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プリンス 新カーペット用テニスシューズ WIDE LITE III HC (テニス)

プリンス カーペット用テニスシューズ WIDE LITE III HC

2019年9月に発売開始されたプリンスのテニスシューズ WIDE LITE III HCを購入しました。

プリンス WIDE LITE III HC

この1年程、カーペットコート用のテニスシューズとしてプリンスのTOUR PRO LITE II HCを使用していました。

プリンス TOUR PRO LITE II HC

その前のNIKEのズーム ヴェイパー 9.5 ツアー カーペット用と比べて、私の足型だと足幅が少し広く、側面側が多少緩く感じる半面、親指部のゆとりが大きくなり、指への負担は減りました。(NIKEもプリンスも私の足型には “合っている方” だと思います)

私の場合、足型の関係で、テニスシューズはソールの減りより内部の指が当たる部分が削れていき、内部から生地や接合部が裂けてくる方が早い位なので、今回も1年程で買い替えとなりました。

そして購入したのが同じプリンスのそのWIDE LITE III HCという訳です。

※写真は室内光の下で撮影しているので色合いが様々になっています。実際の製品は「THE 赤」という感じですので購入される際、店頭で確認なさってください。今回の製品は、オールコート用、オムニ・クレー用、カーペット・ハードコート用が同一仕様になるので、他サーフェス用でも色や作りは確認できると思います。

カーペット用テニスシューズは各社上位モデルと扱いが違う

最近は天候に左右されない室内コートを備えたテニススクールが増えています。

皆、通うなら設備が綺麗で充実しているスクールを選びます。新設するなら室内コートで作った方が管理面も他社競争的にも意味を持ちます。

逆にテニスコート数の減少で古くからあるコート付随の小規模スクールは激減していると思います。スクール数は減り、同時に「テニスに触れてもらう機会を設ける」という活動も増えていないようです。テニス人工も高齢化、少子化で先行き不安ですね。

さて、以前に比べ需要が多少拡大してきているであろうカーペット用テニスシューズですが、発売している各社とも相変わらず『上位モデルとは差がある』製品企画になっています。

10年前位までは中位モデルと同等ですらなく下位モデルに近い作りといった印象でした。

テニスシューズ

皆、オールコート用をまず買い、用途によってオムニ用を追加で買うでしょう。カーペット用はニーズがあっても圧倒的に数が出にくいので「ラインナップとして無くせないけどコストをかけて開発する、生産コストをかけて上位モデルと同等の作りをする意味がない」製品だったろうと思います。カーペット用テニスシューズを発売するメーカーも少なく、その小さい市場を独占という感じでした。(当時だとヨネックス、アシックス、プリンス位)

現在は室内コートを持つ箱型の大型スクールが増え、カーペットコートも増えてきた事で参入メーカーも増えています。(バボラ、ミズノ。消滅したけどウィルソン等)

以前よりもマシにはなってきていると思いますが「スポーツ分野におけるアスリート志向。それに伴うテニスシューズの本物志向」の路線を考えると10年前とほぼ同じ基準でカーペット用テニスシューズを作り続けていると感じるメーカーもあります。(多くの方にとってそれで不具合が生じる訳ではありません)

その中でも当時から1万5000円近い定価 (カーペット用としては他社よりかなり高く上位モデルと同等の価格)で「カーペット・ハードコート用テニスシューズ」として発売していたのがプリンスになります。(HCという型番はハード・カーペット用ということ)

私も何度か使用していた時期がありました。

WIDE LITE III HCの各部

ミドルカット (ミッドカット)

WIDE LITE III HCをTOUR PRO LITE II HCと比較して最初に気づくのが「ミドルカット (ミッドカット)」になった事です。

プリンス WIDE LITE III HC 足首周り

足首周りの “切り込み” の高さがだいぶ違いますね。(TOUR PRO LITE II HCはいわゆるローカット)

シューズの上側、アッパーソール部が総じてTOUR PRO LITE II HCより高さがありますね。足の指の付け根から、足の甲、足首前側にかけて高くなっており、足首部のミドルカットの高さに繋がっています。

プリンス WIDE LITE III HC 側面

アッパー部は樹脂素材の厚みが増し柔らかい

2代前のモデルであるTOUR PRO LITE II HCとの比較ですが、WIDE LITE III HCではアッパーの樹脂素材の厚みが増し、足首部より前のアッパー全体を覆う形になっています。

プリンス WIDE LITE III HC 足甲部

TOUR PRO LITE II HCのアッパー部は網目状でサポートより履き心地(?)、足入れ感(?)が重視されていた印象ですが、WIDE LITE III HCのアッパー部は競技モデルに通じるしっかりさを感じます。

ソール部の素材や作りはTOUR PRO LITE II HCと変わりませんが、溝の切り方が変わっています。(前モデルのWIDE LITE HCはTOUR PRO LITE II HCと同じでした)

プリンス WIDE LITE III HC ソール部
プリンス TOUR PRO LITE II HC ソール部

 

TOUR PRO LITE II HCでは小指側、外側部にあった縦方向への溝が少し中央に寄り、土踏まずから拇指球の付け根辺りを意識した感じの横方向への溝が指の付け根辺りに移動しています。

上のアッパー部の写真を見て分かるように指先が曲がりやすく作られている (横方向にラインが入っている) ものあり、TOUR PRO LITE II HCより足先部、指の部分がしっかり曲がります。

TOUR PRO LITE II HCは指先部が硬く、溝に合わせて拇指球から先が曲がる感じですが、どちらもソールはしっかりしているのでアッパー部の曲がり方の違いが全体の曲がり方に影響している印象です。

シューズの前側部分、どちらが柔らかく、曲がりやすいかと言えば (1年使ってきた違いはありますが) TOUR PRO LITE II HCの方ですね。今回のWIDE LITE III HCの方は、アッパー素材がしっかりしている分、クニャっと凹む感じがありません。(硬いと書くと誤解をされそうなのでこう書きます)

立体的なインソール

従来からインソールには他社と違う拘りを感じるプリンスですが、今回のWIDE LITE III HCでは市販インソールのような立体的な作りになっています。

プリンス WIDE LITE III HC インソール
プリンス WIDE LITE III HC インソール

 

WIDE LITE III HCを履いてみるとすぐ気づきますが

土踏まず部が盛り上がっており、足のかかと部分がボコッと凹んでいます。

プリンス WIDE LITE III HC インソール

※写真はTOUR PRO LITE II CGのインソールとの比較。左側がWIDE LITE III HC

ミドルカットになったとは言え、ソールの厚みを含めたシューズ自体の高さはTOUR PRO LITE II HCと変わらないです。

プリンス WIDE LITE III HC インソール 後方 比較

それでもインソールの作りの違いから、履いた直後はWIDE LITE III HCの方が「高さがある」「浮いた感じする」と思います。

ただ、履いて少し歩く位でシューズ内の足の収まりが落ち着き、浮いた感じは全くなくなります。

当然ですが、使用感も全く問題ないです。

インソールの素材 (下図で青い部分)はかなり硬いです。

TOUR PRO LITE IIのものも他社製品と比べて硬めに思いましたが指で押すと凹む位の柔らかさはありました。今回のWIDE LITE III HCのものはほぼ凹まない位のしっかりさがあります。

プリンス WIDE LITE III HC インソール

※写真はTOUR PRO LITE II CGのインソールとの比較。左側がWIDE LITE III HC

TOUR PRO LITE II CG用のものは緑の部分が硬めですが指で押せば凹む位の柔らかさはありました。WIDE LITE III HC用のものは指で押しても全く凹みません。

代わりに足に当たる内側は柔らかさがあります。(硬い – 柔らかいを組み合わせてある)

従来のものは、構造や溝の掘り方から「(楽に感じる)平面面的な幅広さの中で足の動きをどうサポートするか」といった工夫がされていた印象。

WIDE LITE III HCのものは硬く立体的な構造にする事で「様々な動きの中で足全体をシューズで支え受け止める」といった発想といった感じでしょうか。

ハトメ金具がなくなったのがちょっと残念

前モデルまではシューレースを通す穴に金具(ハトメ金具)が採用されていたのですが、WIDE LITE III HCでは樹脂素材そのままの構造になったようです。

プリンス WIDE LITE III HC シューレース穴

下写真はTOUR PRO LITE II HCのシューレース穴

プリンス TOUR PRO LITE II HC シューレース穴

私はテニスシューズを履くたびにシューレースを「緩める、締める」をしっかりやるようにしているのでプリンスのハトメ金具が付いた構造は気に入っている点でした。「シューレースを緩めやすく、比較的均等に締めやすい」と感じたためです。

樹脂素材そのままの方が「緩みにくい」でしょうし、緩みやすい事がマイナスに感じる方も居ると思うので、これは個人的な好みの部分ですね。

もちろん今回の構造でも「緩める、締める」に支障がある硬さではありません。「ちょっとひっかかるかな」という位です。

スペアのシューレース付き

これもプリンスのテニスシューズではお決まりになっていますが、WIDE LITE III HCにも交換用の色違いのシューレースが付属しています。

もともと製品につけてあるシューレースは生地素材に近いグレーですが、交換用は赤です。

プリンス WIDE LITE III HC スペアシューレース

交換するとこういった印象になります。

プリンス WIDE LITE III HC シューレース 赤

プリンス WIDE LITE III HC シューレース 赤

※この1枚は実際の本体色に比較的近いと思います。

プリンス WIDE LITE III HC シューレース 赤

どちらのシューレースを使おうか考えたのですが、製品付属のグレーの方は、少し “ヨレヨレ” っとしていました。

プリンス WIDE LITE III HC シューレース グレー

このためしっかりした作りに感じるスペア用の赤を使用しています。

ラフィノさんの紹介動画

発売に合わせてラフィノさんのYouTubeチャンネルで紹介動画が上がっていました。

アッパーソール素材の事、インソールへの拘りを言われていますね。

ワイドモデルではありますが3E相当のようです。

※以前のような4Eや3.5Eといった”幅広モデル”を出すメーカーはなくなりました。

「幅広 = 楽」という簡単な図式ではダメだろうという事で、衝撃吸収といった面に現代の本格志向ニーズを加えた現代的な提案という感じでしょうか。

動画の中で足のアーチには3種類、土踏まず側の内側縦アーチ、外側の外側縦アーチ、拇指球から小指球側にかけての横アーチがあり、それぞれに対応した作りになっているようです。

横アーチに効果を生む1mmのでっぱり

プリンス WIDE LITE III HC インソール

使用感はどうか?

履いた直後の「土踏まずが上がり、かかと部分がボコッと凹んだ」感じ、全体的に地面から浮いた感じは歩いてすぐに解消されてきます。

また、説明が難しいですが、

足先側は、TOUR PRO LITE II HCより小指側外側部への膨らみが大きく、TOUR PRO LITE II HCより外側を下げてある傾きが多少強い

ようです。こんな感じ。

プリンス WIDE LITE III HC 内部の傾き

シューズ幅は変わらないので、アッパー側を締めてソール側を膨らませたワイド感を出してあるのでしょう。(全体的は幅広よりしっかりさが出るはず)

動画の中で説明されている “外側部のしっかりさ” ですが、インソールの立体的な作り、シューズの土台部分のしっかりさもあり、横方向に踏ん張った際のしっかりさはTOUR PRO LITE II HCよりも強く感じます。(TOUR PRO LITE II HCは平面的で裸足で踏ん張る感じに近い?)

シューズの下側、土台部分に使われている素材はTOUR PRO LITE II HCと大差ないと思うのですが、WIDE LITE III HCの方がはるかにしっかりした作りになっているのは触っていても感じます。

プリンス WIDE LITE III HC 後方
プリンス WIDE LITE III HC ソール部

 

良い例えではありませんが、かつてアディダスのバリケードを初めて履いた時の土台のしっかり感に通じるものがあります。

テニスシューズ

このシルエットを見るとちょっと懐かしいですね。

プリンスのテニスシューズは個人的にはおすすめ

テニスラケットではかつての栄光を失っているプリンスですが、テニスシューズに関しては国内でブランドを扱うグローブライド社が「国内向け」に企画販売しているので、他社の「ワールドワイド」で企画製造しているメーカーより「日本人向け」要素が強いのは当然だと思います。

現状テニスシューズではNo.1人気と言っても良いであろうアシックスですが、付属インソールを見てもナイキと同等、ワールドワイド展開ならではのコスト重視感を感じさせる作りです。ぱっと見でもプリンスのものとは大きな差があると感じます。

テニスシューズ インソール比較
テニスシューズ インソール比較

 

細かい部分に拘りがあれば良いシューズ、製造コストがかかっていれば良いシューズという訳ではありませんが「○○社は日本メーカーだから日本人向け」とか「良い評判を聞くから」といった話で分かった気になってしまう、履いてみて問題なさそうだから「このメーカーが一番。他社は全然ダメ」と断言しまうようでは残念です。

ラケットと違い、足に履くという事で各社の製品の違いが大きく感じられるシューズだからこそ色々確認してみるのが大事かもしれません。

テニスシューズの寿命は一般的な利用で1~2年位でしょうか。(日常的に履くスニーカーでも1年位ですよね。) カーペット用シューズは選択肢が少ないし、今回のWIDE LITE III HCのように大きく仕様が変わる事も少ないですがたまに店頭で各社の新製品シューズを試着させてもらってもよいかもしれません。

日本向け企画、インソールの工夫、交換用のシューレース、ハトメ金具など細かい部分でユーザーへの配慮を感じるプリンスのテニスシューズは、あからさまにコストを重視した作りのワールドワイド展開のメーカーの製品より、個人的には「ユーザーに配慮した作り」といった印象を持っています。そういう部分こそ、足型等と違った意味での「日本人向け」かもしれませんね。

2019年9月16日追記

やっぱり少しだけ緩い

インソールがより立体的になっていること、小指側に膨らみが少しだけ増している印象を持つこと等が関係しているか分かりませんが、内部が平べったい、平坦な印象が強かったTOUR PRO LITE II HCよりもWIDE LITE III HCの方が履いていて『少しだけ緩い』です。

私は足型が少し特殊 (足首から指までが長い) なので少し緩め、1cm大きいものを履いていますが、サポーターをつけた右足側がぴったり、付けていない左足側はシューレースをきっちり締めても履いていて緩い感じがします。

もし買われるなら、必要以上に余裕を持ったサイズではなく0.5cmプラスとかの方がよいのかもしれません。(もちろん、試着し、インソールの事もあるので少し歩いてみて確認してください)

アンクルソックスは気をつけて

WIDE LITE III HCは足首周りがミドルカット (ミッドカット)になっています。

プリンス WIDE LITE III HC 側面

そして、私は体型が太めで足が短いので、ソックスはアンクルソックスを使っています。アンドレ・アガシさんスタイルですね。

ここまで書けば分かると思いますが、足首周りが大きく空いた丈の短いタイプのアンクルソックス(シューズを履いた際、外からソックスが見えないタイプ) だとテニスをやっている内にシューズが足に”擦れて”痛くなってきました。

日常でもミッドソールタイプのシューズをあまり履かないので盲点でしたが、アンクルソックスを使用されている方は足首周りがある程度覆われたものが良いと思います。

2020.09追記:同じシューズで買い替えます

購入から約1年経ちましたが、もう1足同じものを買おうと思います。

私の足型が少し特殊という事もありますが、右利きなのでフォアハンドストロークを打つ際に踏ん張る軸足である右足の外側、小指の辺りの内側が削れてきます。

プリンス テニスシューズ

私の場合、ソール (靴底) が減ってしまい買い替えになるよりも、部分的な削れパーツの割れが先に来ますね。

プリンス テニスシューズ

今回のシューズはミドルカットタイプなので、シューズ上部の型が崩れてきてしまい、早い時期にシューレースを締めても「少し開いたまま」な感じになっていました。下は新品(左)と1年程使ったもの(右)との比較。使う事で生地の厚みが無くなり、前部分 (シューレース側) が広がってしまっているのが分かるでしょうか。

プリンステニスシューズ

シューレースの上から留めるバンドなのか、形状的なものなのか、もう少し足首部分を締められる感じが欲しい気がします。

プリンス テニスシューズ

また、以前のモデルでは金属製のハトメだったシューレース (靴紐) 穴がシューズ外装と一体化した樹脂タイプに変わった点ですが、使用の度にシューレースを緩める、締めるにシューレースを繰り返した結果、やはり、周囲が切れてきました。シューレースを締める際に食い込んで位置がズレてしまいしっかり締められませんね。

プリンス テニスシューズ

 

金属製ではないので緩みにくさはあるのですが締めづらさ (紐ではなくアッパーソール全体で締めるイメージなのかもですが) はありますね。

1年使ってきて、製品として改善されれば良いなと思うのは『ミドルカット化による足首部分の緩さ』『シューレス穴の強度』位ですね。それ以外は今まで使ってきたカーペットシューズの中で一番と言って良いほど気に入っています。ソールの構造や作りは以前から大きく変わりませんが、履いた時に『高さ』が出ることによる自然な姿勢矯正インソール、ミドルカットである点が良いです。