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サーブにおけるトスの高さ (テニス)

テニスボール
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身長2mでも無回転のサーブは入らなそう

以前計算した通り、空気抵抗や風、温度などの諸条件を考えないとして、身長2mの人が無回転のサーブを打てば、入るものの「ネットの白帯の上10cm程の空間を必ず通す」必要があります。

身長180cmの人なら毎回20cmジャンプして且つその空間を必ず通さないといけません。普通の人なら500球打って1球入るか位でしょうか。全く実用的ではない感じです。

サーブ 身長2m

つまり、サーブは1st、2nd関係なく100%回転をかけて打つ必要があり、回転のかけ方で曲がり方やスピードをコントロールすることになります。

野球で言えば全球スライダーを投げて曲がりが多ければスピードが落ち、曲がりが少なければスピードが上がるという感じ。

全力のストレートを投げてもホームベースの前にあるネットに引っかかってキャッチャーまで届きません。

そこで疑問が生まれます。

「サーブを打つ際のトスの高さって??」

今回はこれについて考えてみます。

1)サーブが入りやすくなる。

サーブを打つ際にトスを上げますが、一般的には「トスは高い方がいい」という理解だと思います。なぜ? 答えはその方が入りやすいから? でも、実際には上記のように身長が2mの選手でもフラットサーブはほぼ入りません。

では、逆に低いトス、或いは打点でサーブを打つことを考えてみます。

「身長120cm位の小学校低学年のお子さんはサーブを入れるのは無理?」 全然、無理ではありません。

テニスに慣れたお子さんなら余裕で入れてくるでしょう。

大人でも「ベースラインに片膝をついた状態でサーブを打ってみれば、ゆっくりとしっかり回転をかけて打てばサービスボックスに入れるのは難しくない」のは想像が付くと思います。

サーブ以外でも、「球出しのボールをベースラインからトップスピンをかけて相手のサービスボックス内に収めるのもそこまで技術がなくても連続して打てば半分位は入れられる」のではないでしょうか。

Essential Tennis.comさんの動画: 「高い = いいサーブか?」

指導しているジュニアが「自分は背が低いから良いサーブが打てないんだ」と発言したことに対してIANさんが指導したエピーソードを踏まえ、片膝をついた状態からでもサーブが十分入ることを解説されています。

これことからもサーブを打つ際「サーブを入れやすくするためにトスを高く上げる必要はない」ことがわかります。(もちろん、自分のフォームでサーブが打てない程トスが低いのは問題があります。)

2.サーブのスピードが上がる

トスを高く上げる他の理由として「高く上げる方がサーブに威力が出る」というイメージがあります。

でも、自身で、相手コート内におさめることを考えずに「フラット気味に強く打ったフォアハンドとサーブで打ったボールのスピードはあまり変わらない」と思います。

むしろサーブが苦手な人ならストロークの方がスピードが出る位じゃないでしょうか。

サーブの方が速いイメージがあるのは、サーブを打つのが得意なプロ選手が打っているのを見ているからで、且つ、フォアハンドに比べてサーブの方が回転量が少ないのでよりスピードがあるからです。

プロ選手でも2ndサーブで打った回転量の多いスピンサーブと比べればフォアハンドストロークの方がスピードがあるはずです。

野球で例えますが、オーバースローのピッチャーはボールスピードが速い印象がありますが、サイドスローの選手でも145km/h以上の速球を投げられる選手はいます。

逆にオーバースローで130km/h代の選手も居ますね。

投げ方の違いではなく選手の持つ体の特性で速度が違います。

オーバースローの方が体の使い方で速度を出しやすいのですが、オーバースローでもボールを離すリリース位置を高く取ればボールの速度が速くなるわけでもないです。

ピッチャーによってリリース位置の高さは様々で自分がもっとも力を入れやすい位置で投げているはずです。

roger  clemens  - pitching

これらのことからも「トスの位置を高くすればスピードがあがるということもない」と言えそうです。(打ちやすく力の入る打点は人によっても変わりますし。)

3.トロフィーポーズでタメを作る

よく言われる「トロフィーポーズでタメを作る」という話です。このタメを作るために高いトスが必要だという話も聞きますね。

サーブ 足揃える

サーブ動作と共通点があるという点で再び野球の投球とやり投げの例で考えますが、ピッチャーがボールを投げる際、やり投げ選手が投てきする際、動き出してから投げ終わるまでに停止する時間はありません。 

選手毎に多少のフォームの違いはあっても、サーブのトロフィーポーズのように完全に停止する時間はないと思います。

つまり体をうまく使って腕を強く振る動作(物を投げる動作)に停止する時間は必要ないことが推測できます。

ダルビッシュ選手の投球フォーム

言い方を変えて、トロフィーポーズにおける停止はなぜ必要かと言えば「落ちてくるボールを待つため」です。

つまり、落ちてくるのを待つ時間が必要なければ、トロフィーポーズで一時停止する必要はなく、ピッチャーがボールを投げるように動き出しからフォロースルーまで一連の動作でラケットを振りサーブを打つことができます。

なお、何度か書いていますが、「慣性の法則」により、停止した物体はその場に留まり続けようとする特性があります。

つまり、ボールを打つ動きの中で体やラケットが完全に停止する時間を設けると再び動き続けようとする際に大きなエネルギーが必要になります。

また、体の停止は筋肉の緊張を生みます。入れることに一生懸命でただでさえ緊張するサーブにおいて体の停止はプラスにはならないでしょう。

4. リズムを取る

よく「サーブを打つタイミングはどうすればいい? 自分は1,2,3で打っているんだけど」という話が上がりますが、トスを高く上げてる人はこのリズムが上げる『トスに依存』してしまいます。

テニスボール

「1,2,3」かもしれないし「1,2の3」だったり、「1,2….の3」かもしれません。

これでは何が正しいのかわからなくなりますね。

想像してほしいのですが、ピッチャーがボールを、やり投げ選手がやりをそれぞれ握っているように、ラケットにボールが張り付いていて、素振りのようにサーブのモーションをして、ちょうど打点に当たる箇所で勝手にラケットから離れて飛んで行くと考えれば、トスの高さを気にすることがないとわかります。

つまり、自分が最も力を入れやすい、ラケットを速く振れるフォームでラケットを振った際、そのラケットが通過する位置(高さ、場所)が打点であり、トスしたボールがそこにあればよい訳です。

サーブ インパクトまでに加速させる

前述の通り、サーブのモーションをトロフィーポーズで一時停止させる必要は必ずしもないので、ピッチャーのモーションのようにスムーズに腕を振ってラケットが通過する場所を考えれば、自然とトスはその位置より少しだけ高いところで良い、逆にそれ以上高く上げることで待つ時間を取らないといけなくなるということになります。

※3と4に関し、プロ選手でもサーブの安定しない選手はトスが高い傾向があります。緊張した場面では更にトスが高くなってしまい、長いトロフィーポーズでの停止、リズムが崩れてますます入らなくなる、そういうシーンを良く見ます。(2013年ウィンブルドン女子決勝のサビーネ・リシツキ選手とか、シャラポワ選手もそうですね。)

Chardy serve

まとめ:

これらのことから考えてみるとすごくシンプルなことだと思います。

『初心者からテニスを教わる際、サーブではボールをトスしてから打つ。サーブを打つ打点のイメージがあるからそれよりも高くボールを上げ、最初はスムーズにラケットを振れないから出来るだけ高くトスを上げて、落ちてくるのを待ち構えてボールにラケットを当てにいく』そういう感じじゃなかったでしょうか。

サーブを「もっと滑らかに、ラケットを速く力強く振りたかったらトスしたボールではなく自分がラケットをどう振るかに重きをおくべき」ですね。

ラケットを毎回同じようにスイングしてラケットが通る位置にボールが来ればいいので、不必要に高くトスを上げて落ちてくるのを停止した状態で待つ必要もありません

フォアハンドでは手や腕でラケットをボールに当てにいく意識からインパクトで体が前に傾いてしまったり足での調整が足りずボールに近づきすぎて腕が縮こまった状態でボールを打とうとしたりしますが、サーブは自分でトスを上げて打つので足を動かしてボールに近づく必要もありません。

その場でラケットを振ればボールが当たるショットです。ボールを打ちにいく、当てようとする意識からフォームが崩れてしまうのはもったいないし、スイングスピードが落ちれば、サーブのスピードも落ち、回転量も減ってしまいます。

常に自分の一番いいフォームで打つこと。これはフォアハンドもサーブも同じだと思います。

鈴木貴男選手のトスの高さに関する解説

2021年5月追記 お知らせ:YouTube動画を追加しました。

動画編集練習用のYouTube動画を追加しました。ブログで書いた内容を元に動画を作っています。

テニスの上達のために『サーブの基本は『フラットサーブ』なのか?』を考えてみる

 

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