カーペット用テニスシューズ
外のコートを借りてテニスもやっていますが、通っているテニススクールは室内コートなためカーペット用シューズを着用する必要があります。私がこれまで使ってきた順番から言えば、ヨネックスの4Eタイプ、プリンス、ダンロップ、プリンス、Wilsonという流れです。
直近のWilsonはクッション性がほぼないダイレクトに足で地面を支える感じが好きで使っていたのですが、2年程前のモデルチェンジを機にカーペット用(HC用)の販売を終了してしまいました。元々シューズでシェアの小さいWilsonが更に小さいマーケットであるカーペット用を続けるのがしんどかったのでしょう。母国である米国にはカーペットコート市場はほぼないと思いますし。
今回、そのWilsonのカーペット用シューズを消耗に伴う買い替えることにしました。
最初はヨネックスの幅広(4E)タイプを履いていた
テニスを始めた頃はヨネックスの幅広でクッション性の効いた感覚が心地よいと感じて3足位続けて履いていたのですが以下のような点が問題になってきました。
1.動いているとグラグラし、クッション性でフワフワする。
レベルが上がるにつれて、しっかりとシューズを履き紐を締めていないと動きと足の定まりが釣り合わなくなってきました。幅広タイプだと走って止まった際にシューズの中で足がグラグラしてしまいますし、ヨネックスの特徴である走った際の衝撃吸収性 (卵を落としても割れないというヤツ)が逆に「走っていても足がフワフワする」感覚に繋がってきます。砂地を裸足で走るように“走りづらい”と感じてきたのです。
2.時代の流れでシューズの”スポーツ性”の部分が協調されてきている。
10年前は皆「自分は幅広だ。」「幅広タイプの方が楽でいい」と言っていてカーペット用シューズではヨネックス独り勝ち状態だった気がします。
ただ、日本人で3E以上の幅広足の方は1割も居ないそうで、シューズ自体も時代の流れでオールコート用を中心に「元々足裏には脂肪や筋肉があり走る際の大きな衝撃を受け止める力がある。(裸足で走れるのがその例) 下手にシューズ側にクッション吸収性を持たせるのではなく、足の機能や構造を活かしそれをサポートする方向でシューズも設計されるべき」という思想に各社変わってきています。
今やヨネックス以外のメーカーは”走る際の衝撃吸収性”をメリットとしてうたっていませんし、ヨネックス自体以前程目立つ表現をせず、同時に4Eサイズのシューズもラインナップからなくなってしまっています。
スポーツ用シューズという機能性からすれば順当な進み方ですし、以前は「普段履いているスニーカー同様、履いてて楽な方がいい」という考えの方ばかりだったのがシューズに対してしっかりと考えるようになってきていてよいことだと思います。
カーペット用シューズは選択肢が少ない
現状、国内でカーペット用テニスシューズを販売しているのは、ヨネックス、バボラ、プリンス、スリクソン、アシックス、ミズノといったところです。スリクソンとミズノは最近加わった感じですね。
各社が販売しているカーペット用シューズは、オールコート用やオムニ用のラインナップからすれば、中・下位モデルのソールをカーペット仕様にしたものが殆どです。
これらの中で他サーフェイス用の上位モデルと共通した機能を持つのはプリンスとミズノ位ですがその分値段もお高めです。(他メーカーのカーペット用シューズが7,000~9,000円位の実売価格だとすれば、プリンスとミズノは11,000円台位)
私は以前プリンスのカーペット用シューズを履いていましたし、ミズノのカーペット用シューズも作りはしっかりしていて興味はあります。
ただ、今回はWilsonのシューズからの変更なのでこれらに戻してしまうのも何か面白くない気がしました。(基本、人と違うものを使いたいのです。。)
オールコート用シューズを履く人も居る
カーペット用シューズは選択肢が少なくデザインも限られてしまうのと、用途別に複数シューズを持ちたくない等の理由もあり、カーペットコートでもオールコート用、時にはオムニ用シューズを使用する方も時折見ます。
ただ、カーペットコートの質も様々で、毛足の長さから硬さ、滑りやすさ(滑りにくさ)を踏まえると、ソールに溝があり、ゴムの歯が噛むように地面にひっかかるオールコート用のシューズを履くのは「転ぶ危険性がとても高くなる」と思います。
カーペット用シューズはソールに細かい溝がないタイプがほとんどで、コート上で止まった際にほんの少しだけスライドする前提 (?) になっています。
このスライドがないとカーペットの毛足に引っかかって転倒してしまったりするのです。ハードコートより摩擦が高い、引っかかってしまうと思えばいいかもしれません。
最近は室内コートが増え、カーペットコートの材質や毛足の長さも以前とは違ってきています。「オールコート用テニスシューズでも大丈夫」という所もありますがケガをするリスクや走り方をいちいち気にしながら動くのは合理的ではないです。従って、(そのコートがカーペット用を推奨するなら) 安価な製品でも専用シューズを使用した方がよいと思っています。
NIKEのカーペット用テニスシューズ
前置きが長くなりましたが、今回、NIKEのテニスシューズ『ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー (Zoom Vapor 9.5 Tour)」のカーペット用を購入してみました。
日本では売っていません
前述したようにNIKEは国内でカーペット用のテニスシューズを販売していないのでこのシューズは国内では売っていません。今回も海外のテニス通販サイトであるTennis warehouseのEUサイトから購入しました。
Tenniswarehouseも米国サイトで売っているのは全てオールコート用のようです。クレイとかカーペットとかそういう選択肢や記述自体が存在しません。
一方、EUサイトの方はお国柄というか室内コートも多いのでしょう。NIKE以外でも、ヘッド、K-SWISS、アシックス等のカーペットシューズを販売しています。(実はWilsonも売っているのですが私が使っていたのとは仕様が違います。)
購入価格とか
購入価格は98.24ユーロでした。日本円で12,850円位です。価格からすればプリンスやミズノのカーペットシューズよりも高いですが、ズーム ヴェイパー 9.5 ツアー自体が12,000円位で販売されているので妥当なのかなと思います。
ただし、ヨーロッパからFedExで送ってもらうのでその送料が36ユーロ(4,700円位)かかります。また、まだ請求書が届いてないのでわかりませんが、シューズはウェアと同様に関税がかかるならもう+1,500円位かかるかもしれません。
つまり、シューズ1足だけ買うのではあれば2万円近くかかることになり、日本にないカーペット用シューズを購入したいからと言って費用がかかりすぎるかもしれませんね。私はラケット他、何点かを一緒に購入しました。
カラーは他に白・青のものもありました。
スクールで利用するならこちらの方が無難な気がしますが、あの色を使ってみたかったのです。
他にAir Zoom Ultra のカーペット用シューズもありました。
シューズの内容
NIKEのシューズに詳しいわけではないですが、ソール以外はオールコート用などのズーム ヴェイパー 9.5 ツアーと全く同じだと思います。
違いは完全にソール部分とソールからサイドに上がってきている部分だけです。
ソールは多少 “ゴム感” が強いですね。
使ったことがある方は少ないでしょうが、Wilsonのカーペット用シューズ(HC用)はソールに多少溝(凹凸)があり、オールコート用のようなゴム感がソール全体にありました。
気を付けないとカーペットコートでは『ひっかかる』危険性がありますが、Wilsonと違いこのズーム ヴェイパー 9.5 ツアーのカーペット用シューズには溝(凹凸)がないことと、触った感じ、新品時のゴム感(ひっかかり感)は使っていれば少なくなっていくであろう気がします。(新品のオールコート用シューズもゴム感があり、触るとひっかかる感じがしますよね。)
実際に履いてみた感じでも国内で販売されているオールコート用のズーム ヴェイパー 9.5 ツアーと変わらないと思います。以前店頭でためし履きした際、多少小さく感じたのと、今回、初めて購入するリスクこともあり1サイズ大き目の28cmを購入しました。つま先が少し余りますが甲からくるぶしにかけてが多少狭く感じるので大き目を紐でしっかり締める方がいいと思いました。
履いた際に地面から高さがある、つまりソールがそれなりに厚いと思うので、動いた際の目線の高さは最初慣れが必要かもしれません。
クッション性はそれなりに感じますがフワフワした感じはないですね。硬いという感じでもないです。
まだ、届いたばかりで実際コートで使用してはいませんがおそらくWilsonに近い感じで使えるのではないかと思っています。
室内コートで履くと目立ちますね
カーペット用コートでこのシューズは目立つと思います。
ズーム ヴェイパー 9.5 ツアーを知っている人は全員 “オールコート用” を履いていると思うでしょうね。
スクールに通っているとフェデラー選手のファンの方で全身フェデラー仕様のウェアを着ている人が居たりしますが、こだわりが強すぎてシューズはオールコート用のNIKEを履いていたりします。そこまでこだわりのある方ならこのシューズを買う敷居は高くないかもしれません。
ちなみに、ソールの注意書きには日本語表記もありました。
販売数的に商売にならないでしょうから国内販売されることはないでしょうが、欲しいと思う方はそれなりに居るのだろうなとは思います。