でしょう。「ベースライン付近で打つから『ストロークの打ち方』だ」「ネット付近で打つから『ボレーの打ち方』だ」ではなく、「その状況、自分がその後に望む状況、作りたい設定を実現するために必要なボール、適したボールを打つために自分の技量の中で最も確率が高い打ち方はなにか?」がその打ち方、ショットを選択する理由 なのかなと思うのです。

例えば、相手がスピンサーブを多用する、2ndサーブは必ず緩い高い軌道のサーブを使う等と分かっているような場面なら敢えて下がって待って打つリターンもアリです。ストロークでもサーブでも回転量の多いボールは着地点や弾み方が毎回違う、アバウトに狙って打つボールなので「変に接近した所で対処しようとする方が難しい」です。相手前衛の動きもあり、半端なリターンは自分達に不利な状況を作ります。

ただ、私がやりたいのは「リターンから並行陣を取ること (リターンアンドネット)」ですから、ベースラインから大きく下がった位置でリターンするというのは望ましいとも言いづらいです。リターン後、平行陣の目安の位置となるサービスライン付近まで到達する前に足元に難しいストロークを打たれてしまう可能性が高まります。

相手ボレーヤーの足元に打つ

リターンをする際に “スプリットステップ” を行う

リターン時のスプリットステップ

ストロークやボレー同様、リターンをする際もスプリットステップをすると思います。

スプリットステップ例

テニスでボールを打つ際、スプリットステップを行う理由を挙げるとしたら、

  • 次に行う動作に対する動き出しのタイミングを取る
  • 前後左右にバランスの偏りの無い状態を作る
  • 適度に重心を下げた、両足に力のかけやすい状態を作る

等があるでしょうか。

スプリットステップはジャンプではない

大事なのは「次に行う行動のために行っている」という事。

飛ぶ事 (ジャンプ) が目的なのではなく、着地した時の状態とその状態が次の動作に行いたい動作に繋がりやすいかです。

「スプリットステップとジャンプは同じ」とは思わないでしょう。

両足が地面から離れたジャンプ状態では限られた弱い動作しかできないのは想像がつきますね。

jump

我々は両足で地面を踏み、それと同じ強さで押し返される『反力』を利用して立ち、バランスを取り、歩き、走り、そして止まります。

  underhand toss

完全に停止した状態から強く動きだすのは難しい

同時に「いくら “良い” 態勢であっても、それで “完全に停止” した状態から瞬間的に、スムーズに動き出すのは大変」です。

テニス 歩幅が広い構え

筋肉には伸張反射等の機能があり、ジャンプする際、瞬間的に膝を曲げて重心を落とし、足の前後の筋肉を伸ばす、縮める事で地面を強く踏み、より高くジャンプ出来たりします。

 Trampoline

スプリットステップが意味を持たなくなる例

テニススクールでよく見られる球出し練習。コーチが打つ簡単な “球出し” のボールを参加者がストローク、ボレー等で打っていく練習です。球出し用のマシンもあったりします。

そしてこの球出しのような練習で起きているのが「スプリットステップをした後にボールが飛んでくるまで “だいぶ” 時間が余る」といった状況です。

スプリットステップを行う理由は「着地した際の態勢、状態が次に行う行動に繋がりやすくする。動き出すタイミングを取る」といったものですから「スプリットステップをした後の着地状態が長く続くのはスプリットステップをしないで構えた停止状態と変わらない」です。

スプリットステップ例 テニス 歩幅が広い構え

完全な停止状態からボールを打ちに行く事になりますから、思ったよりも速い、思ったより弾む、思ったより長く飛んできた、思ったより飛んでこないボールにうまくタイミングや打ち方を合わせられない といった事が起きやすい。

スプリットステップをした後の状態でボールが飛んでくるまで待っている方、毎回、真面目に大きなスプリットステップ (というかジャンプ?) をする方等を見ると「何か勿体ない??」と思ってしまうのです。

サッカーのゴールキーパーの例 (左右に動く)

サッカーの試合でフリーキック、PKを打とうとする相手選手に対し、ゴール前で構えるゴールキーパーの映像をよく見ますね。

 football

サッカーは詳しくありませんが、相手の蹴るボールに対してゴールキーパーが次に行う行動は「左右方向に移動するでしょう。

 football  football

通常のプレーの中であればシュートコースを狭くするため等でゴールキーパーが前に出るケースはあります。

ただ、フリーキック、PKだとカバー範囲や時間が無い事もあり、変に前に出る余地を設けるより、ゴールラインぎりぎりの位置に居て「左右の移動に動きを絞る」方が目的に合うのだろうと思います。(手で掴めなくても手足で弾き飛ばしてゴールに入れなければ良いですからね)

ハーフボレーの例 (前進しながらボールを捉える)

以下は鈴木貴男選手のハーフボレーの説明です。

鈴木貴男プロの世界一受けたいレッスン「ハーフボレー」

最小限のスプリットステップで着地した直後には次にやりたい動作に対し動きだしている感じですね。

ハーフボレーはバウンド後、バウンドが頂点に到達する前にボールを捉える必要があるので「ボールがバウンドした場所の付近」にラケット面をセットできなくてはうまく処理できないです。

常に「飛んでくるのをその場で待って打つ」のでは柔軟性、対応力が低くなります。(そういう撃ち方をする場面はあるでしょうが)

野球の守備でも「その場で転がってくるのを待って取るより、バウンドに合わせて接近しながら取る方が合わせやすい」といった事を聞きますね。

baseball

サーブに反応できず動けなかったという経験

自分がリターンをする際に「相手のサーブに全く反応できずに見送るしかなかった」といった経験はないでしょうか?

tennis return

時速200kmを超えるプロのサーブは「ある程度、決め打ちしないと反応できない」という話を聞きますし、「飛んできたコースが予測と全然違った。逆を突かれた」なら反応できない事もあるでしょう。

でも、上で言っているのは「それほど速いサーブじゃなかったけど、自分が居る位置から遠くて “動く”、”追う” といった事が実行できなかった。もっと何か準備、工夫していれば “触る” だけなら出来たのかも」みたいな感じのものです。

取り敢えず、構える方向を確認

ボールを打つ相手 (打点) に向けて構える

コート上に居るとつい「コートに引かれたラインに沿って構えてしまう。動いてしまう」という事が起きます。

ラインやネットの向きに沿って動いてしまう平行陣前衛の例

この場合、飛んでくるボールに対して斜め後ろに追いかけている事になり、ボールが逃げていく、追っても届かないといった事が起こります。(逆にバックハンド側だとボールが近すぎてガシャるとか)

「ボールは打とうとしている相手のラケット面の位置からしか飛んでこない (相手が正面に居るのに真横からボールが飛んでくるなんてことはない)ので、自分は「ボールを打とうとしている相手、或いは次にボールを打つだろう相手に対して正対した状態で構える」のが良いと思います。ボールはそこ (ラケット面、打点の位置) から飛んでくるのですからね。

ボールはラケットの位置から “扇” 状の角度の範囲で飛んできます。飛んでくる角度を分割し、その中心線からフォアハンド側、バックハンド側に「距離を詰めるように前進していく」事でタイミングやボールとの距離感を掴みやすくできます。

ボールを打とうとしている相手(ラケット・打点)に正対して構える、位置を取る平行陣の例

身体の構造上、後退するより前進する方が強く移動できるし、調整もしやすいです。「テニスは足を使え。テニスは足ニスだ」みたいな話とも関係するでしょう。

リターン時に構える向き

この事はリターンでも言えます。

見ていても「リターンをしようとする際、つい、ベースラインの向きに合わせて構えている方は少なくない」と思います。なにか50m走のスタートラインのような立ち方です。

徒競走

リターンでもストロークでもボレーでもボールを打とうとしている相手のラケットの位置 (身体の位置というより実際にボールが飛び始める場所) に向けて構えて技術と関係ないミス要因は省きたいです。

tennis preparation

サーバー側がサイドライン寄りから打つのか、センター寄りから打つのか、右利きか左利きか、身長やサーブの打ち方によっても打点の位置は違います。相手が変わるのに必ず決まった向きに構えている方が “変” ですよね。

そもそも、自コートのラインは「相手がボールを収めるべき範囲」を示しているものであり、そのラインに自分が影響されてしまう意味は薄いです。(逆に、自分がボールを収める範囲は相手コートのライン内ですよね)

テニスコート

着地後に “前進” しつつ準備できるか

スプリットステップとゴールキーパーの例、ハーフボレーの例、構える向きの例を上げたのは

「リターンを打つ際、スプリットステップをするとして、着地した直後に移動、具体的にはボールとの距離感を調整するための前進が出来ているのか?」

という自身への疑問があったからです。

敢えて下がった位置でリターンを打とうとしない (今回の目的は『リターンアンドネット』です) なら、サーブ、バウンド、リターンのリズムは「パーン、パ、パン」みたいな感じになるでしょうか。

ダブルスですから、サーブのバウンドが頂点を迎える前にベースラインから内に入る位の位置で上から抑えつつ、最低限ネットを越す位、自らエネルギーを加えるサーブやストロークと違う、ボレーのように相手の打ったボールのエネルギーをラケット面で反発させる事を重視して必要十分な飛距離を得る打ち方をしたいです。ネットに接近する時間を確保したいので無理に速度のあるリターンを打ちたくありません。また、相手前衛にリターンをポーチされにくくするため『速い準備、しっかりとした準備、打つ瞬間までコースや速度が分かりづらい打ち方』をしたいです。「相手前衛の動きを確認、動きで牽制しつつ、しっかりタメてから “パン” という感じ (打つ強さではなくコンパクトでシンプルな打ち方)」ですかね。これはハーフボレーの接近の仕方、ラケット面の合わせ方に通じるものがあると思います。

これらを考えると「スプリットステップで着地した直後にボールとの距離感を計るべく自然と前進していけるのが望ましいと思っています。

return retur

必ずしも前進する訳ではないですが、ボールのバウンドに距離感を合わせられる、バウンドの頂点までにボールを捉えられる調整のためという感じです。

前進すれば良いという訳でもない

「じゃぁ、スプリットステップした後にボールに接近していけば良いんだな?」

と言われば、それも少し違うと思っています。

それがラケットの『ボールへの作用』に繋がっているか?

打ち方や動作ではなく、ラケットの動き、作用に注目してみましょう。

まず、「ボールが飛び回転がかかるは物理的な現象でしかない」です。

同じ条件が整うならナダル選手のフォアハンドは再現可能でしょう。(「無理だ。ナダルだからあんなボールを打てるんだ」と言われるなら「コンピュータ制御のマシンが再現する」と言えば納得するでしょうか。)

また、ボールに加わるエネルギー量 (ラケットで加える、ボールのエネルギーを反発させる) 加える方向性 がボールの飛び方を決めます。

そして、それを決定するのはラケットとボールの当たり方です。

これらを踏まえると下の2つの図に関して「インパクト前後のラケット面の向きが大きく変化する下左図より、同じ方向に向き続けて進む下右図の方が安定した、再現性の高いインパクトが実現できそう」という考え方に大きな異論はないかなと思います。

円軌道のスイング まっすぐ進むスイング

そして、ラケットの前進、加速「腕を動かす事によるスイングで行う」だけでなく「ラケットは手に握ったまま大きく動かさず、足を使って身体本体を前進しても同じラケットの前進、加速だ」という事です。実際、そうやって「踏み込んで打つボレー」があるでしょう。

踏み込んで打つボレー

どんな動きにせよ「ボールを飛ばしたい方向に必要なエネルギー量が加えられる」結果に繋がっているか が重要になってきます。

nishikori

重移動や踏み込みながら打てという話の理解

テニスでは「体重移動をして打て」「踏み込んで打て」等と言われますね。

tennis forehand

ただ、言われる通りに実行していても、その動作がラケット加速や安定したラケット軌道に繋がらなければ意味がない と考えています。また、その違いに気がつかないままになるでしょう。

『ボールが飛び回転がかかるのは物理的が現象でしかない』と書きました。

言われる通り、前足体重になる状態を作ってもそこで動きが停止してしまい、そこから腕を動かしてラケットを加速させようとすれば、体重移動、踏み込んでいる事がラケットの状態に反映されていないと思うのです。

ボールとラケットを接近させる

これもスプリットステップ後の着地状態でボールが飛んでくるのをその場で待っているのと大差ないと考えます。リターン時に「スプリットステップ時の着地後にボールに接近していったら、思ったよりも近くなりすぎて打ち損じた」なんて事はこういった事からも起きると考えています。

『ボールへの接近』と「それがボールを打つ事に繋がっているか」は別の話という事です。打つ準備、打つ動作と繋がらない接近は「停止状態に戻る事が前提」だったり、打つ部分の距離感を考えていないので「接近しすぎる」といった事が起きると思います。

※改めて書きたいですが「ボールを追っても動きが止まってしまい、停止状態から別の “手や腕の動き” でボールを打とうとする」「ボールを打とうと体重移動していってもそこで動きが止まってしまい、そこから別の “手や腕の動き” でボールを打とうとする」という例は “殆ど” と言って良い位方が持っているマイナス要素だと考えます。確か、ともやんテニスchさんの片手打ちバックハンドの動画でも近い事を言われていた気がします。それだけでボールの威力が上がらないし、安定性も下がってしまうのです。

あくまで例ですが、体重移動をしながら打つ、踏み込みながら打つというのはこういったものを指しているのだと思います。

federer forehand

打ち方や形ではなく、身体の移動がそのままラケットの加速に繋がっている、連動していっている点に着目したいでしょうか。

着地後にその場に留まる前提だからボールに近づけない、タイミングが合わない

リターンをする際に「相手のサーブに全く反応できずに見送るしかなかった」経験はないか? という話をしました。

tennis return

色んな要因があるとしても、これは「着地後もその場に留まり続ける前提でスプリットステップをしている」事がひとつ関係しているのかなと思っています。

スプリットステップしてその場に留まるのですから、フリーキックやPKに対するゴールキーパーに似た状態です。「左右には動けるけど、前へ動くための準備ではない」のかもしれません。

 football

スプリットステップしてその場に留まるのですから、後ろ足重心だったり、直立に近い重心だったりしそうです。これでは前に強く動き出せません。

サーバーの方向、打点の位置に向けてリターン側が構えれば左右の動きは下図のような感じになります。(ベースラインの向きに合わせて構えるのと違い、フォアハンド側、バックハンド側に極端な差はなくなる)

tennis return position

ただ、相手により、また打つサーブによって異なる速度やバウンドに合わせる、バウンドが頂点に達する前にハーフボレーのように捉え、コントロールするために「スプリットステップの着地後、適切な前進を行い、その前進がボールにエネルギーを加える事に連動する」事を目指すなら左右に動けるだけの準備では足りないと思っています。ゴールキーパーの状況とは違います。

tennis return position

※繰り返しますが、どこかの “コツ” のような「リターンは前進しながら打て」という話ではありません。前進しても「そこで動きが止まる」なら意味がないし、左右への動きを重視、或いはその場に留まる (逆に下る) というケースもあり得ます。どんなリターンをしたい、すべきかがそれらを選択させるのでしょう。

split step

相手の打つサーブは “必ず” サービスボックス内に着地します。(しなければフォルト)

ただ、ベースラインまで飛んでこないサーブも多いし、ベースライン付近で自分が打ちやすい高さで打てるとも限らない。

だから、相手や打つサーブに合わせて、バウンドの頂点以前で捉えられる工夫をする事は結果的に対応すべきサーブの範囲 (コース、位置) を狭める事に繋がるのではないかとも思っています。

「予想と違ったら全然取れない」ままではサーバーが気をよくするだけですね。

スプリットステップからスムーズに前進しボールを捉えるために

説明が下手で分かりづらかったかも。私も色々考えている最中なのですいません。

簡単に項目だけ抜き出してまとめてみるなら、

  • スプリットステップ時は着地後に行いたい動作に繋がるようにしたい
  • (当然、行いたい動作がその場に留まり待つという事はある)
  • ベースラインより後ろで「飛んでくる、落下してくるのを待ってリターンする」のではなく、平行陣を取るためのリターンアンドネット、ボールのエネルギーを利用した最小限のリターンを行うためには、それぞれ違うバウンドに対し、適切に接近していける事が必要。
  • それを『飛んでこないサーブ』『バウンドで前進力が落ちるサーブ』をある程度の前提にして行う
  • スプリットステップをしても「着地した位置で留まり、即時、その後の動作に繋げない」なら停止したままの状態からボールを打とうとするのと変わらない
  • リターンに限らず、ボールを打つ相手 (そのラケット・打点の位置) に身体を向けて構える事が前提となってくる。コートのラインに身体の向きを合わせる意味は薄い。
  • ボールを打つ相手に身体を向ければ、左右には動きやすい。
  • ただ、その位置から前進するならスプリットステップ後の着地がそれに繋がる態勢、姿勢、状態とする必要がある。
  • ボールに対し接近、前進できても、ボールを打つためにまた止まってしまうのでは停止状態からボールを打つのと変わらなくなる
  • 体重移動、踏み込んで打つは身体の動きとラケットの加速、前進が連動する事を重視したい。前足体重になっていても停止状態なら手や腕でラケットを振る『手打ち』のようなもの。

といった感じでしょうか。

Novak Djokovic Return of Serve Slow Motion – ATP Greatest Tennis Serve Return EVER!

ストロークでも、サーブでも、ボレーでも「ボールを打つ準備、動作は、結局、ボールに影響を与えるラケットのインパクト時の状態を作るためにやっているものだ」と考えます。

“前” にボールを飛ばしたいのに右左に力がかかる、上に伸び上がりながら打つ。両足と身体、腕の動きが連動せず、動きがそれぞれバラバラでは良い結果が出にくいのは当然なのでしょう。それらに目を向けず「毎回手や腕の動きでなんとか」では困りますね。

return retur

なんとなくでも伝わればよいのですが。

暫く考えたらまた書くかもしれません。

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