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相手コートのラインぎりぎりに打つ事を考える (テニス)

tennis doubles
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ラインぎりぎりに打つ

テニススクールで時々ご一緒する女性でこういった方が居られます。

レベルは中級。ストロークも安定しており、ある程度、自分の意図も持ってラリーを繋げる事ができる。ほぼ雁行陣だが、ダブルスもパートナーと連携した「ダブルスらしい」形も作れる。

ただ、ポイントを決めようとするショットが9割以上位の確率で相手コートラインのちょっとだけ外側にバウンド、つまり “アウト” する

テニス ダブルス アウト

テニス ダブルス アウト

ボレー、ストロークを問わず、ポイントを決めようとしたショットの殆どがアウトになるのは「この方の技術が未熟だから」なのでしょうか?

今回はそんな話です。

ラインぎりぎりに打てても1ポイント

テニスは「コートの隅に打てたら2ポイント、ラインに触る位置なら3ポイント」といったルールではありません。ポイントは1回につき全て1ポイントです。

では、コートの端、ラインに近い位置を狙ってボールを打つ理由は何か?

考えられるものとしては

1. 相手にボールを触らせたくない

2. (1も含め何かしらの理由で)「コートの隅、ラインに近い位置に打ちたい」という心理

等があるでしょうか。

自分から狙って打っている、そう出来る技量はある、ボールがライン際にたまたま行くのではない場合とします。(相手に自分の技術を見せて「気持ちを折る」、「自分の技量で悦に入る」等もありますがそれらも今回は除きます。)

ダブルスの陣形は簡単に攻められないように出来ている

ダブルスにおける雁行陣、平行陣といった陣形は、長い時間をかけてまとめられてきただけあって、

「基本とされる位置に立つだけで相手側コートから見た場合の空いたスペースが “最低限” 埋まる」ようになっている

と思います。良く出来ている訳です。

戦略上これは当然であり、ポイントが始まる時点で大きくスペースが空いていたら相手は攻守しやすいです。

逆に言えば、

「相手2人が基本の位置に立っている限り、あからさまに攻撃できる大きなスペース、狙いやすい部分といったものは存在しない」

とも言えます。

テニススクールでのダブルスだと、雁行陣でも平行陣でも、

「2~3往復ラリーが続くと皆 “つい” ロブを上げたくなる」

のは、こういった攻め手がない不安から逃れたい心理が働くものだと考えます。

Tsvetana Pironkova 1, Wimbledon 2013 - Diliff

自分から攻守に繋がる良い状況を作っていく

あくまで“基本”の話にはなりますが、テニス(我々においてはダブルス)では、

自ら意図を持って選択したボール、配球で自分達が望むべき形、ポイントに繋がる確率が高い状況を作っていく

べきです。

相手から与えられる偶然のチャンスボールをたまたま決めて良い気持ちになっているといつまで経っても

『負けないダブルス、攻守に確率の高いテニス』

が出来ません。

 (『自分が決めた1回のポイント』はその何倍ものミスした記憶を消してしまいます。失敗から学ばなければいつまでもそのままです。)

スクールでよく見る、相手側のミスを自分側もミスで返す、浮いたボールを浮いたボールで返す、「何でそっちに打つの?」というボールなのに相手がそれをミスしてポイント。

そういった「ダブルスらしい展開にならないダブルス」になってしまうのは、

「相手のいずれかがボールを打つ際、ボールに振れる際、毎回予測をし、判断をし、コート上の1人1人が、ポイントが決まるまで攻守のポジションを自ら変え続け、相手を観察し、自分達が望むべき状況を作るため、それに繋がる配球を意図を持って打っていく。」

といった点が満たせていないのでしょう。

ボールの打ち方とゲームのやり方

テニスには「ボールの打ち方」「ゲームのやり方」があると考えています。

前者は突き詰めていくと10cmの違いを打ち分けるようなものでしょう。

出来る事でポイントに繋がる機会はあるでしょうが、我々が普段、50cm、1mという単位でミスしています。現状からの多少の技術向上が絶対的結果の差 (常に負けづらい) に繋がるとは私は思いません。

後者は習うものというより「自分で学ぶ物」だと思います。

ボールの打ち方はボールを打つ経験が必要ですが、ゲームのやり方はコート外での取り組みが理解の深さを決定付けます。

ゲームのやり方(ダブルスのやり方)を理解しないまま行うダブルスは

「サッカーを知らない小さい子どもたちにサッカーの試合をやらせるようなもの」

です。

kids football

ゴールキーパー役の子以外は全員がボールに集まり、自分がボールを蹴ろうとするのは分かるでしょう。攻めも守りもない、それぞれの役割もない、ポジション取りもありません。

テニススクールで習う、目に見える部分の多くは「ボールの打ち方」に関する事です。

ゲームのやり方も練習内容やアドバイスの中で色々教わって居ますが「フォアハンドはこうやって打ちます」といった直接的なもの、即自分で出来るものではなく、コート上で教わるだけだと理解が深まらないのです。

上で書いたような「”ダブルスらしい” 試合内容にならない」のはこのためなのでしょう。

「ゲームのやり方」を自分とパートナーが理解し実行できるようになるだけで、それが出来ていない技量的に格上の人達に対し、安定的に「負けない」ダブルスが出来てきます。

相手の攻守は穴だらけ、チャンスボールが来なければ糸口が掴めないのですから当然です。

技量が上だから、強いボールが打てるから勝つ訳ではないのがダブルスだと思います。

(同じ理由で、ダブルスは2人で攻守するものなので “自分だけ” 出来ても成立しません。でも、「まずは自分が変わる」所からでしょう。)

陣形を崩すのが目的になってしまっている縦ロブ練習

ダブルスを教わる際、早い段階で習うのが「雁行陣で相手の陣形を崩す縦ロブ」です。

後衛が右利き同士ならジュースサイドで縦ロブを上げる事で相手はバック側になり、フォア対バックの縦ラリーの状況を作れます。

テニス ダブルス 縦ロブ

ロブを上げられた側は早い段階でクロス方向にロブを上げ返し、アドサイド側でのバックハンドストロークラリーという「イーブン(対等)」な状況に戻せるというのが一つのセオリーにはなります。

テニス ダブルス 縦ロブをクロス返球

ただ、実際には互いのストロークに速度がない、同じような球威、球種のボールを打ち合う。厳しいコースを狙う技量もまだない。結果、バック側で不利になるはずの相手もフォア側で余裕を持って打ててしまい、

自分から仕掛けた戦術としての “縦ロブ” が「自分達に取って良い状況を作り出せない」

状況になりやすいです。

実際、この練習に参加している方の多くは

「相手をポジションチェンジさせるのが目的。それができれば目的達成。」

といった認識、そういった練習内容になっているのではないでしょうか?

最低限技術があり、ダブルスに慣れている方が相手なら、相手のロブを察知してベースラインから詰めながらドライブボレーかロブカット、そのまま平行陣の状況を作る等したら、それを想定してプレイしていない、相手がベースライン付近から返球してくるボールを待っている前提だった自分は即ピンチになってしまいそうですよね。

そんな事をする人が居ないから気づかない、やらないではその練習内容を設定し、やってもらっているコーチの意図が上達に反映されないでしょう。

相手にボールを触らせたくないからギリギリを狙う

ラインぎりぎりを狙って打つ理由として

「相手にボールを触らせたくない。それも含めてコートの隅、ラインに近い位置に打ちたい」

といった心理があるだろうと書きました。

相手が雁行陣、平行陣等の基本的なポジション取りをしていれば、あからさまに狙える空いたスペースはないので

「コートの端、ラインぎりぎり」を狙わないといけない

といった心理が生まれやすいでしょう。

その状況で「どう打つか」より「どこに打つか」が先に来る事で、直線的なボールにもなりやすく、「まっすぐアウト」という結果にも繋がりそうです。

テニス ダブルス アウト

テニスには予測とそれに基づく判断が必要

テニスには予測とそれに基づく判断が必要です。

テニスコートの長辺 (ベースライン間) の長さは23.77mm。

バッティングセンターでは遅い部類に入る(平均)時速100km/hでもボールはベースライン間を0.85秒ほどで飛んでくる計算になります。

「人の反応速度は速い人で0.2~0.3秒」と聞きます。

このため、相手が打ったボールを確認してから左右に追い始め、打つ準備をし、止まってスイングする等とやっていたら

「単純に打つのが間に合わないか、余裕を持って打てるケースがどんどん減っていく」

のは容易に想像できます。

仮に200km/hのサーブを反応だけで打ち返す、勘頼りに返球しようとしてもまず『良い形、良い体勢』では打てないし、リターンした後の対応も遅れが出そうです。

プロのダブルスを見ると

「いかにも”ダブルスらしい”。細かいきびきびした動きの中でボールを打ち合っているな」

と感じると思います。

Best doubles points of The Championships 2018

次にボールを打つ、ボールに触る相手の位置、体勢、打ち方、視線、その選手の特性、状況、試合中の流れ等々から「次にどのコースにどのようなボールを打ってくる可能背が高いのか」をコート上に居る4人がそれぞれに予測、判断し、常に攻守のポジションを取り続ける事でこのような動きが生まれる

と思います。

相手の打つ位置から自コート側の規定のライン内に確率を保って打てるコースは決まってきます。その扇型の角度を二等分し、半分を自分、半分を味方が担当します。頭上を抜かれなければ後方のスペースを気にするのは適当でないし、相手の状態によって相手との距離を短くしてコースの角度の広がりを小さくするのか、守備的に下がって距離を取るのかといった判断を “都度” し続けます。

テニス ダブルス ボールが飛んでくるコース

雁行陣で最初に教わる「味方後衛が打つから前へ、相手後衛が打つから後ろへ」といった動きがありますね。あれは「ダブルスには攻守があるよ。攻撃と守備、それぞれに適したポジション取りをしないとポイントを失う確率が増えるよ。」といった事を伝えているだけで「ダブルスのやり方を示しているものではない」と思います。

周りの状況を見ながら動いていては時速100km/hのボールでもすぐに間に合わなくなりますが、その段階からどうステップアップすれば良いのか分からないまま、みなダブルスを続けているのが現状でしょう。

だから皆やらない「コート外でゲームのやり方、ダブルスのやり方を学ぶ」という取り組みが必要なのです。

予測に基づく判断で打つコースを決める

互いに雁行陣で後衛同士がラリーをしている状況なら前衛としてはポーチを狙いたい所ですが、相手前衛方向に打つ、ぶつけるように打つのが決まりという訳ではありません。

テニス ダブルス アウト

仮に、相手2人の位置や相手後衛が打つボールのコースや球威が予測できているなら「相手後衛側の手前に落とす」という選択肢もできます。

テニス ダブルス 手前に落とす

予測が出来ていれば、心理的にも時間的にも準備が出来て難しい選択ではないですし、ネット際ぎりぎりを狙う必要もないです。

相手2人に悟られないように準備する余裕もできます。

(あからさまな構えと近づき方をすれば前衛は気づくでしょう)

それで決める必要はなく、相手のどちらかに拾われる前提で、その返球も予測できているので、陣形が崩れて空いたスペースに次に打てれば良いです。

それも拾われる前提でその次。

ポイントが決まるまではその繰り返しです。

相手の打つボールのコース、球種、速度と自分がポーチする際の位置によってその後の良い状況を作る確率のよい選択肢は違ってきます。(セオリーとしてですが)

「ポーチを敢えてセンター付近に配球する」という選択をする場合もあります。

テニス ダブルス 一度センターを突き空いたスペースに打つ

これも「相手に一度返球させ、それにより空いたスペースに打つ」といった狙いに基づいて打ちたいです。強く打つよりコントロールで相手にどういう体勢で打たせるか。

力んでアウトしては意味がないですし、深く打っても相手後衛が追いつける可能性もありますから。

「相手に触らせたくないから相手の居ない所に打ちたくなる」訳で相手に返球させるのは少し勇気が要るのですが、

「相手から自分が望む”良い状況”を引き出すため、それに合う返球を引き出すためにはどういうコースにどういうボールを打つべきか」

と予測、判断して自分の意図で選択しているので、その返球が予測通りでも、仮に予測から外れた返球をされても余裕を持って対処できる。その次にどうするかまで考えられると考えます。

相手に打たせると「速い速度でボレーボレーの打ち合いみたいになる」と不安に思ってもダブルスの上達、経験値の上昇には繋がらないでしょう。

ネット近くでのボレーですから、低い位置、地面に近い位置で返球させれば、ネットを越すために速いボールは打てませんし、柔らかく打てないとコントロールも出来ない、簡単に浮かせてしまってチャンスボールといった展開になりやすいものです。

なお、常に相手も自分と同じく「予測と判断が出来ている」前提で考えたいです。コート上の4人全員が「出来ている」のが基本の状態です。仮に相手が出来ていなければ「自分が有利なだけ」ですからね。

コートの隅、ライン近くに打たなければという心理

繰り返しになりますが、コートの端、ラインぎりぎりに打てても何ポイントも獲得出来る訳ではないです。

テニスのルール

テニスのルールで言えば

相手の打ったボールがネットを越し、自分側のコートの規定のライン内に一度バウンドする。自分はそのボールが2バウンドするまでに間に打ち返さなければならない。(一度バウンドする前でも良いし2バウンド目ぎりぎりでも良い)

といったものです。

相手にぶつける、ミスさせるといったものを除けば、ここでポイントが決まる要件は、

1) 相手が触れる前に2バウンドさせる

2) 物理的に相手が触れない位置までボールを移動させる

の2つになるでしょうか。

相手が追いつけない速度のあるボールを確実に打ち続けられれば良いですが、

「相手もそのボールを予測して準備している」と考えないのは無理がある

し、自分の方がプレッシャーを感じる、確率の下がる選択が前提なのは適当でもないです。

相手が居ない所に打てば良い

当たり前のようですが、相手の居ない所に打てば心理的負担は減りミスもしづらいです。それでポイントが決まれば更に良いですね。

雁行陣、平行陣共に基本状態で無駄に空いたスペースが生まれないようになっているのですが、当然のように皆が、

可能であれば “自らスペースを作れば” 攻撃も守備もしやすくなる

という発想を持ってきます。

雁行陣での縦ロブという選択も、相手にポジションチェンジさせる練習ではなく「相手陣形を崩した先に自分達が攻撃しやすい状況、スペースを作る事が目的」です。

テニス ダブルス 縦ロブ

雁行陣、平行陣の基本となるポジションを取っている状況なのに、何もせずそのまま一発で決めにいこうとするからギリギリを狙う事になり、アウトする機会が増えるのでしょう。

テニス ダブルス アウト

まず、相手を動かし陣形を崩す、スペースと作れば余裕を持ってアウトしないコースに打てる理屈です。

テニス ダブルス 余裕を持って決める

皆、頭では分かっていても

「やり方が分からないから実際のゲームの場で実行できない」

のだろうと思います。

ゲームのやり方はコート外で学ぶ

必要なのは

「ダブルスのポジション取りに対する理解」

「都度の予測とそれに基づく判断」です。

ダブルスのやり方はダブルススペシャリストなプロ選手やコーチが書かれた解説書が色々出ています。

まずは1冊購入して、説明されている事を1つ1つコート上で実行できるようにしたいです。

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こういった書籍はだいたい「読んで満足」してしまいますね。身につけていないのに効果が出ていないとまた別の書籍を買い「積んで」しまう。写真が多く基本を丁寧に解説した分かりやすいもの1冊、コート外で持ち歩き、間の時間で繰り返し読み、コート上の練習で確認していく事で初めて自分のテニスに組み込まれていきます。

練習中の1球の意味づけが1年後の大きな差を生む

「都度の予測とそれに基づく判断」はコーチを含めた他の方と打ち合う機会で身につけたいです。

例えば、練習最初に行うボレーボレー。

相手の打つ状況から、どういったボールが自分のフォア側、バック側、高さや速度で来るか予測しつつ準備する。また、そのボールを、相手のどちら側にどういったボールで返球すれば、次に自分が望む返球をさせられるかも考えて打つ。

相手がどんなボールを打ってきてもそれを予測し常に相手のフォア側の決まった位置に返すでも良いですし、ゆっくりとネットを越してできるだけ低い位置で取らせるボールでも良いです。

ボレーボレーをやると「速い速度でパンパンと打ち合う」「相手にぶつけるように打ってミスをさせよう」「ワザと遠い位置に打ってミスさせよう」といった方が居たりしますが、実際のダブルスでボレーの速い打ち合いをするケースはかなりレアケースですし、チャンスがきたら(予測に基づき)確実に決める、自ら相手を動かしてチャンスボールの状況を作る等が妥当な思考だと思います。反応自慢やイジワルで “コート端の小さい勝負” に勝ってもゲームの中で多くのポイントを失っているのでは意味がない。1回の良い記憶がその何倍のミスした記憶を消してしまう (そもそもミスした理由に気づいていないから重視しない) のでそういたテニスを繰り返してしまいます。周りの皆が皆、そういう状態なら自分が『ダブルスの基本』を身につける意味は大きいですよ。

コーチの球出しのボールを打つ際も、繰り返しフォアに出されると分かっているからと常に同じ高さ、同じ位置で打つ、バーンと強打しアウトではなく、1球ずつ自分なりの設定をする。

「このボールは少し短いからアプローチショットのように打ってみよう。このボールは少し深いから下がって2バウンド目近くで打ってみよう。このボールは少し速度が速く動く時間がないからハーフバウンド気味に打ってみよう。」

といった事です。

コーチが練習内容を説明する際に「ダブルスの雁行陣対並行陣でこういう状況があります」といった説明をされるでしょう。最近は、Game based approachといって「試合の中の特定の場面を切り抜いたような練習を指せる」のが練習の効果を高めると言われ練習内容に組み込まれてきています。昔のように「繰り返しフォアを10球」とった指導はされません。

球出し練習にもコーチが意図した設定がある。特に無くても自分なりに設定を設ける事は可能です。

「アプローチショットを打って1stボレーを打つ」という練習内容なら、相手が雁行陣ならこの位置にこういうボールを打つべきかな?  1stボレーはセンターに打って甘い返球を引き出すか、ワイドに打ってスペースを作るか?

といった自分なりの設定を行うと同じ球出しの1球が上達に直結してきますね。

球出しのコースが分かっているからなんとなく歩いて行ってバーンと強打しアウトかネット、その結果に関係なく次のボレーを打とうとする。そういったやり方との差は歴然でしょう。

練習中に何十回もそういう機会があります。

週一回で年に50回程。同じレベルの方としか練習しないので周りと比べた相対的評価で自分の実力を判断する (あの人より自分の方が上手いとか) のがテニススクールのマイナス面ですが、

その人の意識付けだけで本来は「どんどん差は開く」のが当たり前

なのだと考えます。

我々レベルならボールを打つ技術よりまずゲームのやり方

テニススクールのレッスンでのダブルス。周りを見ても「ダブルスらしいダブルスになっていない」。

ゲームのやり方、ダブルスのやり方が身についていないならそれを学ぶ意味は大きいです。

攻守に “負けない” 確率の高いダブルスができるようになるのですから、多少の技術的差は意味を持たなくなります。(やり方が身についていない相手2人は攻守に穴だらけ。一発狙い、偶然のチャンスが来なければ決められない感じなのですから当然です。)

相手に意図通りに動かすボールを打つ、相手に一度触らせた返球を決めに行くといっても今よりも高いボレー技術が必要な訳ではないです。

自分は位置取りも予測もできているのですから余裕があります。

加えて、

位置取りと予測や判断が根拠として「より高い確実性を出すために必要なボールを打つ技術は?」と考えられるようになるとそれに応じて技術も向上していく

と思います。

ゲームのやり方を学ぶ事が必要な技術を認識させ、自分が出来ないことを減らすことにも繋がるのです。

多くの人にとって上達とは「出来ないことを減らす」取り組み

私は、多くの人にとって “テニスの上達” とは

「出来ることを伸ばす」

事より

「その何十倍も残ったままにしている出来ない事を減らす」

事だと考えています。

バックが苦手だからフォアで打とうとする。ボレーが苦手だから平行陣を使わない。同じ理由で同じミスを繰り返しているのに「調子が悪い」みたいな反応をする。

フォアハンドストロークで打つボールの威力が多少上がっても相手は苦手なバックハンド側ばかり狙ってくるなら意味がないですね。

苦手なショットがない。どこに打ってもまるで気にしないように返球してくる。まるで壁みたいだ。どこに打ったらいいか分からない。ただ “強く打つ” しか選択肢がない。

そう思われたら相手はやりづらいです。

テニスは心理面が大きく影響を与えるスポーツですから

「ボールに触らなくても、ただ “立っている” だけでも相手がプレッシャーを感じる」

意味は大きいです。

(だから、雁行陣の後衛同士が打ち合っている際、前衛がボーッと立っている、なんとなく前後に動いているとった状況は「前衛の怠慢」です。メリハリを付けたポジション取りで相手構成にプレッシャーを与え続ける必要があります。)

圧倒的な数残ったまま目を向けないようにしている「自分が出来ないこと」を減らせば “確率のスポーツ” であるテニスでは大きな意味を持つでしょう。

少しまとまりがない内容になってしまいましたが、ゲームのやり方を学ばない、意識して自分のテニスに組み込む取り組みをしないまま、何も考えず、工夫も行動もせず、その場の状況を見て “バーン” と一発狙いみたいなダブルスをやっていても「確率が低いテニス」なままです。

ある程度、狙って打てる技術があっても確率の低いテニスでは結果には繋がりません。

ゲーム、特にダブルスのやり方を学ぶ、身につけようとされる方が多くない状況、レッスンで行うダブルス練習でも設定される練習内容を理解しようとしないままなんとなく打っている状況だと感じられるなら、それを身に着け実践していくだけで、テニスの技術的には大きく変わらなくても、もっと簡単にゲーム、ダブルスが出来、負けにくい、確率の高い内容でプレイできるだろうと思います。

『ボールを打つ技術』以外に自分のテニスを上達させる要素が気づかないまま残っている

といった感じですね。

現状やってないなら、考え、取り組んでみたいです。

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