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海外正規品のラケットって問題ないの? (テニス)

テニス用品の海外との価格差

海外で売られているラケットの価格は国内での価格に較べてかなり安いというのは結構知られている話だと思います。国内の店頭価格で2.8万円位のラケットが海外の通販サイトなら160$位だったりします。

これは流通ルートの違いなので、メーカー – 国内代理店 – (卸) – 販売店といった流通契約の中で価格が決まっており、「日本市場が独特だからと儲けのためにどこかが値段を釣り上げているはずだ!!」と不満に思うのは少々筋違いだと思います。

ただ、どうせ買うなら安い方がいいと考えるのは当然なので、海外の方が値段が安いという情報だけを見聞きした人が「値段が安いらしいけど海外正規品って買っても大丈夫??」といった質問をされたりします。

海外正規品の意味って何?

そもそもラケット等を販売するにあたり「海外正規品」という表記をしている所は「自分はメーカーや代理店と正規の販売契約をしていませんよ!!」と自分でアピールしているようなものです。

そういった所から購入すると商品に対するメーカー保証がありません。(友達から未使用のラケットを買うようなものですから。) 製品に不良(印刷ズレとか、重さがスペックと極端に違うとか)があったり、破損したり怪我をしたりしても文句は言えないだろうし、最近はあまり聞きませんが「偽物」というケースもあります。

でも、海外正規品を買おうという言う人は保証については誰も気にされないと思います。製品不良なんてそうはないですし正規品という位だから壊れるはずがないという考えでしょうね。通販で買ったりするのに慣れていない方が気にするのは「偽物」かどうかですがサイトなり会社なりがどれだけ信頼できるか(長く続いているかとか)で判断するしかありません。 

海外正規品を買うのは問題ないのか?

個人的に思うのは、「値段が安いというメリットだけ受けたいと考えるのは身勝手だろう」ということです。

時代が時代ですから、海外の通販サイトで商品を購入してDHL等の国際便で直接送ってもらうことに対する敷居はかなり低くなっています。オーダーはできてもトラブった際の対応が嫌と言っても大手の通販サイトであれば英語が苦手な海外の人とのやりとりも慣れており製品の品質も問題ないはずです。(オーダーと違った内容で届くことはあるそうです。でも、送り返さなくていいよと言われて正しいものが届くとかそんな対応らしいです。)

国内の販売店の店頭で買おうが海外の通販サイトで買おうが “どちらも正規ルートの製品です” から、海外から直接買うという選択はあっても構わないと思うのです。

国内の販売店等にとっては海外通販で買われるのは残念でしょうが、正規ルートで扱うことによる価格差はどうしようもないのでそれ自体に文句も言えないだろうと思います。

ただ、ラケット等の値段の違いの話になると必ず出てくるのが、「海外から購入するのが不安だから、英語ができないからと、国内サイト、日本語のサイトで “海外正規品” とうたって販売している商品を購入しようとする」ケースです。

民主主義の市場原理ですからそういう商売をする会社があるのは否定しません。ただ、買うなら最低限、正規ルートで買うルールは守りたいとも思いますし、『英語が不安、海外から届くのが不安』とか言っている位ならラケットの価格差くらいガットを2回張り替えれば消えてしまうのだし、ラケットだけ安く買ってもどうせ店頭で張替えをしてもらわないと使えないのだからその店舗の売上に貢献してあげてお付き合いを作っておけばいいと思います。

以前とは違い、Amazonでも普通にラケットを買えるようになってきています。

以前はAmazonだと販売されている数も種類も少なくとても購入の選択肢に入る感じではなく、「海外正規品」を国内で買うなら楽天かオークション出品かといった感じでした。

Amazonでも「海外正規品」と表記されたラケットは「非正規ルートでメーカーや代理店との契約なく販売している」だろう出品者です。(繰り返しますがそういう販売形態がある事自体は否定しません。)

値段だけに注目して “海外正規品” とうたったラケットを買う人に限って、届いたラケットが本物かどうか不安で周りの人に聞きまくったり (人によってはお店に持っていってこれ本物ですか?とさりげなく聞いたり….)、そういうリスク込みで買ったはずが少しでも疑問が生じたら声高に文句を言いまくる人だろうと思います。 

販売店とどう付き合うのか? (ショールーミングとか)

また、家電量販店等でも問題となっている「ショールーミング」もテニス用品についても顕著になっていると思います。

ショールーミングとは店頭で商品だけ確認し、店員に散々質問したりした上で購入は値段の安い通販等を利用する行為です。販売店は単なるショールームになっており、商品に関する説明までしても売上には結びつきません。

悪気はなく結果的にそうなったケースもあるでしょうが、1度でもやった事がある人は商品の種類に限らず次もそうしようと考えるはずです。(自分にはメリットばかりですから。) テニスシューズ等は実際に履いてみないと分からないので、店頭で試着だけして通販で買うという人は結構居ると思います。

たまに「バッグ、ウェア、シューズを買いたいんだけど品揃えの豊富な店を知りたい」という質問を某大手Q&Aサイトで見ると「商品だけ見比べて買うのは安い所で買うんだろうなぁ」と思ってしまいます。 

日本のテニス業界 (テニス用品、組織、スクール、書籍等々)

昨今は錦織ブーム、テニスブームと言われますが、テニス用品店はどこも売上好調とはいっていないと思います。一部のラケットメーカーが好調な位でしょうか。テニス用品のビジネスに限らず、日本のテニス業界 (組織、スクール、書籍等含めた全体) が長年の積み重ねで動脈硬化状態なのだろうと思います。

参考にできる前例に“国内のゴルフ業界” があります。

バブル以降のゴルフブームが終わり、プレイヤーの高年齢化とリタイア、道具が売れない、大会も人が集まらない、日本のプロ選手が活躍できない、人気がない。色々問題が蓄積される中で、(協会もメーカーも関係者も) 誰もリスクを取ってイノベーションを起こそうとはしません。私はゴルフは素人ですが、市場縮小が進む中で問題先送り、自分達は現状の中で何とか生き残ろうということだけに感じます。

今の錦織ブームも、日本のテニス界が何かして起きた訳でも、今ブームだから何かができている訳でも、今後に向けて何かしている訳でもない気がするので、ブームが終わったら元の “やったことがある人は多いけど何となくマイナーなスポーツ” に戻るだけでしょうが昔と違うのは海外の情報を消費者が直接的に入手できるようになっていることで業界が国内だけのルールで消費者を縛るのは無理だろうと思います。

本当に例えばの話ですが、Tenniswarehouse.com等の海外大手テニス通販サイトが日本のAmazonの中で直接販売する窓口を立ち上げたらどうなるだろうかと思います。(日本の代理店は反対するでしょうがそこはAmazonですから。日本で窓口となる会社が出てきたりすれば全くないとは言えません。) 

テニスを続けるためにテニスを守ることを考える

ただ、消費者も最低限 “正規のルール” は守って買い物をするようにしないと、国内ルールが消費者にメリットがある形で変わるきっかけさえ奪っている。結果、消費者にデメリットとなる形で跳ね返ってくることになりかねないのではと思います。

国内価格が残念に思うなら海外の大手通販サイトで試しに買ってみればいいだろうと思いますし、ガットをマメに張り替えたり週に何度もテニスをやる位お金をかけている人なら数年に1回購入するラケットですから店頭で購入してみたらどうかとも思います。