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今まで買った、読んだテニスの解説書、入門書一覧。テニス書籍を買うならどれがいい? (テニス)

tennis books

この記事は “2015年” に書いたものです。

当時は錦織選手の活躍で世間はちょっとしたテニスブーム。テニス書籍や入門書の類もかなりの数出版されました。それを基に書いたものです。

2020年現在、当時のような新規書籍の発売ペースは完全に終わっていて、新たな選択肢が多くは出ていない状況なので、(既に販売終了になった本も含まれていますが) 古い記事でも書籍選びの参考になればと思います。

なお、現在はYouTubeでテニス動画をいくらでも見られるので「選手の写真を集めただけ」「スクールレッスンで教わる内容を本にしただけ」な書籍をわざわざ購入する意味は低いと思います。

色々とテニスの解説書を読んでみたりしています

結構テニス関連の本は割と買っていたりするので読んだことのある中で感想を書きます。

個人的に感じた感想、結論的な事を先に書いておきますね。

理解するのは大変ですが『ショーンボーン博士のテニスゼミナール~テニスを徹底的に科学する』はボールを打つ科学的理屈と現代テニスを理解したかったら絶対に読んだ方がいいです。

テニスの入門(今の技術を再確認するにも)には、石井弘樹プロの解説書はどれもよく考えられていて参考にしやすいです。

サーブを基本から良くしたいなら堀内昌一先生のナチュラルスピンサーブ解説で、理解は難しいですがサーブを打つ理屈(ショーンボーン博士の説明にも通じます)が詰まってます。

これを読んで理解できないなら(どんなにテニスを続けていても)サーブを打つ仕組みが理解できてないのかもしれません。

黒岩高徳コーチの本は独特な表現ながら現代的なテニスに通じるものです。知識を持った上で読む(DVDを見る)ととても参考になります。

ショーンボーン博士のテニスゼミナール~テニスを徹底的に科学する リチャード・ショーンボーン著 (ベースボール・マガジン社)

テニス月刊誌「Tennis Magazine」の連載をまとめたムックです。ショーンボーン博士は現代テニス研究の先駆けみたいな方で、今日、テニスコーチが当たり前のように教えている事柄には80年代に博士が初めて提言したものが多く含まれています。体はどういう仕組みでそれがどうボールを打つ際に作用するか、そういった事を解説された書籍です。理解するのは大変ですが厚い本ではないので、テニスにきちんと取り組みたいなら絶対に読んだ方がいい一冊です。

※残念ながら絶版になったようです。持っている方はラッキーかもしれません。

テニススピードマスター 石井弘樹 (新星出版社)

元全日本ダブルスチャンピオンの石井プロの書籍です。石井プロの書籍は分かりやすく評価のよい本が多いようです。この本はフォア、バック、サーブ、リターン、ボレー、スマッシュと各ショット毎にかなり多くの連続写真を使って図解してありわかりやすいです。石井プロは現代的なテニスの打ち方を指導される代表的な方なので、この本では当たり前のようにそういう打ち方で説明されています。ありがちな入門書とかと読み比べるとスタンスや体の使い方が全然違うのがわかると思います。私が取り敢えず1冊勧めるならこの本ですね。

トッププレーヤー ベストショット2015 (ベースボール・マガジン社)

各ショット毎にトッププロのフォームを比較することで、トッププロの打ち方は皆共通点があり、正しい体の使い方というものがあるよというのを解説した書籍です。出版元は月刊誌テニスマガジンを発行している所なので信頼感もあります。解説は文字が中心で専門家の方の説明なのでややわかりづらいのですが、他の書籍と合わせて、繰り返し読んでいくうちに理解できていくと思います。

やろうよテニス こどもスポーツシリーズ 竹内映ニ (ベースボール・マガジン社)

元フェド杯監督の竹内先生が書かれた本です。お子さんがテニスを始める際に読むための本という位置づけですが、テニスにおける基本や色々な考え方、トレーニングの仕方等、150ページ位にぎゅっと凝縮されているので、初心者含め大人の方が読んでもすごく参考になる書籍です。

テニス丸ごと一冊サービス 堀内昌一 (ベースボール・マガジン社)

亜細亜大学テニス部監督の堀内先生の本です。テニスマガジンでたびたびサーブの解説をされています。堀内先生はサーブの基本は回転をかけた”ナチュラルスピンサーブ”で、フラット、スライス、スピンと3種類を打ち分けるのではなく、1種類のサーブで微妙に当たり方を変えることで相手に取りづらい確率の高いサーブを打てるという理論を提唱されています。鈴木貴男プロも同様の考えをお持ちです。これは書籍ですが、DVDも発売されているのでそちらも参考になります。考え方は人それぞれなのでこれを見ればOKというわけではないですが、考え方の一つとして身に付ければ意味のある書籍だと思います。

スウィングは骨を動かせ!! 黒岩高徳 (スキージャーナル社)

黒岩コーチはJOPツアーを周られていた方で今はテニス関係の会社の代表としてコーチングをされています。雑誌テニスクラッシックで連載も持たれています。黒岩コーチは左右の骨盤と肩甲骨を結ぶ2つの軸を動かすことでボールを打つという独自の理論を提唱されていて、それは現代テニスの体の捻って戻すことで体幹のパワーを出す打ち方に通じるものなのですが、発売当時(2008年)は独自過ぎて全く理解できずじまいでした。でも、体の捻り戻しを理解すれば、なかなか参考になる理論だなと思います。(DVD付きでイメージしやすいです。) 現に、今では、雑誌等で肩甲骨と肩を結ぶ2軸という表現をするコーチの方は見受けられます。

※残念ながら絶版になったようです。

テニス丸ごと一冊戦略と戦術 1&2&3 堀内昌一 (ベースボール・マガジン社)

再び堀内先生の本です。この本は試合等における考え方、試合における戦術を考えるためにはこういう基礎知識が必要なんですよと解説された本です。従って、これを読むと技術が向上するとかいう本ではないですが、テニスでは実戦として試合をすることは多いので、そういう際に、場面、場面でどういう考え方をするのがよいのかという考え方の基本を覚えたければ読んでみるといいと思います。(ただ、項目が多すぎて身に付けるのは大変ですけどね。)

テニス ダブルスに勝つコツ 傾向と対策82 橋爪宏幸 (実業之日本社)

草トーナメントの達人と言われる橋爪宏幸さんの書籍です。ダブルスにおいて状況、状況でどういう判断をして、どういう攻め方をするのが効果的かを解説された本です。導入というか、割りと基本的な事を書いてある感じですが、82項目それぞれを頭に叩き込んでおくという部分では1冊持っておいていい本なのかなと思います。

テニス・ダブルス ポジショニングの基本と実戦 佐藤哲哉 (成美堂出版)

元全日本ダブルスチャンピオンの佐藤哲哉コーチの書籍です。最近出た本でダブルス関連ではかなりオススメです。全般カラー写真とDVD付きで、パターン毎にダブルスのポジション取りについて解説されています。すごく基本的な内容ではあるのですが、説明が丁寧でよくあるパターンを中心に説明されているので 7よりも先にこちらを見る方がいいと思います。(ダブルスは試合中のポジション取りができないと全然ゲームにならないので。) 私がダブルスの入門で1冊選ぶならこれになると思います。

いちばんやさしいテニスダブルスの基本レッスン 石井 弘樹 (新星出版社)

石井プロのダブルスの解説書です。ダブルスで使用する各ショットについて打ち方やコツを図解を含めて丁寧に書いてあります。「テニススピードマスター」に比べると実践的な面が強いのでやや情報が詰め込み過ぎな印象ですが、同様に連続写真での図解が多いのでショットの打ち方のイメージがしやすいと思いました。解説されている内容は、サーブ&リターン、ストローク、ボレー&スマッシュ、ダブルスの基本セオリー、プロが使うテクニック等です。

鈴木貴男選手の書籍 3冊

・試合に勝つテニス 鈴木貴男のスライス系ショット完全レッスン

・鈴木貴男のサーブからのゲームメイク

・試合に勝つテニス 鈴木貴男のサーブ&ボレーレッスン

鈴木貴男選手のサーブ、ボレー、スライスについて図解で解説されている本です。鈴木貴男選手のテクニックに興味があるなら読んでもいいと思います。ただ、鈴木貴男選手の解説の特徴として、すごく基本的な説明に終始される傾向があるので、鈴木貴男選手のフォームを図解で見れればいいという位で、これを見て技術が云々というのはちょっと難しいと思います。ページ数も多くないですし、途中からモノクロページになるのでちょっと見づらいかと。7もそうですが、実業之日本社の書籍はページ数が少なめでちょっと解説に丁寧さ、親切さが足りない気がします。

ちなみに鈴木選手のテクニックに興味があるなら、年に数回行われている鈴木選手が指導されるテニス合宿がありますから検討してみたらいいと思います。YouTubeに鈴木選手が一般の方に指導される様子を撮った動画がいくつか乗っていますが、とてもわかりやすく、プロならではの視点でシンプルに説明されます。鈴木選手の書籍やDVDが説明不足な感じで分かりづらいのは、編集する側のまとめ方や表現力が追いついないせいなのだろうと思ってしまいます。

連続写真でうまくなる!テニス最新スイング 2015 (日本スポーツ企画出版社)

ベースボールマガジン社の「トッププレーヤー ベストショット2015」を意識して出したのかと思って参考のため購入しました。

しかし、正直、月刊誌スマッシュで毎月のように掲載されているプロの各ショットの連続写真に解説を付け直して並べ替えた感じです。後半は選手毎にまとめたり、最後は古い選手の写真(これも20年位前にこの雑誌で見ました)を乗せたりしてますが、正直、殆どの写真がこの1年位の間でこの月刊誌で見たものばかりです。

連続写真が次々載っていて写真の数は多いのですが、フォアと言っても各選手のボールを打つ連続写真に、この選手のここが参考になるといったポイントを付加しただけです。また、連続写真は試合中の選手のショットを撮影したもので、体勢が崩れていたり、走りこんで打っていたりと、必ずしもベストな体勢で打ったショットでないものも多く含まれています。 月刊誌に掲載されている時は気になりませんでしたが、これだけの数をまとめて掲載されると、参考になるのかと少々疑問です。編集の都合上、再度写真を選び直すとかは無理だったとしても、「トッププレーヤー ベストショット」の方が割りとまとまっているのと比べてしまいます。毎月、月刊誌の方を読んでいる人なら、わざわざ買う必要はないのかもしれません。解説もそこまで参考になる感じではない(月刊誌の方とほぼおなじレベル)ので、各選手の連続写真を見比べたい方位が対象でしょうか。

新しいテニス入門 最短でうまくなるレッスンDVD 中本圭 (池田書店)

テニスワークスKeiの中本圭コーチ監修の解説書です。中本コーチについては2010年に休刊になった「テニスジャーナル」誌 (毎号DVD付のムックタイプが売りだったテニス月刊誌) に連載を持たれていたので知っていました。テニスコーチ育成コースのある専門学校で指導をされていたと思います。テニスジャーナル誌の動画レッスンでも専門学校生を見本にボールを打つ導入のための練習メニュー等について解説されていました。

率直に言えばテニス月刊誌の巻頭特集をまとめて書籍にしたようにな印象です。連続写真に解説を加える形でポイントとなる部分を強調してある感じです。私が月刊誌を見ていつも不満に思うのは、例えば、「体がどういう仕組みになっていてフォアを打つ際にはこういう体の使い方をするのが力は入りやすく安定する。だからプロは皆こういう体の使い方をする」というような基本(幹)となる部分には触れずに、「スピンをかけるにはココがポイント」、「こういうイメージで振ればよりパワーがでる」のように個別のコツ(枝葉)を解説してある点です。そういう点に興味を持つ人は多いでしょうが、基本を理解しないままコツばかりに注目してもレベルの底上げには繋がらないと思います。

最近のキーワードである「運動連鎖」等の言葉も使ってありますが、月刊誌同様、サーブでは「回内」のみ強調し「回内」をおこすのに必要な「外旋/回外」には触れてありません。(インパクト後にいくら腕を捻っても力は出ない)

コーチを目指す学生を指導されている方ですから指導内容は十分なのでしょうが「テニスジャーナル」誌のDVDで連載されていた頃と変わってない印象です。DVDが付いているのは、実際の動きを見てもらわないと伝わらないというこだわりなのでしょうね。増田健太郎プロの見本も入ってました。

既にテニスをやっていて、月刊誌が巻頭特集で組むようなコツをまとめて読みたい人にはいいかと思いますが初心者の方がこれを見て基本から学ぼうというのには合ってないかもしれません。 

 完全マスター テニスの基本 中嶋 康博 (コスミック出版)

新しく発売された書籍で目についたので読んでみましたがかなり中途半端な印象です。

去年からの錦織ブームを踏まえて短期間で企画された書籍なのでしょうか。監修はテニス雑誌でも解説されている中嶋プロですが、出版社自体はテニスとは馴染みのない会社のようでした。(スポーツは野球やサッカー等の出版物が多い。後は単発の企画本。)

完全な初心者向けに基礎を丁寧に書いた感じの解説書でもなく、ある程度できる方が参考にできるようなノウハウをまとめた感じの本でもありません。書籍の特徴として「脱初心者」をうたっていますが、基礎も触れ、応用も触れと、幅広く網羅しようとして逆に中途半端な感じになってしまった書籍との印象を持ちました。

テニスに限らずその分野に慣れない出版社が監修者に頼った書籍作りをするとこういうまとまりのない書籍になりがちです。ひと通り、図解も交えて解説してあるのですが、あれもこれもと摘んだ感じで解説してあるので、個々の内容が薄く、トータルで見てもあまり参考にならないかなぁという感想を持ちました。

昔と違い最近はまともなテニスの解説書が多い中、ダメな例の代表という感じです。(繰り返しになりますが、昔よくあった「色んな分野でHow to本ばかり出してる出版社が作る要点のまとまらない入門書」という感じです。。) 1,300円払うなら他の書籍の方がよいと思います。