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ボックス形状のラケットが見直されつつある (テニス)

tennis racket

トッププロが使ってるラケットのタイプを見てみる

プロ選手が使っているラケットが市販品とどう違うとか実際プロが使ってるラケットがどういうものかといった事に詳しい訳でもないのですが、男子TOP30選手のラケットを見てみると次のような感じです。

01.ジョコビッチ (スピード)
02.マレー (ラジカル)
03.フェデラー (プロスタッフ97)
04.ワウリンカ (VCORE TOUR G)
05.ナダル (アエロプロドライブ)
06.フェレール (ピュアドライブ)
07.錦織 (BURN95)
08.ベルディヒ (インスティンクト)
09.ツォンガ (ピュアアエロ)
10.ガスケ (エクストリーム)
11.ラオニッチ (ブレード)
12.イズナー (ウォーリアー)
13.チリッチ (プレステージ)
14.アンダーソン (REVO CX2.0 TOUR)
15.シモン (プレステージ)
16.ゴフィン (ブレード)
17.バウティスタアグート (プロスタッフ97)
18.モンフィス (ブレード)
19.ティエム (ピュアストライク)
20.トミック (ラジカル)
21.ペール (アエロプロドライブ)
22.トロイツキ (ピュアアエロ)
23.ソック (アエロストームタイプ)
24.フォニーニ (ピュアドライブ)
25.フェリチアーノロペス (ウルトラ)
26.カルロビッチ (ラジカル)
27.ディミトロフ (プロスタッフ97S)
28.シャルディ (Tfight)
29.ジョンソン (ピュアアエロ)
30.ベルッチ (プロスタッフ97)

ラウンド形状に近いラケットを使ってるのは、ナダル選手、フェレール選手、ツォンガ選手、イズナー選手、ペール選手、トロイツキ選手、フォニーニ選手、ロペス選手、ジョンソン選手の9人という感じかと思います。(BURN95はラウンドとは少し違う気がします。)

マレー選手やカルロビッチ選手のラケットはラジカルとなっていますが縦長でプレステージに近い形状に見えますし、ガスケ選手はエクストリームとなっていますがフレームはボックス形状のようです。

マレー選手もガスケ選手も昔から同じラケットをペイントジョブで使い続けているという話も聞きます。ワウリンカ選手のラケットもVCORE95のペイントジョブじゃないかという話も聞きました。

ボックス形状の変化

ボックス形状のラケットと言うと、以前は発売当時のプロスタッフやプレステージのように完全な真四角のフレームな印象でした。

ただ、使用する素材やラケット製造技術の向上や時代、テニスの進化等もあるのか、対比される存在であるラウンド形状の良さを追加してきています。

フレームの厚みを増したり、フレームに丸みをもたせたり、外側と内側でフレームの形を変えたり(かまぼこ型、ダイヤモンド型)、スロート部がボックスフェイスはラウンドのようなハイブリッド型が登場したりです。

旧来のボックス形状とその後に登場したラウンド形状の間に位置するような様々形状のラケットが市販され、手に入る状況になっています。 

黄金スペック万能説は過去のもの

また、ラウンド形状の代名詞であるバボラの「ピュアドライブ」。

ピュアドライブ

黄金スペックという呼び方を産んだ初心者から上級者まで使えるラケットですが、長らくピュアドライブ一人勝ちだったラウンド形状の製品群にも変化が生まれています。(人気が広まった以降は「ピュアドライブとその模倣製品達」という図式が長く続きました。)

新製品の登場サイクルに合わせてスリクソンのREVO CVやウィルソンのウルトラのように飛び過ぎないラウンド形状のラケットが出てきました。

これらは飛びを犠牲にしている訳ではなく、様々な技術や工夫により「がっつり打ってもコートに収まる」といったコンセプトのようです。

なお、バボラはピュアドライブ、アエロプロドライブ以降、製品開発がうまく行っていません。

新製品は不評、主力のピュアドライブ、アエロプロドライブもマイナーチェンジでしのいできた印象で、新製品となったピュアアエロもマイナス評価を多く見かけます。

次のピュアドライブのモデルチェンジ(2017?)でバボラなりの次世代に向けた回答を出さないとかつてのプリンスのようにシェアを落としていってしまうのではないかと(勝手に)危惧してます。

ガット(ストリング)について

なお、今回は調べていないのですが、ストリングでは、ナチュラルとポリのハイブリッドを選ぶ選手が多いという話もよく聞きます。

ナダル選手のようにポリのみを張っている選手は少数です。

何故ナチュラルを入れるのかというとそれだけボールが飛びやすいですね。

単に飛ぶだけなら「金属の糸を張る方が飛ぶ」とも思いますが違和感のない、自然な飛びという感じなのでしょう。

これにポリと組み合わえるのはごく単純にはスピンをかけるためだと思います。

プロ選手と一般プレイヤーを同じモノサシで考えるのは適当ではないのでしょうが、ボールをガンガン打つ人はラウンドに近いラケットにポリを選ぶ(切れやすいのもあるし)う印象です。

自分はそこまでじゃなく初心者からようやくしっかり打てるようになってきた所だよ、ガットもそんなにキレないよという方は、ボックス形状に近いラケットでナチュラルを張るというのも一つの選択肢でしょうか。

こちらは比較的スイング速度、ラケット速度を出さないでボールを打つ、コントロールするための組み合わせだと考えます。いくらラウンド形状より “飛びづらい” ボックス形状だと言ってもこれでガンガン打っていてはライン内にボールを収めるだけで苦労しそうです。

ナイロン製のストリングは3ヶ月に1回張り替えろと言われますが、ナチュラルなら半年使っても大丈夫な位でプレイスタイルが合う方ならむしろ “コストパフォーマンスが良い” かもしれませんし。

この所のラケットの進化に比べるとストリングの進化は少し落ち着いてる印象です。

以前ならナチュラルに近い打感のナイロンガット、伸びない打感の柔らかいポリという進化の方向性でしたが最近は目立った動きがなく、ナチュラルガットは取って代わられている事もなく存在感を放ってます。

ナチュラルガットというと古臭いイメージがありますが、プロも普通に使っている製品でもありますし、選択肢から完全に外してしまう必要もないかと思います。

ラケットとは違い、プロ選手も市販品と同じガットを使っている可能性が高いですからね。

ラケットにおけるボールが飛ぶ飛ばないということ

ラケットを評価する際、「飛ぶ」「飛ばない」という表現をしますね。

でも、単にボールを飛ばすだけなら金属バットで打った方が飛ぶはずです。

「飛ぶ」と言われるラケットが「飛ばない」と言われるラケットに比べ、何か “バネ” のような飛ぶ仕掛けが追加されている訳ではありません。

ラケットのフレームはボールに当たった瞬間、

必ず「しなる」「ぶれる」といった現象

が起こります。

それがラケットからボールに伝わる運動エネルギーの伝達にロス、ボールが持つ運動エネルギーを反発させる際に減衰を生む訳で、

「飛ぶ・飛ばない」

ではなく、

「ロスが多いか・少ないか」

と表現するのが本来は正しいだろうと思います。

フレームが薄めで “しなる” ラケットは「ボールを掴む感覚がある」「打感が良い」と言われますが、

ボールが離れるまで (0.004秒の間) にラケットのしなりが復元することはない

でしょう。

しなったら “しなりっぱなし” で、

しなった状態のままボールはラケットから離れて飛んでいきます。

「トランポリン等のようにしなってボールを掴み、それが復元する中でボールが飛んでいくのだろう」

と考える方が多く、それが共通認識となっていたりしますね。

「グッと掴んでボールを飛ばす」「球離れが遅い」というのは、あくまで“打感”打った際に手に感じる感覚の話として認識する方が現実に合っていると思います。

そう認識した上で、メーカーとしてはウィルソンのウルトラのように

「ラウンド形状を保ったまま構造等を工夫して飛ばなくする」

方向性と

Prostaff97のように

「ボックス形状を保ったまま構造を工夫してボールを飛ぶようにする」

方向性があります。

時代が黄金スペックに偏り過ぎた揺り返しというか、

飛ぶようになったボックス形状の方が打感もよく、扱いやすく感じる

のではないかと思っているわけです。

恐らくですが、今後メーカーが新製品、モデルチェンジで力を入れるのはボックス形状寄りの設計をしたラケットになるのでしょう。

時代は「黄金スペック万能」から「打感のいい飛ぶボックス形状」へ

ボックス形状のラケットというとおじさんの懐古主義(このラケットじゃなきゃダメなんだよ)みたいなイメージですが、ラウンド形状のラケットに人気が偏った反省及びテニスの進化に対応するためという点も含めて、最近続いているボックス形状からラウンド側に機能を寄せたラケットを検討する意味はあると思います。

ラウンド形状のラケットを使う明確な理由があるのなら別ですが「飛ぶラケットを使って飛びすぎる。だからポリを張って飛ばなくする」と言うなら、飛ばないラケットを選ぶのは理由になるはずです。

「ボックス形状はパワー無いじゃん。俺はボールの威力重視なんだよ」という方は、なぜプロがボックス系のラケットを好んで選んでいるかを考えてみても良いと思います。

飛び過ぎないしコントロールが良いから自分の技術の邪魔をしないという事は大きいでしょう。

また、最近のボックス系のラケットは素材や製法、スペックの見直しでだいぶパワーも出てきています。

しっかり打っても収まるしコントロールもいい。

興味ありますよね?

日本では人気がないですがウィルソンのブレードは使用選手も多いラケットだし、スリクソンのCXもかなり成熟が進んできてます。プロスタッフやスピードもありますからね。