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両手打ちバックハンドは左手のフォアハンド? (テニス)

double handed backhand

両手打ちバックハンドにおける体の使い方

今回は、両手打ちバックハンドにおける体の使い方についてです。

double handed backhand

moerschyによるPixabayからの画像

最初に申し上げると、私は普段片手打ちバックハンドで打っておりこれまで両手打ちバックハンドは一度も習ったことはありません 。

ただ、テニスにおける体の使い方を確認する過程で片手か両手かという違いだけで「人の体の使い方が全く違う」という事があるはずもなく、巷で言われる「両手打ちと片手打ちは全然別物」「片手打ちバックハンドの打ち方、両手打ちバックの打ち方」のような表現に疑問を持っています。

実際、色々と比較してみると基本的な部分は共通していると感じます。ただ、今回は両手の役割についてのみについてです。

右手と左手でそれぞれ別の役割がある

説明の都合上、以下、右利きを前提とします。

私が道具を両手で持つスポーツ、例えばゴルフや野球における体の使い方を見ていて感じたのは、“右手と左手、それぞれに機能的役割が存在する” ということです。

簡単に言えば、「テイバックからラケットを引き、誘導するのが右手の役目、スイングの途中で左手に役割が切り替わり、ラケットの加速を補助し、ボールを正確に捉えて飛ばすのが左手の役割」となります。

ポイントは途中で役割が切り替わる点です。

左手で打つフォアハンドは両手打ちバックハンドは同じではない

「両手打ちバックハンドは左手のフォアハンド のイメージ」という指導がありますが、それだけが両手打ちバックハンドのポイントだと言うのであれば、右手は必要なくラケットを持ち替えて「左手のフォアハンド」を打てばいいとも言えます。

Top Tennis TrainingのSimonコーチ

ストロークの中で右手、左手でフォアを打っています。器用に見えるかもしれませんが、人の体は左右対象なので体の使い方さえ理解できれば右でも左でも同じようにフォアハンドを打つことができます。

右手の機能についての説明が少ないのでは?

両手打ちバックハンドは 「両手で持つから力が入りやすい」というイメージがある半面、「左手のフォアのイメージで打つ」と指導されることからも分かるように、右手の機能についてはあまり触れられません。

片手打ちに較べ両手で持つことによる打ち方の自由度もあるものの、シンプルに「左右の手それぞれの使い方」について教わる機会がないことで同じ両手打ちバックハンドといってもフォームは人それぞれ違うように見えます。

つまり、両手打ちバックは片手打ちバックよりも簡単だといいつつも、ミスをしないだけでプロ選手のようにしっかり打てている人も少ないのが現状なのでは? と推測しているわけです。

両手打ちバックハンドの特性を上げると以下のような点です。

  1. 片手打ちバックハンドより打点が体に近くなるのでボールを捉えやすい(当てやすい)。ただし、その分ボールに近づくフットワークが必要。
  2. ラケットを動かせる幅が片手打ちバックハンドよりも狭く長く加速区間を取ることができないので片手打ちバックハンドの方がスイングスピードは速い 。(スイングスピード増 = ボールスピード&回転量増)
  3. コンパクトに振れるので時間の無い中や速いタイミングで打ちやすく、且つラケット面もブレにくい。

右手に較べて左手の方が慣れないし、筋力も高くはないでしょうから、左手のフォアのイメージだけでなく、右手と左手を上手く連動させないとこれらの特性も活かせないだろうと思います。

両手打ちバックハンドのパワーの秘密

長くなってしまうので、よく拝見しているEssential Tennis.comさんの解説動画を参考に示します。

両手打ちバックハンドのパワーの秘密 

動画の中でIANコーチは、左右の手の主導(支配: dominate)について触れており、テイバックから右手でラケットを引き、途中から左手をリリース(右手の支配から開放)して役割を交代すると述べています。

体の回転に伴いラケットがスイングされると考えると、回転運動の中で左右の役割を切り替えるタイミングが分かりづらいですが、横向き状態で「体の正面部分におけるラケットの動きに限定」して考えれば少し分かりやすくなります。

テイバックからの振り始めでラケットのグリップエンドはラケットの進む方向を向いており、そのまま一直線に進み、体の正面を過ぎ打点に向かう中で、ラケットを引く右手の役割は、左手のラケットを押していく役割に切り替わり、ラケットフェイスがボールに向く流れかと思います。

ポイントとしてはラケットがグリップエンドからまっすぐ進むという点です。これはフォアハンドにおいて、脱力によりラケットがグリップ側から引かれる動きと同じです。右肩を軸にしているとは言え、ラケットヘッドは肩を軸とした円運動で動くのではなく、テイバックから加速し始める部分で言えば一直線に近い動きになります。

ラケット軌道 慣性の法則

マレー選手の両手打ちバックハンド 

murray backhand

 マレー選手のバックハンドは他選手とは違う独特の打ち方ですが、左手だけを見れば「左手のフォアハンド」と言えるような動きには見えないと思います。

逆に「右手主導でラケットを引き始め、途中から左手に役割を切り替えている」と言われれば両手のそれぞれの役割により実感が湧くのではないでしょうか?

※両手打ちバックのグリップは様々ですが、左手はフォアハンドより薄い握りにする方がトレンドのようですね。

両手打ちバックハンドについても、ラケットの動きを見ればキーワードになるのはフォアハンドやサーブ同様に「脱力」です。

※「脱力」を難しく考えず、皆に分かる「リラックスした状態」と考えればよいのだと思います。

フォアハンドと同じく、力を込めてラケットを振り回す、大きく動かして飛ばそうとするのではなく、いかに短い距離で瞬間的にラケットを加速させて(正確に当たりやすい中で)ボールを捉えるかというのが基本的な認識になります。

それを実現するための「左右の手の機能の切り替え」になるはずです。

今回は両手の役割について簡単に振れましたが、横向きのテイバックからどう体を回転させて(逆にさせずに)いくのかという点も一般的な認識に疑問があります。

(マレー選手を見ても単純に “横向き” と言えないのは分かるでしょうか?)

この点については別に考えてみたいと思います。

2021年5月追記:関連記事

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