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男子テニスの次世代No.1は誰になる? (テニス)

No.1

ビック4時代の終焉か?

ビック4と言われるフェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレーの時代が終わりつつあります。

年齢も上がり、一段上の年齢であるフェデラー選手は怪我や体調もありフルシーズンをトップギアで戦うのは難しくなっており、以前なら考えられなかった怪我を理由として欠場も目立つようになりました。ツアー参加は続けるでしょうがランキングよりよい試合をできるかという点がファンの関心になる気がします。

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ナダル選手は明らかに体の動きが悪くなっています。試合中のポジション取りや移動のスムーズさ、以前の滑らかにコート上を走り回っていた印象がもう4-5年はありません。皆がボールの威力に注目しますが、私にはボールの威力は最盛期の80%位は出せている気がします。気になるのは”動けていない”という点です。

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復活、復活とマスコミは書きますが、本人も高いレベルで試合がしたいと思っているでしょうが、No.1を取るとかそういった次元ではもう考えてないのが正直な所ではないかと思います。

ジョコビッチ選手は過去2-3年の “100%超のブースト状態” を出し切ってしまった感があります。生涯グランドスラムも達成したし年齢も上がってきた。フェデラー選手、ナダル選手が対抗できない中、一人勝ちの状態だった等、色々な要素が混ざっていると思いますが、精神的に出し切ったという部分が急激な状態悪化 (一種のバーンアウト) を招いていると思っています。技術的に何かすごく変えてNo.1になったという訳ではなく、どちらかというと気持ち (結婚とか生涯グランドスラムが見えてきたとか、ベッカーコーチの存在とか) が押し上げた部分が大きかったと思うので、この年齢で一旦落ちてしまった状態を再度以前のレベルまで上げるのは困難かもしれません。

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分かりませんが錦織選手がユニクロから他ブランドに移る可能性も出てきたので、ジョコビッチ選手今後の状態如何ではユニクロがテニスのスピンサードから撤退する可能性もあると個人的には思っています。

という訳で、以前にも書いたように、今年2017年のATPツアーはマレーを軸に回るはずです。マレー選手は地味にジワリジワリと強さを増してきました。腰の手術以降は体調も安定しているように見え、体もフィットできています。モレスモコーチ、ビョークマンコーチを招聘して改良すべき点を模索し、フェデラー選手が今後のテニスが進むべき像を見せたように思えるSABRや効果的にネットを使う攻め方などを普通に取り入れているのは正直マレー選手だけに見えます。攻めが遅い防御型であることがマレー選手を第4の男にしていた訳ですから、自分の強みを活かしながら計画的に攻める技術を強化しているマレー選手は”本物の強さ”でNo.1になったと言えます。

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男子テニス界の次世代No.1は誰になるか?

さて、前置きが長くなってしまいましたが次のNo.1は誰かという話題をよく聞きます。現在のランキングや実績から言えば、ワウリンカ選手、ラオニッチ選手、錦織選手、チリッチ選手、キリオス選手、ティエム選手、ディミトロフ選手とかその辺りの名前が上がるでしょうか。

実際、マレー選手、ジョコビッチ選手の今後の状態によっては、短期的に1位になってもおかしくないと思うのは、ワウリンカ選手とラオニッチ選手です。特にラオニッチ選手は可能性がそれなりにあるのかなと思っています。

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あくまで個人的な意見ですが、錦織選手が “他選手達の調子や引退などが絡んだ暫定的な状況でもNo.1になるのは難しい” と思います。

やはり安定して決勝まで勝ち上がるにはサーブ力は欠かせません。ナダル選手のような圧倒的なストローク力で勝つ事もできますが、試合の進め方で勝つタイプの錦織選手がNo.1になるのは他選手との兼ね合い、タイミングがよくてもかなり難しいかなと思っています。18歳でツアー優勝し注目され始めた錦織選手も今年で27歳です。今のハイレベルな状態でツアーを回れるのは2年位かもしれません。

アレクサンダー・ズベレフ選手が次世代No.1のダントツの筆頭

さて、短期的な話ではなく、次世代のNo.1、ある程度長い期間で王者に君臨するのは誰という話になれば、現状で見れば、私はズベレフ選手一択だと思っています。

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 ズベレフ選手を評価している理由は “体格も含めたバランスの良さ” です。

身長は198cmと長身ですが、サーブだけ、ストロークだけといった偏りがなく、どれも均等にこなします。フットワークも動けているし、目につく弱点がないのです。(課題となるのはサーブと精神面も含めた試合運び。ただこれは改善可能だと思う。)

ズベレフ選手のストローク練習


20歳前後の若手選手は、腕っぷしに任せて体をあまり有効に使わないような打ち方が多い印象ですが、ズベレフ選手はきちんと移動し、体の軸をブラすことなくしっかりとラケットが振れています。こうやって打てるのはどう体を使えばいいのか分かっているということ、また、体自体も強いのだろうと思います。(後、真面目なんだろうと。)

まだ若いので試合中に表情に出すこともありますが、立ち姿に気品があるし、表現が正しいかわかりませんが「フェデラー選手が若かった頃。サンプラス選手とウィンブルドンを戦った頃の雰囲気に似ている」と思っています。

ズベレフ選手のインタビュー

私は、選手が若手の頃の雰囲気は、結局、トップ10に入れる位に上がってきても結果に影響すると思っています。気分屋な選手は安定して結果が残せませんし、(誰もが持つ)精神的に弱い面がある選手も継続的に勝ちを拾う事ができません。ビック4を呼ばれる4人を見ても他選手達とは精神状態のレベルが段違いな事を度々感じます。

ズベレフ選手の性格もあるのでしょうが、少々神経質な面もありますが落ち着いており、印象から言えば「体格や性格やマレー選手に近く、プレイスタイルはマレー選手とジョコビッチ選手の中間位、フェデラー選手の影響も感じる」という感じです。(ドイツ出身という点も関係しているはずです。) まさにビック4世代の影響を受けて育ってきた選手といった所でしょうか。

前述の通り、若さからくる雑さや気分屋的な部分も見受けられませんし、ズベレフ選手が4-5年後のNo.1の本命かなと思っています。

これに現在のワウリンカ選手的なポジションでキリオス選手、錦織選手的なポジションでティエム選手という感じで5年後の上位陣は構成されているかもしれません。

ズベレフ選手以外の若手にNo.1候補は居ない

正直、現在名前の上がっているようなNext Genメンバー(18~22歳)にはズベレフ選手に匹敵する存在は居ない気がしています。

力がないとは言いませんが、色々な要素の改善で選手寿命が延び、ツアー参加選手の年齢層が上がっている現在、単に強いボールが打てる体の大きい選手というだけでは経験値を打ち破って勝利できるような状況にはありません。

それこそ20才未満の選手がATPツアーで活躍するには昔よりはるかに “選手に輝き” が必要な状況です。可能性があるとすれば17歳以下になるのかもしれませんね。