PR
スポンサーリンク
スポンサーリンク

片手バックがかっこいい!! ステファノス・チチパス選手 (テニス)

ステファノス・チチパス選手 

最近、試合結果映像などで活躍を見るようになった選手がステファノス・チチパス選手です。

ギリシャ出身のプロテニス選手、2018年6月25日現在のATPランキングは35位です。

年齢は最近注目が上がっているシャポバロフ選手と同じ19歳で、いわゆるNextGen組の一人になります。

tsitsipas

因みに (1~2歳の違いを分ける意味はないでしょうが)100位内で20歳以下の選手はシャポバロフ選手、ルブレフ選手、チチパス選手、ティアフォー選手、デミノー選手の5人だけ。

25歳以下の選手でも100位内に26人しかいません。

ずっと言われていますが、若手には厳しくベテランの層が厚いかというATPツアーの現状でもあります。

2006年以降グランドスラムでフェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレー以外が優勝した大会は5大会しかありません。実に”5/50″。それもワウリンカ選手が3大会ですからそれ以外はデルポトロ選手とチリッチ選手だけです。

お名前のStefanos Tsitsipasについて、ステファノスは何となく分かりやすいですが、Tsitsipasは「ツゥシパース」といった風に聞こえます。

 How to Pronounce Stefanos Tsitsipas

国内メディア等でも使われていて書きやすいので私は「チチパス」を使いますが、他には「シチパス」の表記もあります。

ラケット契約をしているWilson (Japan) のアカウントでは「ツィツィパス」と表記しているようでした。

片手打ちバックハンド

チチパス選手はジュニア世界No.1、ウィンブルドンジュニア優勝等経て2016年にプロ転向しています。身長は193cm、右利きですが、プレイを見て目立つのはやはり片手打ちバックハンドであることです。

tsitsipas

ご両親が元プロテニスプレイヤーでその指導を受けてきており、片手・両手を試したそうですがコーチ(ご両親)と相談して決めたそうです。(お母さんも片手打ちだとか)

また、彼のアイドルがロジャー・フェデラー選手だったのでその影響も大きいとインタビューで話されています。

チチパス選手の片手打ちバックハンドの秘密

他、インタビューの中では、片手打ちの利点と考えるのはスライスへの連携がやりやすいこと。強く狙った所に打つにはグリップが重要、自分はフォアもバックもグリップを厚くしていないのでグリップチェンジにも時間を取られない。

多くの両手打ちバックハンドの選手と戦うには自分ができることは全て行うべきだし、どんな時も自信を持って打てること。片手打ちバックハンドで出来ることに限りはない (片手打ちだからできないと考えない) から時間をかけてどうプレイすべきか考えること。

対戦相手の多くは回り込んで逆クロスのフォアを打ってくる、同時にフォア側を大きく空けているのでそれをストレート(ダウンザライン)に切り返すのは重要なショットとなっていると言われています。

チチパス選手の片手打ちバックハンドは美しくてかっこいいです。

フェデラー選手に憧れていたという話からも打ち方にフェデラー選手の影響を感じます。(振り出し時の手の位置、振り上げ方など。)

tsitsipas

単純にフェデラー選手に似ているという訳ではなく、同じく影響を受けているのだろうと思われるディミトロフ選手と打ち方が似ていると言えばより伝わるでしょうか。

dimitrov dimitorv

Stefanos Tsitsipas backhand Slow Motion

一時期に比べて復権してきているATPツアーにおける片手打ちバックハンドですが、復権してきたのには理由があります。

単にフェデラー選手やワウリンカ選手、ティーム選手が結果を残しているからマネした若手が伸びてきている訳ではないということです。

それまでバックハンドは片手で打つもの(力の無い女性等が両手で打つ)という認識が、20数年前、道具の進化とトップスピンの浸透から両手打ちバックハンドが席巻し始め、一時は「片手バックハンド不要論」に近い一般認識もありました。

ただ、男子テニスは進化の歴史です。200km/h超サーブを打つビックサーバー、それをリターンする技術、強力なスピンと140km/h超の速度を合わせ持つストローク、時間を奪う戦術、使い方を変えてネットプレイが使われるようになる。新しい存在が現れても1~2年で同じ事を出場選手全てが出来るようになります。

両手打ちバックハンドの選手と打ち合って通用しなくなった旧来からの片手打ちバックハンドではなく、欠点を解消し進化した現代的な片手打ちバックハンドが研究、広まる中で片手バックハンド本来の強みを活かす使い方も浸透してきているのでしょう。

フェデラー選手はその筆頭、片手打ちバックハンドの進化を体現していると考えています。左利きのナダル選手に必要にバックを攻められスライスでかわすしかなかった頃とナダル選手のフォアと打ち合っても打ち勝ってしまう今との違いを見れば分かります。

そういった進化の中で台頭してきているのがティーム選手であり、シャポバロフ選手やチチパス選手なのでしょう。 

我々がテニススクールで教わる片手打ちバックハンドの打ち方は私が知る限り20年以上前から変わっていませんね。

それで相手が回り込んで打ってくるフォアと打ち合えるとも思えません。ラケットもガットも進化してストロークの速度・回転量共に素人レベルでも桁違いに上がっています。

男子プロの片手バックハンドが進化していても、一般レベルではなお「片手打ちバックハンドなんて…」と言われてしまう状況は続いています。

プロ選手の片手バックハンドを参考 (マネではなく、どうやったらああいう打ち方になるのか身体の使い方、力の伝え方等から考える) にして工夫したい所です。

ギリシャ彫刻みたいな風貌

出身がどうだからという訳はないですが、風貌がまさにギリシャ彫刻みたいな感じです。(お母さんは旧ソビエト出身だとか。彼自身はギリシャ語、英語、ロシア語が話せるそうです。)

tsitsipas

tsitsipas

顎ヒゲなど試合中の写真はワイルド感がありますが、インタビュー等を見ると19歳らしい明るさも見えます。

Stefanos Backstage Tsitsi-pass (動画- バックステージパスと名前を掛けてある?)

A FUTURE FOR THE TOMORROW

プレイスタイルは割とオーソドックスだけど 

チチパス選手のプレイスタイルは割とオーソドックスだと思います。表現するなら『対戦相手に合わせて、相手のボールを拾いまくってラリーの流れを作り、チャンスが来たらフォアやバックの一発で仕留める』といった感じ。

地味に見えますが、エースを連発するビックサーバーでもナダル選手のような特別な武器がない殆どの選手がこういうプレイスタイルを取っています。

上位で言えばゴファン選手、カレーニョ・ブスタ選手、チョリッチ選手辺りですが、その上位互換がジョコビッチ選手という感じです。

ナダル選手、フェデラー選手、ジョコビッチ選手、それぞれプレイスタイルは違いますが相手を自分の流れに引き込んで自分の思う試合の形にしていく、相手は対等に挑んでいるつもりでも知らぬ間にそれに引き込まれていく戦い方です。

ジョコビッチ選手は突出した武器がなくても「精密機械」と言われたコントロールで試合の1球目からマッチポイントまでを自分が思うように演出して勝つスタイル。

上で上げた3選手が成績を残しているのも根性や意地で勝ってきているはずもないですね。

話を戻しますが、私がシャポバロフ選手よりチチパス選手の方を買っているのはこのオーソドックスでまとまっている点です。

シャポバロフ選手は片手打ちバックハンドのウィナーなど目につくショットが多いのですが、打ち方自体もプレイスタイルもトリッキーな部分があります。

簡単に言えば「試合中に気持ちが乗ってくればいいプレイができるけど…」という感じ。若さからか確率の低い選択を選ぶケースもあります。

サーブもフォアハンドもプレイスタイル自体もまだまだ練磨が必要に感じます。

tsitsipas

一方、チチパス選手は同様のプレイスタイルを取る多くの選手同様、全体的にまとまりを感じます。悪く言えば”こぢんまりとまとまって居る” 感じかもしれませんが、それを土台に結果に繋げるのが各選手のセンスです。

※ただ、この所の活躍と若さから試合中に無理のある一発を狙うケースも出てきました。判定に不満そうな顔を見せたり、試合中の態度に対戦相手が怒る場面もあります。これも若さでしょうか。逆にシャポバロフ選手は経験の蓄積からか試合中の落ち着きが増しています。ラインギリギリに収まる強いストロークも “無理のある一発狙い” から “コントロールできている中” で決められるように変わってきています。バックに比べて弱い印象だったフォアも強くなり、サーブも切れも一層増しています。強豪と対戦を続ける中で選手は成長するという事でしょうね。

チチパス選手のサーブやフォハンドは十分強力ですし、いろんな場所からしっかりと狙って決められるバックハンドは魅力的です。左右に振られても拾いまくる19歳らしいアグレッシブさも見えます。(その辺はシャポバロフ選手も同様ですね。)

高く弾み、バウンドも変わるクレーコートで片手打ちバックハンドを打つのは難しいと思いますが、クレーが得意なティーム選手のように (チチパス選手がインタビューで言うように) 戦い方次第なのだと思います。

Dominic Thiem vs Stefanos Tsitsipas – Round 2 Highlights I Roland-Garros 2018

Tsitsipas v. Medvedev Miami Open 2018 R1

知名度からかまだまだYouTubeで公開されている動画は少ないです。シャポバロフ選手も多くないですがチチパス選手よりは名が知られて今年になり徐々に増えてきました。 

自身のサイトとYouTubeチャンネルまで持っていたりする

サポートするマネジメントがしっかりしているのはトッププレイヤーの証という感じですが、チチパス選手はTwitterやInstagramだけでなく、Facebook、自身の専用サイト、YouTubeチャンネルまで持っています。

Twitter

Stefanos Tsitsipas(@steftsitsipas)さん | Twitter
Stefanos Tsitsipas (@steftsitsipas)さんの最新ツイート Professional 🎾 player from 🇬🇷 Vouliagmeni, Greece

サイト

Stefanos Tsitsipas
The official website of Stefanos Tsitsipas

YouTubeチャンネル

Stefanos Tsitsipas
Sharing with you the best moments and experiences I gain on my tennis journey.

トッププロでも公式に公開されている情報や映像は本当に少なく、ファンが投稿した現地での練習映像、プロと親しい人が一緒にイベントをやる動画から「○○選手が新しいウェア、ラケットを使ってる」と広まる事が殆どです。

プロ自身の慈善団体(ファウンデーション) か自身のブランド販売(人を雇って専任のスタッフをおける) 以外だとこういう運用を続けるのは大変だと思います。

日本人プロだと、練習風景か、単なる試合結果報告、大会先の風景&何か食べている写真や動画位ですよね。

テニスをする、試合で勝つことが仕事なのでSNSやブログ、YouTube等はピンと来ないかもしれませんし、タレントさんの1日1投稿するのが仕事みたいなのも目的がズレていますが、ノウハウのを持つ委託先含めマネジメント契約してはとも思います。

それで試合に勝てる訳ではないですが知名度を上げる取り組みがなければファンもスポンサーも付かないでしょう。

錦織選手しか取り上げないマスコミに文句を言っても…ですね。

ウィンブルドン、全米シーズンでの活躍は期待できる?

ATPツアーのサイトでデータを見ると、チチパス選手の得意なのはやはり“クレーコート”なようです。通算で11勝8敗。

ギリシャもイタリア同様クレーが盛んなイメージがあります。

これがハードコートだと通算9勝15敗になっていますね。(今季も5勝8敗)

クレーに比べてボール速度が上がる点にプレイスタイルが合わせ切れていないのかもしれません。

全米で勝ち残るのは少し厳しいでしょうか。

これから始まるウィンブルドンですが、芝の成績は通算3勝3敗です。

ただ、今季だけで言えば3勝2敗。芝は別モノという感じでしょうか。

調子が上がっていることもあり活躍を期待したいです。